インテリアとして人気の高い収納家具のひとつ「キャビネット」。デザインや、高さ・幅も様々で、リビングやダイニングなど、あらゆるスペースに合わせて選べる実用的な家具となっています。ここでは、キャビネットの詳細についてご紹介します。

キャビネットとは、扉や引き出しを備えた「箱型の収納家具の総称」です。その歴史は古く、元々はルネッサンス後期に、貴重品を飾りながら保管しておくことを目的とした「小さな部屋」のことを指していました。そののちに「小さな家具」のことを指すようになり、時代とともに種類やデザインが進化。現代では扉の有無を問わず、チェストやサイドボードのような収納家具も含めて「キャビネット」と呼ぶようになりました。

収納家具には様々な種類があり、上記のようにその呼び方も変わります。また、デザインや高さ、用途によって使い分けられています。ここでは、特にキャビネットと混同しやすい家具との違いについて詳しく紹介いたします。

キャビネットは先述したように、「箱型の収納家具の総称」です。その中でもチェストは、主に引き出しで構成された収納家具のことを指します。高さやデザインも多様で、ハイチェストやローチェストなど種類も豊富です。スペースや用途に応じて使い分けることができ、衣類の収納のほか、キッチン用で作られたタイプもあり、実用的な家具となっています。

キャビネットは、扉の有無を問わない家具ですが、戸棚は前面に開閉する扉を付けた収納スタイルが特徴です。キャビネットよりもシンプルな構造となっています。

キャビネットには、扉や引き出しが付いているなど、用途によって機能性を持たせているデザインがあるのに対し、シェルフは扉がない開放的な収納家具を指します。扉や引き出しが付いているキャビネットの場合は内部を目隠しできますが、シェルフは「見せる収納」として使用されます。収納するアイテムや小物の置き方次第で、インテリアとしての楽しみ方も広がる家具と言えるでしょう。

キャビネットは高さやデザインに制限のない収納家具ですが、サイドボードは腰高以下の低めの家具を指します。収納スペースの構成が似ていますが、元々の由来をたどると、サイドボードはダイニングテーブルの脇に置き、配膳を行うための台として使われていました。現代ではインテリア性を重視し、サイドボードはリビングで使う家具として使われるのが主流となっています。

下記は、扉のタイプによるメリットとデメリットについて記載したものです。キャビネットには、扉の形状によって様々な種類があります。ここでは、扉のタイプ別に各キャビネットの特徴をご紹介するので参考にしてください。

収納家具の中でもシンプルなデザインが特徴のオープンキャビネットは、扉がないため出し入れがスムーズです。棚板の高さを変更できるものも多く、様々なものの収納に対応可能です。本の収納やインテリア雑貨のディスプレイに最適で、見せる収納として活用できます。ただし、ホコリが気になる場合は、こまめな清掃が必要となります。

たっぷりの収納スペースを確保できる両開き扉キャビネットは、洋室だけではなく、デザインによっては和室との相性も良いのが特徴です。扉で内部を隠せるため、整然とした印象を与えることができます。本棚としてはもちろん、キッチンで使えるタイプもあり、高さや幅も含め、用途に応じてぴったりのタイプを選べるでしょう。

片開きキャビネットは、コンパクトな収納家具として人気がある家具です。両開き扉と比べて扉の前面に、開閉のために必要なスペースが少なくて済むので、狭い場所でも設置しやすいキャビネットと言えるでしょう。収納スペースは比較的小さめのキャビネットですが、限られたスペースの有効活用に最適です。また、オフィスや家庭での使用に適しています。

引き戸キャビネットは、スペースを効率的に使える収納家具として注目されています。扉が横にスライドする仕組みのため、開閉時に前方スペースを必要としないのが最大の特徴です。収納するものの種類も多岐にわたり、書類、食器、本など幅広い用途に対応できます。開けたままにしていても、扉がジャマにならないという点もメリットです。

ラテラルキャビネットは、横長の引き出しが特徴的な収納家具です。書類やファイルを横置きで保管できるため、整理整頓がしやすく、必要な書類をすぐに取り出せる利点があります。通常のキャビネットと比べて奥行きがあり、収納スペースも広いのが特徴です。引き出しタイプの収納家具のため、必然的に見下ろす高さになり、重いファイルの収納に適しています。

トレーキャビネットは、浅めの引き出しが複数段あることが特徴です。文具や小物など、細かいアイテムの分類収納に最適で、引き出しごとに用途を分けることで整理整頓がしやすくなります。収納物が一目で確認できるため、オフィスワークでよく使用する道具類をすぐに取り出せる利便性があり、オフィスや書斎での使用に向いています。

ガラス戸キャビネットは、透明な扉を通して収納物が見える特徴を持つ収納家具です。中身が確認しやすいため、書類や本、装飾品などの収納に適しています。扉があることでホコリから収納物を守りながら、デザイン性の高いディスプレイ収納としても活用できます。また、室内を明るく見せる効果もあり、インテリアとしても人気が高いです。

ここでは、キャビネットを選ぶ際の重要なポイントについて紹介します。収納家具の中でも特に存在感のあるキャビネットは、様々な要素を考慮して選ぶ必要があります。キャビネットを選ぶポイントを詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

キャビネットを選ぶ際は、設置する場所に合わせて種類を選ぶことが大切です。収納の使い勝手や扉の開閉スペースを考慮すると、スペースを最大限に活用できます。チェストやキャビネットの種類によって収納量も異なるため、家具のサイズと設置スペースのバランスを考えましょう。下記の表を参考に、各部屋に適したタイプを選んでください。

下記の表を参考に、用途に応じた機能を持つキャビネットを選ぶことで、より便利な収納空間を作ることができます。重要書類を保管する場合は鍵付きのキャビネットがおすすめです。また、頻繁に移動させる必要がある場合は、キャスター付きのタイプが便利でしょう。デザイン性を重視する場合は、隠す収納と見せる収納を使い分けることがポイントです。

収納したいものの量や寸法を事前に把握することで、適切なサイズのキャビネットを選ぶことができます。奥行きは取り出しやすさに影響するため、収納物の大きさに合わせて選びましょう。また高さは、部屋の天井との間隔、取り出しやすさ、なども考慮して決めることが重要です。キャビネットの種類によって収納力も異なるため、収納物の量と合わせて検討してください。

キャビネットの主な素材は、以下の通りです。

・木製
・ガラス
・金属
・プラスチック

キャビネットの素材選びは、デザイン性と機能性の両面を重視するようにしましょう。木製は温かみや高級感の演出、ガラスはディスプレイ収納に向いており、金属は耐久性が高いのが特徴です。また、プラスチックは軽量で扱いやすく、コストパフォーマンスに優れています。それぞれの特徴を活かした使い方をすることで、より快適な収納空間を作ることができます。

部屋全体の雰囲気に合わせてデザインを選ぶことで、調和の取れた空間を作ることができます。収納家具の中でも特に存在感のあるキャビネットは、スペースのアクセントとしても活用することが可能です。家具の全体的な印象だけではなく、扉のデザインや取っ手の形状などにも着目することで、全体的に統一された雰囲気を作り出すことができます。

キャビネットの色選びは、他の家具との調和を考慮することが重要です。すでに部屋に設置されている家具と同系色を選ぶことで、統一感のある空間を作ることができます。また、あえて異なる色を選んでアクセントとして使用することも効果的です。部屋全体の雰囲気に合わせて、適切な色を選びましょう。

ここでは、収納に便利なおすすめのキャビネットについて紹介します。キャビネットにはシンプルなデザインをはじめ、スペースを有効活用できたり、デザイン性の高いおしゃれなものなど、様々な種類のキャビネットやチェストがあります。ライフスタイルや部屋のインテリアに合わせた収納家具選びの参考にしてください。