お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

専門家「風景」をつくるガーデニング術

我が家のローズガーデン2016

居場英則

大変ご無沙汰しております〜(汗)。

前回、このブログ記事を書かせていただいたのが、ゴールデンウィークまっただ中の5月6日。

そこから1ヶ月近く、このブログ記事の更新が滞ってしまいました〜(大汗)。

楽しみに待っていただいていた皆さまには、大変申し訳ありません。

この1ヶ月、まさに怒濤のバラ月間でした。

バラセミナーに通い、お友達になったバラ友さんのお庭をいくつも拝見させていただいたり、

「国際バラとガーデニングショウ」を見に東京に遠征し、ディノスさんの出店ブースにご挨拶にうかがって、

その翌日は、関東の有名バラ園を2カ所、散策しました。

関西に戻ってからは、自宅ガーデンでのオープンガーデンや、友人を招いてのガーデンパーティ、

そして、新聞、雑紙、TVなどの取材を受けたりと、まさにバラ三昧な1ヶ月を過ごしました。

おかげで、撮影した写真は貯まる一方で、自分のブログさえ更新できない状況が続いておりました(汗)。

言い訳はこれくらいにして・・・(大汗)、

お待たせしておりました、このブログを更新しますね〜。

今回の記事では、個人のブログでもまだ書いていない、今年2016年の我が家のバラ庭の様子をレポートします。

ボクのガーデニング信条でもある、「風景をつくるガーデニング」の一端を見ていただければと思います。

● 街並みに花のある景色をお裾分け

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こちらは、我が家の前庭の全景です。

最も遅咲きのつるバラ、ドロシー・パーキンスも綺麗に咲き揃った、今年のバラシーズンのフィナーレを飾る

風景です。

建物の外壁に誘引した、淡いピンクから濃いピンクまで、数種類のつるバラが、まるでタペストリーのような

ピンクのグラデーションの「壁庭」を構成しています。

シンボルツリーのエゴノキや、樹形の美しいアオダモ、銀色の葉が瑞々しいオリーブなど、数種類の高木を

適所に配置して、オアシスのような風景をイメージしながらデザインしています。

● 香る中庭

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こちらは、我が家の中庭の様子です。

遅咲きのバラが多い前庭に比べると、こちらの中庭は、早咲きのバラがメインの庭になります。

また、前庭が小輪房咲きのバラが多いのに比べ、こちらの中庭では、中輪〜大輪のバラを多く配置しています。

そして、最大の特徴が、中庭には「香るバラ」が多いということです。

朝、目が覚めて中庭に出てみると、何とも言えぬ素晴らしい香りが、建物に囲まれたこの中庭に充満しています。

まさに、至福の時です。

● 中庭のバラをライトアップ

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今年は、中庭でも咲いているバラに照明を当てて、ナイトガーデニングを楽しんでみました。

夕暮れ時のわずかな時間、マジックアワーと言われる、空が青く染まる時間を待って、写真撮影を行いました。

室内から漏れ出る明かりと、照明器具によって照らし出される夜のバラの風景。

昼間とはまた違う、妖艶な表情をみせてくれます。

● 今年はベランダ・ガーデンにも挑戦

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今年は、今、注目されている「ベランダ・ガーデン」にもチャレンジしてみました!

我が家は、奈良盆地を囲む山並みを遠くに望む高台にあります。

その関係で、2階がリビング・ダイニングスペースとなっています。

その2階のダイニングに面してバルコニーがあるのですが、今年はここに鉢植えのバラを持ち込み、

バルコニーの手すりにつるバラを誘引したり、オベリスク仕立てのバラを配置したりして

空中ガーデンをつくってみました。

● 奈良盆地を見渡す風景とバラに囲まれる至福の時間

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ベランダ・ガーデンは初挑戦だったんですが、予想外にいい感じに仕上がりました〜(笑)。

広いスペースではありませんが、たくさんの鉢植えのバラに囲まれながら、デッキチェアに身を横たえ、

ぼーっと景色を見ていると、疲れも吹き飛びます。

● つるバラのアーチ

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我が家の庭では、男のボクが作るバラ庭ということもあって、

なるべく女性的(フェミニン)な雰囲気にならないように、意識的にデザインしています。

その代表格が、アーチを使った演出をしていないことです。

とはいえ、アーチに近い演出をしてみたいということで始めたのが、こちらのエントランス部分の演出です。

前庭と中庭を視覚的に繋ぎながら、空間的には区分するガラスの扉があるのですが、

そのガラスの扉の周りに何種類ものつるバラを壁面に誘引して、アーチのような雰囲気を作り出しています。


● 我が家の一番の見せ場

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このガラス扉付近の「壁庭」は、我が家の一番の見せ場となっています。

白い割肌調の大理石タイルの壁面にコントラストをつくる濃いピンクのつるバラ(キング・ローズ)や、

房咲きで枝垂れるように咲く淡いピンクのつるバラ(ジャスミーナ)、そして名花レオナルド・ダ・ヴィンチと、

その枝代わりのレッド・レオナルド・ダ・ヴィンチ、アントニオ・ガウディ(別名、シルバー・レオナルド)の

三兄弟のバラが、ガラスの扉を囲むように、咲いています。

これらは、鉢植えのまま、壁面に誘引しています。

● 前庭でもナイトガーデニング

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中庭だけでなく、前庭でもバラをライトアップするナイトガーデニングを実施しました。

空が青くなる夕暮れ時(マジックアワー)を狙って撮影してみました。

バラの花をライトアップする場合、淡い色の方が光を綺麗に反射し、美しく映えますね。

昼間は、濃いピンクのバラの方がよく目立ちますが、夜は逆転して、

淡いピンクのバラの方が闇夜に妖しく輝やき、とても美しいです。

● 前庭の白い壁面「パレット」に満開のバラ

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こちらは、前庭に面した建物の外壁に誘引したつるバラが作り出す、ダイナミックな「壁庭」風景です。

この「壁庭」のベースとなる、建物1階部分の白い大理石タイルの壁を『パレット』と称しています。

画家が絵を描く際に、絵の具を調合する、あのパレットです。

「キャンパス」ではなく、あくまでも「パレット」。

このパレットは、毎年咲く花の模様が異なります。

地植えや鉢植えのつるバラを組み合わせ、冬の誘引作業で、春の開花の景色を頭の中で描きながら、

枝を間配って誘引していきます。

この誘引作業が、ロザリアンにとって最も刺激的でクリエイティブな作業だと言えます。

● 苦労が報われる時

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前庭の建物外壁、「パレット」と称するこの大きな壁面に、地植えと鉢植えを合わせて約15本のつるバラと

クレマチスを誘引しています。

昨年の12月、まさにこの時の風景を思い描きながら、寒空の中、ただ一人、誘引作業を続けました。

その時頭の中に描いた風景が、今まさに目の前に広がっています。

そのイメージ通りに咲き揃った前庭に佇むと、これまでの苦労が報われた気持ちになります。

まさに、ロザリアンにとって達成感を感じる充実のひと時です。

このために、一年間頑張って来ました。

また来年の春は、今年と少し違う風景になっていることでしょう?

いつまでも完成しないからこそ、「キャンパス」ではなく「パレット」なのです。


如何でしたでしょうか?、2016年の我が家のバラ庭。

毎年、試行錯誤(トライ&エラー)の連続で作っている我が家のバラ庭ですが、

うまくいった部分と、思い通りに行かなかった課題もたくさんあって、また翌年に向けて、

これから一年頑張ります。

何か、皆さんのバラ庭づくりのご参考になれば幸いです。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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