一人暮らし向けのワンルームからファミリー向け物件の一室まで、さまざまな間取りに使われている5畳の部屋ですが、具体的にどれくらいの広さかイメージできない人も多いのではないでしょうか。イメージ通りの暮らしをするには、実際の部屋のサイズを理解した上でレイアウトを考えることが大切です。

同じ5畳でも各物件の間取りや部屋の形によって実現できるレイアウトが異なります。それぞれの広さを比較し、自分がイメージするレイアウトが可能かどうか考えましょう。

5畳の部屋は寝室やダイニングなどさまざまな用途で使えますが、メリットやデメリットをよく理解しておけば、より使いやすいレイアウトになるでしょう。特にデメリットについては、イメージ通りにコーディネートできるかどうかに関わるので、事前によく確認しておくことが大切です。

5畳の部屋は、他の広さに比べて掃除するスペースが狭いのが大きなメリットです。スペースが限られるぶん、配置できる収納家具などが限られるので、物を増やしすぎないようにする意識も働きやすいでしょう。また、5畳の部屋を子供部屋として使えば、自由に使えるスペースを適度に作れて、子供が成長しても窮屈に感じにくいでしょう。

ダイニングやリビングとして使えば、空間がコンパクトなぶん、家族のコミュニケーションが取りやすいのもメリットです。

・掃除や整理整頓がしやすい
・家族同士のコミュニケーションが取りやすい
・子供部屋にすれば成長しても使いやすい

部屋によって多少の違いはあるものの、5畳の部屋は家具の設置スペースが限られてしまうのが最大のデメリットです。棚やタンスなどを配置するのも難しく、収納場所が不足しやすいため、物が多くなりがちな人は、部屋の中が窮屈になってしまうかもしれません。

また部屋自体が狭く、家具を置く場合にサイズが限られてしまう点もデメリットです。特に二人以上の世帯だと、その分家具も増えるため、一つひとつのサイズに注意して選ばなければなりません。また、高さのあるベッドなどを置くと圧迫感が出てしまい、部屋全体が窮屈に感じる可能性もあります。

・収納スペースが不足しやすい
・配置できる家具が限られる
・高さのあるベッドを置くと狭く感じやすい

5畳はあまり広くないため、インテリアの配置を考えるのが難しくなってしまいますが、事前に置ける家具のサイズ感を把握しておけば、どのようなレイアウトが可能なのかイメージしやすくなります。部屋の用途によっても、配置する家具の種類が変わるので、事前にしっかり計画しましょう。

ワンルームはキッチンが部屋と繋がっている間取りで、5畳だと一人暮らしには少し狭い程度の広さです。暮らす人数は1人が理想で、2人以上になると、家具の配置によっては移動が困難になる可能性があります。シングルベッドと小型のローテーブル程度であれば問題ありませんが、ソファも置くと部屋のほとんどが埋まるほどのサイズ感です。

そのため、収納家具を置く場合は、スリムデザインのカラーボックスや本棚程度に留めることが大切です。5畳のワンルームの間取りを最大限広く使いたい場合は、ベッドを使わずに布団を敷いたり、折り畳み式テーブルを必要なときにだけ出したりといった工夫をしましょう。

・シングルベッド
・カラーボックス
・小型のローテーブル

5畳1Kの物件はキッチンと生活スペースが仕切られている間取りのことで、生活できる人数は1〜2人程度です。部屋のサイズ感としてはベッドとローテーブルに加えて、本棚を並べたり小型のパーソナルチェアを配置したりしても生活スペースに少し余裕がある程度です。スリムな壁面収納などを設置すれば、生活スペースを圧迫せずに収納場所を広げられます。

・ベッド
・本棚
・ローテーブル
・パーソナルチェア

1LDKの間取りの場合、居室が5畳のこともあります。一般的に1LDKの場合、LDKは8畳以上の広さになっているため、ソファやダイニングテーブルなどの大型家具はLDKにまとめて配置することが可能です。その分、5畳の部屋はレイアウトの自由度が高くなります。とは言っても、サイズの大きいベッドにソファまで置いてしまうと、動線が確保しにくくなってしまうでしょう。また、2人暮らしでも問題のないサイズ感です。

・ベッド
・ソファ
・テーブル
・テレビボード

5畳の部屋のレイアウトを決めるにあたって、ベッドの配置は部屋の快適さを大きく左右します。スムーズな生活動線を作るためにも、各サイズのベッドを置いたときにどれだけの余裕が出るのか、理解しておきましょう。

5畳の正方形の部屋でも、シングルベッドなら半分程度のスペースで済み、ほかにも家具を配置する余裕があります。寝るだけの部屋として使うなら、シングルベッドを2つ並べても大人1人が通れる50cm程度の隙間は空けられるので、通路の確保も問題ありません。しかし、ベッド以外にサイズの大きい家具を置くと、手狭になってしまうでしょう。

5畳の部屋にセミダブルベッドを置くこと自体は問題ありません。しかし、ダイニングテーブルなどと一緒に置くほど広さに余裕はなく、生活スペースに影響が出ることもあります。特に正方形の部屋の場合、スペースの半分以上をベッドが占めてしまうので、ワンルームの部屋での設置は難しいでしょう。

手狭な5畳の部屋もレイアウトや家具の選び方の工夫で、快適に過ごせる部屋になります。開放感や機能性などを重視したレイアウト例を紹介します。

5畳の部屋は大きな収納棚を置けないため、ラックにテレビを置いてテレビボードのように使うと良いでしょう。コーナーラックを部屋の角に置けば、デッドスペースができるのを防ぎ、収納力も高められます。さらに突っ張り式のラックであれば部屋に圧迫感が出ません。

頻繁に使うバッグや本を置いたり、インテリアで部屋を飾ったりなど、さまざまな使い方ができます。

ローテーブルや低いテレビボードなどのロースタイルのインテリアを組み合わせれば、狭い空間でも部屋を広く見せられます。特に5畳の広さだと高さのある家具は圧迫感が出やすく、部屋の中を移動するのに邪魔に感じられることもあります。

ロースタイルインテリアを中心としたレイアウトであれば、視界が家具に遮られにくく、圧迫感を抑えられるでしょう。動線が少し狭くても歩きやすく、部屋の中をスムーズに移動できるのもメリットです。

家財道具が多く、どうしても高さのある収納棚を置きたい場合は、ドアの近くに配置する方法もあります。ドアの近くに配置すれば部屋に入った時に奥行きが広く見えるので、窮屈な印象になりません。
一方、他の家具はできるだけ高さを抑えて、開放感が出るようにしましょう。
ただ、ドア近くに家具を置く場合は、事前にドアが開く向きや角度を確認しておくことが大切です。家具にぶつかってドアが開きにくくなることがあるので、注意しましょう。

インテリアを置くスペースが限られる5畳の部屋だからこそ、家具はコンパクトなデザインで、機能性の高いものを選ぶことが大切です。5畳の部屋に適した家具やグッズを15点紹介します。

A.1　5畳の部屋でのレイアウトは、圧迫感を抑えながら収納力を増やすのがコツです。収納棚を複数置くのが難しい分、ウォールシェルフなどの壁面を使って設置するアイテムを使うと生活スペースを圧迫せずに収納力を高められます。また背が低くて浅い家具を部屋の奥側へ配置すれば、部屋に奥行きが出るので、部屋が広く感じられます。

また、5畳の部屋のレイアウトでは動線作りが大切です。一般的には人が通れる最低限の通路幅は40cmとされていますが、快適に行き来できるよう、ベッドの片側は50〜60cm程度の通路幅を持たせましょう。

・壁を使って収納スペースを増やす
・背が低く奥行きが浅い家具を選ぶ
・ベッドの片側は50〜60cm程度の空間を開ける