一般的に多い縦長タイプの部屋は、入口から奥の窓までの奥行きが深くなっています。そのため、この奥行きを上手に利用したレイアウトや家具の配置が重要です。縦長タイプの部屋の特徴を十分に理解して、自分や家族のライフスタイルや好みに合った部屋にコーディネートしましょう。

８畳という大きさは、畳8枚分の広さの事です。しかし、畳の大きさは地域によって異なり、縦長の8畳間と言っても、物件によって大きさが異なります。ただし、不動産業界のルールで、1畳あたりの広さは1.62�u（平米）以上と定められており、８畳は最低でも約13�u（平米）の広さです。縦長タイプの部屋では、寸法が4.8m×2.7mになるケースもあります。レイアウトを考える際はまず、自分の部屋の広さを�u（平米）で把握し、実際の広さをイメージしましょう。

部屋の広さやレイアウトを具体的に把握するには、3Dシミュレーションでイメージを確認してみるのも1つの方法です。

縦長8畳の部屋でも、1Kとワンルームでは、部屋とキッチンの間に仕切りがあるのかどうかの違いがあります。1Kはキッチンと部屋が仕切られており、部屋のスペースは8畳です。キッチンはその中に含まれていないので、部屋のスペースを比較的広く使えます。

一方で、ワンルームはキッチンと部屋が一体となった間取りで、縦長8畳のスペースにはキッチンも含まれています。一人暮らしの場合、1Kかワンルームの部屋を選ぶことが多いでしょう。どちらを選ぶかによって、使える部屋のスペースの広さが異なるので、事前に広さをよく確認しておくことが大切です。

縦長8畳の1Kは、キッチンがリビングスペースに含まれていないため、ワンルームよりも広く使えます。限られたスペースを効率よく利用するには、狭さを感じさせない家具の配置や動線の工夫が重要です。レイアウト例を紹介しながら、使いやすい1Kの部屋作りのポイントを解説します。

縦長8畳の細長い部屋は、壁を有効的に使えるよう家具を配置することが重要です。ベッドを窓付近の壁沿いに置くだけで、部屋に奥行きが出ます。また、入り口付近にベッドを置けば、部屋に入ったときにベッドが視界に入りにくいため、生活スペースが広く感じられます。

ベッドを死角になる場所にレイアウトするのも1つのアイデアです。逆にベッドを横向きに配置してしまうと入り口から窓までの動線を確保しにくくなり、部屋全体が狭く感じられてしまいます。

縦長8畳の部屋にテーブルやソファを置く場合は、ローテーブルや脚なしのソファなどを配置して部屋を広く見せる工夫も大切です。脚なしソファは安定感があり、丸みを帯びたフォルムの物を選べば、女性らしい印象のレイアウトになります。

また、ソファの高さに合った木製やクリアタイプのテーブルを選べば、デザイン性の高いインテリアコーディネートになるでしょう。ベロアタイプのソファにして重厚感のあるアンティークスタイルを楽しむのも1つのアイデアです。

縦長8畳の部屋は、一般的に奥にある窓が自然と視線を引きつけやすく、窓から光が入りやすいのが特徴です。そのため、窓からの光を最大限に利用した家具の配置やカラーコーディネートが重要です。特に、光を反射しやすい白系のインテリアや家具を取り入れて、部屋をより広く見せましょう。

日中は太陽の光を利用して明るく過ごし、夜は照明の配置や明るさを工夫すれば、昼と夜で全く違った雰囲気を楽しめる部屋になります。

8畳のスペースでは背の高い家具を揃えすぎると圧迫感が強くなり、息苦しく感じることがあるので、背の低い家具で揃えましょう。ローテーブルやフロアソファ、横置きのチェストなどをうまく配置をして部屋に余白を作れば、天井を高く見せられます。

また、天井が高い部屋であれば、天井にダウンライトを設置して部屋全体を優しく包み込むような照明にするのも1つのアイデアです。一方、天井が低い場合はペンダントライトを天井から吊るせば、光が部屋全体に広がりやすくなります。

一人暮らしの場合は大きなインテリアや家具を置く必要がありません。一人掛けのソファやサイドテーブルを選んで、部屋のスペースを残して、動線を確保しやすいレイアウトを心がけましょう。ベッドを壁沿いに配置し、反対側に一人掛けソファとサイドテーブルを置くと、部屋の中央に動線ができてスムーズに移動できるようになります。

ソファは木やベロア、革など素材の種類が豊富なので部屋のテイストに合わせて選びましょう。

縦長8畳のワンルームは1Kのようにキッチンと部屋が分かれていないため、リビングにはキッチンとして使用する部分も含まれます。このため、リビングが狭く見えないよう、インテリア選びや家具の配置のバランスを工夫することが大切です。ワンルームでも心地よく過ごせる工夫やコツを、レイアウト例をもとに紹介しましょう。

部屋を仕切りたい場合は、背の高いシェルフをベッドとダイニングの間に置くと良いでしょう。部屋をゾーニングできるだけでなく、収納力も確保できます。完全に部屋を仕切りたいときは、背面のある収納棚を選び、部屋に開放感を出したいのであればオープンシェルフを使うのがポイントです。

オープンシェルフは見せる収納としても使え、インテリアのアクセントになります。おしゃれな洋書や観葉植物などを飾るのも、部屋の雰囲気を一層引き立てる方法です。

縦長8畳のワンルームでは奥に窓が設置されていることが多く、ベッドを窓のそばに配置して、部屋の奥行きを感じられるようにするのがポイントです。奥に高さのあるベッドを置いた場合、圧迫感が出てしまうので、ローベッドを選ぶと部屋を広く見せられます。

特に縦長タイプの部屋であれば、入り口付近に高さのある家具を、奥側には背の低い家具を配置しましょう。遠近法の効果によって奥行きが生まれ、部屋全体が広く感じられるようになります。また、入り口は死角になりやすく、そこに背の高い家具を配置すると圧迫感が和らぎます。

ダイニングテーブルは食事の場となるだけでなく、仕事用のデスク代わりや来客との応対にも使える万能の家具です。ダイニングテーブルを部屋の中央に配置して、下にラグを敷けば、ベッドとダイニングを仕切るゾーニング効果が期待できます。

ローテーブルとフロアチェアでは、姿勢が崩れやすいため、仕事に集中しにくく、結果的にプライベートとの切り替えが難しくなります。リモートワークが多い場合、集中して作業できるように仕事とプライベートのメリハリを意識した部屋作りが大切です。

縦長の8畳スペースで、ベッドを窓側に横向きにレイアウトした場合、入り口から中央までのスペースを十分に確保しやすいのがメリットです。窓側にベッドを配置し、その手前に収納棚やソファをレイアウトすれば自然な仕切りとなり、就寝スペースとリビングスペースの役割が明確になります。

ただし動線が入り口から窓まで一直線に通らないため、動きにくさを感じるかもしれません。

リモートワークが多い男性の一人暮らしや勉強に集中したい男子大学生の場合、ソファやダイニングテーブルは置かずに、作業用デスクをメインに配置しても良いでしょう。縦長8畳のワンルームでは、キッチンを除くスペースが約6畳しかないため、家具は必要最低限の数にとどめ、生活スペースを確保することが重要です。

作業用デスクをメインにするのは、ソファやテーブルにこだわりたい人とは異なり、シンプルで機能的な部屋を重視する人向けのレイアウトです。作業用デスクをダイニングテーブルとしても兼用するのなら、折りたたみ式デスクを使って、使うタイミングに合わせて広げたり収納したりするのも1つの方法です。

8畳のワンルームや1Kと違い、縦長8畳のリビングは一人暮らしであれば、ゆとりを持って快適に過ごせます。ですが、2人暮らしや3人暮らしの場合は家具を配置するスペースが限られるため、レイアウトに工夫が必要になります。

縦長8畳のリビングで、ソファを窓側に付けてテレビを反対側に配置するレイアウトは、壁の面積が多い縦長タイプの部屋に適しています。テレビとソファの間を空けて動線を確保できるほか、その間にラグを敷けば、ダイニングスペースとリビングスペースのゾーニングができます。

逆に、ソファを壁側に配置してテレビを窓側に置いてしまうと、テレビの画面が日差しに反射して見づらくなることがあるので避けましょう。

2人暮らしや来客の多い一人暮らしの場合、L字型のソファを置けばテーブルとソファの両方の役割を果たします。リビングダイニングとして、食事の時間もリラックスタイムも快適に過ごせるでしょう。
また、リビングスペースを十分に確保したい場合、L字型ソファを真ん中に配置して縦長8畳のスペースを仕切るレイアウトにするのも1つの方法です。さらにオットマン付きのソファなら、来客時の椅子やサイドテーブル、スツールとしての役割を果たします。

縦長8畳のリビングダイニングではダイニングテーブルやソファ、テレビなどを配置すると、部屋のスペースが狭く感じられる場合もあります。狭いリビングを広く見せるには、脚が細いデザインの椅子をダイニングテーブルに合わせたり、ペンダントライトや雑貨を黒やグレーなど引き締め効果のあるカラーで統一したりするのも、工夫の一つです。

脚が太い椅子よりも細い椅子のほうが、床の見える面積が広くなり、部屋に圧迫感を与えにくくなります。さらに、脚の細い椅子やスタイリッシュな家具は入り口付近にまとめ、奥側には背の低いインテリアを配置すると、遠近法の効果で奥行きが感じられるレイアウトになります。

ダイニングにはテーブルを置かず、対面式キッチンの壁にカウンターテーブルとチェアを設置しても良いでしょう。縦長8畳のリビングダイニングに大きめのダイニングテーブルやL字型ソファ、テレビを配置しても、使わない時間が多いならスペースが無駄になってしまうことがあります。

リビングスペースやデスクのスペースを確保したい場合は、カウンターテーブルでダイニングまわりをコンパクトにまとめれば、リビングに余裕が生まれてスペースを無駄なく使えます。

縦長8畳のリビングに壁掛けテレビを配置すればテレビ台が不要になり、収納や家具の配置にスペースを充てられます。壁掛けテレビはおしゃれなインテリアの一部にもなるでしょう。テレビの左右に間接照明を配置したり、空いたスペースに収納棚を置いたりするのも部屋の雰囲気を引き締めて収納力を高めるポイントの1つです。 壁掛けテレビはレイアウト次第でシアター風にアレンジでき、リビングをモダンな雰囲気にしたいときも一役買います。

縦長8畳の部屋は、スペースの使い方次第で広くも狭くも感じられます。インテリアや家具の配置、動線の工夫によって、快適に過ごせるレイアウトを目指しましょう。縦長8畳のスペースをうまく使うには、次のようなポイントに注意するのが基本です。 縦長8畳レイアウトの基本ポイント
・動線を優先して家具を配置する
・用途別に空間をゆるやかに区切る
・光と窓の位置を踏まえた配置を意識する
・奥行きを生かしたレイアウトを心がける

縦長8畳の部屋は、家具やインテリアの選び方次第で、広く感じるか狭く感じるか、印象が大きく変わります。収納を兼ねたインテリアや家具なども活用してスペースを効率的に使い、圧迫感を抑えられるレイアウトを心がけることが大切です。

家具やインテリア選びでは次のポイントを押さえましょう。

家具やインテリア選びで押さえたいポイント
・ロータイプ家具を選んで圧迫感を抑える
・脚付き家具で床の見える面積を確保する
・奥行きが浅くスリムな家具を選ぶ
・色や素材感を統一してインテリアに調和を持たせる

縦長8畳の部屋に背の高いインテリアや家具を配置してしまうと、圧迫感で窮屈な印象になってしまいます。背の低いインテリアや家具を選び、視線が抜けるレイアウトを意識しましょう。脚なしのソファやローテーブル、ローチェストが最適です。

ただし、背の低い家具を選んでも、高さが揃っていなければ全体のバランスが崩れ、まとまりのないレイアウトになってしまいます。家具の高さをそろえることもポイントです。また、背の低いアイテムが多くなると視線が下に偏り、部屋が単調に感じられやすくなるので、少し変化をつけることも考えましょう。

縦長8畳の部屋には背の低いインテリアや家具を配置するのが効果的ですが、脚のないチェストやソファなどが多くなってしまうと、床の面積がふさがれて圧迫感が出やすくなります。圧迫感のないレイアウトにするには、脚付きのソファやチェストを取り入れながら、家具の配置を部屋全体の約3分の1に留めて床面を見せることがポイントです。

脚付きのアイテムを入り口から窓側まで動線を考えながら配置し、それぞれの家具の間に適度な距離を保つことで余白を感じられるレイアウトとなり、圧迫感を軽減できます。

縦長8畳の部屋の横幅は、レイアウトによって多少異なりますが約3mとされています。限られた横幅を有効に使うには、奥行きを抑えた薄型の家具を取り入れて動線にゆとりを持たせるのがポイントです。

オープンシェルフを取り入れるのであれば、収納を兼ねながら圧迫感を抑えるため、入り口近くにスリムで高さのある物を配置するのが最適です。洋服の収納もワードローブなど大きい家具は避けて、スリムなハンガーラックや引き出し収納の家具を選びましょう。

縦長8畳の部屋を統一感のあるレイアウトにするためには、主役となるインテリアや家具を決め、そのカラーや素材を基準に全体のコーディネートを考えることがポイントです。大きめのL字型ソファカラーがグリーンの場合、ダイニングテーブルはグレーや白、椅子は木材素材を選ぶと全体のバランスが良くなります。

また、部屋のインテリアや家具のカラーは3色に抑えると、統一感のあるコーディネートになります。家具やインテリアにカラフルな物を揃えるときは、壁や床を白で統一すると全体がまとまり、色のあるアイテムが際立つアクセントになるでしょう。

縦長8畳の部屋を広く見せるには、視線の誘導や素材選び、レイアウトの工夫が欠かせません。抜け感を出したり、適度な余白を設けたりすることによって、限られたスペースでも狭さを感じさせない心地の良い部屋になります。

縦長8畳の空間作りのポイント
・中央に余白を残すことで視界を開放する
・ミラーやガラス素材を使って抜け感を演出する
・縦のラインを意識して視線を引き上げる
・ラグやカーテンで空間をゆるやかに仕切る

縦長8畳の部屋では、入り口から窓までの動線を確保するため、部屋の中央には家具を置かずにスペースとして空けておくことが大切です。中央にソファやベッドを置くと窓への視線が遮られ、部屋全体が窮屈に感じられます。中央にスペースを空けて、壁沿いにベッドやソファを配置すると入り口から窓への見通しが良くなります。

また、動きやすさと開放感を意識して、部屋の余白は全体の3分の2を保ちましょう。ベッドやダイニングテーブルなど必要最低限の家具だけだと物足りなさを感じることもありますが、部屋に余白を作ることで開放感が生まれ質の高いレイアウトになります。

縦長8畳の部屋をより広く見せるには、家具の配置だけでなく、部屋の高さも意識したレイアウトが重要です。背の低い家具で部屋全体を広く見せながら、アートを高い位置に飾ったりペンダントライトを取り入れたりして、視線を上に引き上げると良いでしょう。

さらに、ドレープカーテンを天井近くの高い位置に設置して、視線を天井に誘導する方法もあります。ドレープカーテンは重厚感があり、8畳のスペースには重い印象を与えてしまう可能性があるので、カーテンの色はホワイトやグレーを選び、抜け感が出るように心がけましょう。

縦長8畳の部屋も家具やインテリアの選び方によって、実際より広く見せられ、快適に。過ごせる場所になります。縦長タイプの８畳の部屋に良く合う商品を10点紹介しましょう。