リビングダイニングのレイアウトを考える際には、まず、リビングダイニングの広さや形状、全体の間取りの違いなどによる特徴を把握することが大切です。広さや形状によってインテリアの配置や動線の確保の方法も変わります。LDKの形状の基本的なタイプと、その特徴を紹介します。

快適なリビングダイニングやLDKにするには、基本となるレイアウトのポイントを押さえるのが重要です。LDKを暮らしやすくレイアウトするには、次のような点に注意しましょう。

レイアウトのポイント
・生活動線を確保する
・空間をゆるやかに仕切るゾーニングを意識する
・インテリアのテイストを統一する
・視線の抜けを作り開放感を演出する
・コンセントの位置と数を確認する

インテリアの配置において重要なのが、日常の動作を妨げない生活動線の確保です。人が正面を向いて無理なく通れる幅は約60�pとされ、これを基準に家具を配置するとスムーズに移動できます。さらに、すれ違いが必要な場所では100cm以上を目安に確保すると、部屋全体にゆとりが生まれます。

例えば、ソファとローテーブルの間は30cm以上、テーブルとテレビボードの間には60cm程度のスペースをとると良いでしょう。動きやすいだけでなく、リビングの雰囲気も開放的になります。

リビングとダイニング、キッチンの役割を持つLDKでは、それぞれのスペースを区切るゾーニングが重要です。明確に仕切ってしまう方法もありますが、家具などを上手に使って、ゆるやかにスペースを区切ると、スペースを行き来しやすく、室内全体も開放的な雰囲気になります。

例えば、ダイニングテーブルの背後にソファを置くと、食事の場と家族が団らんするくつろぎのエリアをゆるやかに分けられます。視界を遮るオープンシェルフや背の高いインテリアで、仕切り代わりにすることもできます。ラグを敷いたり、照明を変えたりするのもゾーニングのテクニックの一つです。

インテリアのテイストを揃えると、LDKのレイアウトにまとまりが出ます。まずはダイニングテーブルやソファなど、室内の印象を左右する大型家具のスタイルを決めましょう。北欧、モダン、ナチュラル、アンティークなど方向性が明確になれば、そのテイストに合わせて収納家具や照明、装飾アイテムを選びやすくなります。

視界を遮らないインテリアの配置を心掛けると、室内が広く感じられます。大きな窓のあるLDKの場合は、外へ視線が抜けるように家具を低めに抑えましょう。自然光と景色が生かされ、より開放的な印象になります。また、壁に鏡を掛けて奥行きを強調し、実際の面積以上に部屋を広く見せるのもテクニックの一つです。

床の見せ方も重要で、床が見えるほど、室内が広く感じられます。具体的には、家具が占める割合を床面積の3割〜4割程度に抑えるのがコツです。家具は一カ所にまとめてコーディネートし、家具も脚付きのものにするなどして、できるだけ床を見せましょう。

コンセントの位置と数の確認も重要です。特に、テレビ配線を接続するコンセントの場所は家具の配置に大きく関わります。延長コードが必要になると、コードの生活感を隠すのが大変です。また、コンセントが使いやすい位置にないと家電が思うように使えずストレスを感じます。さらに、コンセントの数が不足していると使用する家電が多くなる季節などに困ります。

キッチンやリビングは比較的設置数に余裕があっても、それ以外の場所は見落とされがちです。どこで何を使うのかを明確にし、必要な箇所を確認しておきましょう。

リビングはLDKの中でも家族が集まるくつろぎの場です。居心地の良さと機能性を両立させるには、レイアウトの工夫が重要です。快適なリビングダイニングになるよう、レイアウトでは次の点に注意しましょう。

レイアウト・家具配置のポイント
・ソファを主役として配置する
・テレビとの最適な距離を保つ
・背の低い家具で圧迫感をなくす
・収納計画を立てて生活感を隠す
・家族のコミュニケーションの形を考える

家具の高さも室内の印象を左右します。ソファやテレビボードなど大きな家具は、高さがあると視界を遮り部屋に圧迫感を与えがちです。しかし、背の低い家具は天井が高く見えて室内全体が広々とした印象になります。あまり広くない部屋でも、視界の抜けが生まれやすく、窮屈な印象を抑えられます。

また、背の低いインテリアは、古くから日本人に親しまれてきた床座の文化とも親和性が高く、和風の部屋にもよく合います。

リビングダイニングは家族が自然と集まる場所です。心地良く会話が生まれるようなレイアウトを意識しましょう。例えば、ダイニングは明るい窓際に配置すると朝の時間を爽やかに過ごせます。一方、リビングのソファは落ち着いた照明の壁際に置くと、夜のくつろぎのひと時を快適に過ごせます。

家族全員が視線を交わせるように、ソファやダイニングチェアが背を向け合わない配置も大切です。ダイニングは食事以外にも宿題や趣味の場として利用できるようにするなど、用途を広げる工夫もしましょう。デスクや広めのカウンターを置けば、多目的に使える場所になります。

家族のライフスタイルに合わせた配置を考えると自然と会話が増え、LDK全体が心地良い団らんの場となるでしょう。

ダイニングは食事だけでなく家族の会話や客への応接など、さまざまなシーンで利用されます。使い勝手をよくするため、レイアウトでは特に動線や家具のバランスを意識しましょう。ダイニングスペースの家具配置のポイントや、使いやすさを高める工夫を紹介します。

リビングダイニング（LDK）のレイアウト、家具配置のポイント
・キッチンからの動線を最優先する
・最適なダイニングテーブルのサイズを選ぶ
・ダイニングテーブルを置かないことも検討する
・掃除のしやすさを考慮する
・ライフステージの変化に対応できるようにする

キッチンから配膳や片付けがしやすくなると、日々の家事を効率的に進められます。キッチンとダイニングテーブルを横並びに配置する並列型のレイアウトは料理をすぐにテーブルへ運べ、移動距離が短く効率的です。また、調理中でも会話がしやすく、コミュニケーションが取りやすい点もメリットです。

一方、対面式レイアウトはキッチンの手元が隠せます。どちらの配置でも、できるだけ移動距離が短くなるよう動線を意識しましょう。

日々の掃除を快適に行うには家具の配置も重要です。掃除機やワイパーが通れるスペースをあらかじめ確保しておけば家具を動かす手間が省け、効率良く掃除できます。テーブルや椅子は壁に寄せ過ぎず、周囲に動線を設けておくと、掃除だけでなく、家事全体がスムーズにできます。

また、物を床に直置きするのは極力避け、浮かせる収納や吊り下げ型のゴミ箱や収納を取り入れると良いでしょう。大きな家具の下にはキャスターを付けるなどして動かしやすくするのも家事を楽にする工夫です。椅子の脚には滑りやすいシールを貼ればスムーズに移動させられます。

子供の成長や家族構成の変化によって、必要な家具や部屋の機能も変わっていきます。子供が学齢期を迎えたら、リビングやダイニングの一角に学習スペースを設けようと考えている家庭も多いでしょう。ダイニングテーブルを勉強机にしたり、キッチンカウンターにスリムなデスクを追加したりして、家族との会話を楽しみながら学習できる環境を整えるのも良いでしょう。

教材や文房具をすぐに取り出せる収納スペースを近くに配置しておくとさらに便利です。一方で、夫婦二人の暮らしや一人暮らしでは、よりシンプルで効率的なレイアウトが求められます。リビングの一角にワークスペースを設ける場合は、昇降式テーブルなどを利用すれば、くつろぎの時間との切り替えもスムーズです。

4〜7畳ほどの狭いリビングダイニングでは、家具の選び方や配置が上手なレイアウトのコツです。生活動線を意識しながら、4畳から7畳の限られたスペースを最大限に生かす快適なレイアウト例を紹介します。

4畳の狭いリビングでは、家具のサイズと配置が快適さを左右します。また、縦長リビングは突き当たりに掃き出し窓があることが多く、バルコニーへの行き来を考えたレイアウトも重要です。あえてダイニングテーブルなしにして、幅180cm程度の3人掛けソファを中心に据えると居心地の良いリビングになります。

バルコニーへの動線が不要な場合は、オットマンや一人掛けソファを窓側に置くと良いでしょう。賃貸などの狭小部屋では、移動しやすいオットマンが模様替えやシーンの切り替えに役立ちます。

4.5畳ほどのコンパクトな空間でも、正方形の間取りを生かしてコーナー和室を設けるとLDKと和室一直線でつながり、開放感のある部屋になります。あえて家具を置かずに畳敷きにすると、来客対応や仮眠、遊び場、収納スペースなど多目的に使えるでしょう。

小上がりを置き、畳の下に収納スペースを設けると、散らかりがちな日用品や子供の玩具も片付けられます。

縦長リビングは長細い空間を生かしたレイアウトが可能です。家族全員がくつろげる幅240cm程度のワイドソファを主役にしたコーディネートが良いでしょう。バルコニーに出入りできる部屋の場合、ダイニングテーブルなしでサイドテーブルを置くと動線がスムーズになります。家具が少なめでも、居心地の良いリビングになるでしょう。

奥行きを生かしてソファの背面に薄型の収納家具を置けば、生活感を抑えながら、おしゃれな収納スペースにもできます。床座り中心の生活を考えていたり、リラックスできる雰囲気を重視したりするのなら、ソファを壁側に寄せてラグとローテーブルを配置しても良いでしょう。

7畳の縦長リビングは家具を置き過ぎると動線が狭まり、部屋全体が圧迫された印象になりかねません。室内にゆとりを持たせるには必要な家具だけを選び、適度なスペースを残すことが大切です。短辺の長さが約3m未満の間取りでは大型家具は避け、コンパクトなアイテムを選びましょう。

壁沿いに家具をまとめ、部屋の中央部分を開けると狭さを感じにくく、居心地の良いリビングになります。

リビングダイニングが8〜9畳だと、ある程度広さに余裕がありますが、動線や収納、インテリアのバランスを意識したレイアウトが大切です。8〜9畳のリビングダイニング兼用の部屋を作るポイントを紹介します。

通路を遮らないコンパクトなカフェテーブルを配置した、移動の邪魔にならないコーディネートです。二人暮らしまでなら食事を取るスペースはカフェテーブルでも十分です。最近は二人用のこたつテーブルもあります。冬の生活も考え、こたつテーブルを配置しても良いでしょう。

また、ソファを置くときは、通路を妨げないサイズを選び、室内を広く見せる抜け感と歩きやすさを両立しましょう。床のダークブラウン色は、室内を狭く感じさせる場合がありますが、同色の家具で統一するとまとまりが生まれ、おしゃれな印象になります。

ローテーブルをあえて置かず、ソファ前の広さが不十分な限られた空間でもくつろげるレイアウトにしています。食事の場はダイニングテーブルにし、リラックスできる場としてリビングにはソファを中心にレイアウトしています。

食事とくつろぎの場所を分けると、ワンルームや1LDKなどの一体型スペースでも心地良く過ごせます。

リビングとダイニングを分けて配置すると空間が窮屈に見える場合があります。そんな時に効果的なのが、ソファとダイニングを兼ねたソファダイニングを使ったレイアウトです。LDKの奥行きが比較的短い場合でも、リビングとダイニングを1つにまとめたレイアウトなら広さに余裕が生まれます。テレビボードとの距離にもゆとりができ、圧迫感を抑えられるでしょう。

窓際に視線が抜ける配置なら開放感が生まれ、ソファに座ったまま外の景色を楽しみながら作業や食事もできます。家具の役割を集約すると将来、模様替えしやすい点もメリットです。

2LDKの間取りの部屋でも見られる10〜12畳のLDKは、広いスペースを生かしたレイアウトが可能です。食事やくつろぎの場をバランスよく配置しましょう広さに余裕があるからこそ、逆に難しくも感じられる10〜12畳のLDKのレイアウトについて紹介します。

10畳の横長リビングダイニングは横幅を利用して、ソファとダイニングを横並びに配置できます。奥行きのあるソファや大型サイズのダイニングテーブルも無理なく置けるでしょう。ロータイプのソファを選べば、ダイニング側からもテレビを視聴しやすくなり、一体感のあるコーディネートが可能です。

ソファを壁付けせず中央付近にレイアウトできる余裕もあるので、全体的に開放感のあるリビングにできます。

10畳の正方形リビングダイニングは家具を沿わせて配置できる壁面が少ないのが特徴です。ソファやダイニングテーブルなど大型の家具は、壁に沿わせるか中央に置くかで部屋の印象が変わります。

ダイニングテーブルは4人用にして、片側はベンチ、もう一方はチェア２脚を合わせて軽い印象に仕上げています。

10畳の変形リビングダイニングは、正方形の形状と使える壁面の少なさが家具の配置に影響する場合があります。こうした場合、窓を背にソファを置くレイアウトをすると動線がスムーズになります。背後に景色が広がると、部屋全体に開放感が生まれるのもメリットです。

また、壁際にコンパクトな一本脚のカフェテーブルを置くと、おしゃれな雰囲気になるでしょう。通路の幅にも余裕が出て、移動がスムーズになります。

床座を取り入れ、和風テイストを意識したコーディネートです。座卓とローソファを配置し、二人暮らしでも余裕を感じられる広さを確保しました。あえてダイニングテーブルを設けず、洋室でも和の趣を感じさせる落ち着いた雰囲気を出しています。

ソファ前の広さを多めにとり、座面の広いソファでも圧迫感が出ないよう、バランスの良いレイアウトとなっています。間仕切りになる収納を配置し、実用性とデザイン性を兼ね備えているのもポイントです。柔らかな雰囲気を醸し出す間接照明も設置しています。

13〜15畳のLDKはリビングとダイニングのスペースを確保しながら、インテリア次第でさまざまな使い方ができる広さです。生活スタイルや好みに合わせて、家具の配置やレイアウトを考えやすいのも特徴です。13〜15畳のリビングダイニングのレイアウト例を紹介します。

濃色の床材が印象的な縦長の14畳リビングに明るいヒヤシンス素材のソファと、ダイニングチェアを組み合わせたコーディネートです。ゆとりある縦長の部屋は、4人掛けのダイニングセットや2.5人掛けソファを置いても圧迫感が出にくく開放感があります。

さらに、窓際にワークスペースを設けてパーテーションで緩やかに仕切れば、在宅ワークやテレワークも快適です。

抜け感を意識した開放的な13畳の横長リビングのレイアウトです。1階のテラスへの眺望を生かすために、ソファ前にはあえてローテーブルを置かずベンチタイプのダイニングを置くと、圧迫感を軽減できます。

面積が広いリビングでもソファの配置やサイズによって印象は大きく変わります。中央にソファを置く場合は、リビングとダイニングをつなぐ生活動線を確保すると、より居心地が良くなります。

外の景色を楽しめる窓際にローソファを配置して開放感を出した横長14畳リビングのレイアウトです。窓の外へ視界を遮らないよう家具の高さや位置に配慮し、自然光が差し込む明るいリビングになっています。

縦横の長さが等しい正方形の四角いリビングダイニングは、家具の配置次第で圧迫感が生まれやすくなるのがデメリットです。白で統一されたチェストとソファを部屋の対角線に配置すると、視線の抜けを確保できます。

さらに、白色の家具はグレーの壁面と調和し、間接照明の柔らかな光を当てると上品な雰囲気を醸し出します。配色と配置の工夫によって、正方形特有の閉塞感を抑えたレイアウトです。

広さにゆとりのある16〜20畳のリビングダイニングは、家具選びやレイアウトによって快適でおしゃれな部屋にできます。生活動線を意識したレイアウト例をもとに、ゾーニングの工夫や開放感を高めるインテリアなどを紹介します。

落ち着いたグレーとブラウンを基調とした、ホテルライクな新築戸建てのリビングダイニングです。素材の風合いを生かした壁や天井に合わせ、家族4人がくつろげるモダンなデザインのL字ソファと広々としたダイニングセットを配置しました。ソファとダイニングテーブルの間に適度な間隔を設けて、ゆとりある生活動線を確保しています。

キッチン横にダイニングテーブルを置けば、配膳や片付けの手間を省けます。家事の負担を軽減するために、効率的な動線を確保したレイアウトです。さらに、リビングとダイニングをゾーン分けし、食事のスペースとくつろぎの場を明確に分けてメリハリを付けました。

ダークブラウンの家具で揃えた落ち着きのあるコーディネートが印象的なリビングダイニングです。ラタン素材を使ったファやチェアは木の温もりが感じられます。クッションカバーやラグ、カーテンなども異なるトーンのブラウンで統一し、穏やかな雰囲気に包まれます。

ソファは窓を背にして配置され、ダイニングで過ごす人との会話が自然に生まれます。また、ソファの周囲には複数のオットマンを組み合わせ、来客時にも座席を確保しやすくフレキシブルに使えるスペースとなっています。

広い縦長のリビングでは、全体の雰囲気を崩さないようにしながら、存在感のある大型家具を取り入れましょう。また、広い空間はコンパクトな家具をまばらに置くと抜け感が過剰になり、寂しい印象になります。部屋の中央に家具を配置し、適度なまとまりを持たせるのがポイントです。

LDKをおしゃれにコーディネートするには、部屋の広さや形状に応じた家具選びがポイントです。居心地の良く過ごせるリビングを実現するために、機能的で便利な家具も取り入れましょう。LDKのレイアウトに適した商品を15点紹介します。