同棲を始めるときに、2LDKはよく選ばれる間取りの1つです。部屋数が多すぎず、生活スペースとプライベートな場所のバランスが取りやすいため、二人暮らしに最適だと言われます。しかし、実際の快適さは、部屋のレイアウトや暮らし方によって大きく変わります。2LDKの特徴を知り、長所を生かせるレイアウトを考えることが大切です。

2LDKとは、2つの居室とリビングダイニングキッチン（LDK）がある間取りの住まいのことです。共有スペースのLDKと、寝室や仕事部屋として使える個室がしっかりと分かれているため、プライベートを守りながら一緒に暮らすことができます。共有スペースには比較的ゆとりがあり、家族や同棲カップルでも快適に過ごしやすいレイアウトが可能です。

リビングが狭く感じられる場合は、2つある個室のうち1つをリビングとつなげてしまう使い方もできます。仕切りを開け放して、家具の配置やレイアウトを工夫するだけでも、より広さと開放感が感じられるでしょう。

２LDKには大きく分けて、縦長タイプと横長タイプがあります。それぞれの特徴を説明します。

一般的に、キッチン側から奥に広い間取りを縦長タイプと呼びます。縦長タイプの2LDKは多くの場合、横長タイプに比べて長辺の壁を広く使えます。壁面の広さを利用したレイアウトにすれば、ゆったりとした3人掛けのソファを配置したり、壁にアートや壁掛け時計を飾ったりできます。

また、縦長タイプのリビングは、入口から窓に向けての奥行きも長くなります。玄関側に背の低い家具を、窓側に背の高い家具を配置すると、奥行きが強調され部屋がより広く見えます。

横長タイプの2LDKは長辺に大きめの窓が取り付けられることが多く、明るく開放的なのが特徴です。左右で部屋をゾーニングしやすく、二人のライフスタイルに合わせてリビングとダイニングをゆるやかに分けやすいのもメリットです。ただ、長辺に窓が設置されていると、縦長タイプと比べて利用できる壁面の面積が減り、レイアウトに制約が出ることもあります。

横長タイプの２LDKでレイアウトを考える際は、自然光の取り入れやすさや、窓から見える景色なども意識しましょう。

同棲カップルなどの二人暮らしなら、2LDKの間取りを選ぶことで、生活スペースに余裕が生まれます。部屋数が多い2LDKは家具のレイアウトの自由度が高く、食事や作業、休息などそれぞれの用途にあったスペースも明確に分けられます。こうしたメリットがある一方、もちろんデメリットもあります。メリットをできるだけ生かし、デメリットを抑えられるよう、二人でライフスタイルについてよく話し合いましょう。

2LDKには個室が2つある間取りのため、二人暮らしでも一人の時間を確保しやすいのが特徴です。広さに余裕があるので寝室を別に確保でき、二人の生活リズムが異なる場合も互いにあまり迷惑をかけずに過ごせます。LDKにベッドを置いて、2つの個室をそれぞれ自由に使うのも1つの考え方です。

また、収納スペースが足りない場合は、1つの個室を収納部屋として利用できます。さらに、将来子供ができた際、その部屋を子供部屋にすれば、子供が大きくなるまで暮らし続けられる住まいになります。

・一人の時間を楽しめる
・子供ができても住み続けられる
・収納スペースをしっかり確保できる

2LDKは二人暮らしのカップルにとって十分な広さがあり、自分たちのライフスタイルにあったレイアウトができますが、1LDKや2DKに比べると家賃はやや高めです。同棲カップルが住む場合、お互いの収入や家賃の負担割合について話し合っておくことが欠かせません。

また、2LDKは部屋数が多い分、光熱費が上がりやすく生活費全体の負担が増える可能性もあります。さらに、2LDKは面積が広く部屋数も多いため、掃除の手間が増えることも忘れてはなりません。

・家賃が高い
・光熱費が高い
・掃除に手間がかかる

同棲などの二人暮らしで2LDKに住む場合、リビングダイニングのレイアウトや家具配置は、生活のしやすさを左右する大切なポイントです。2LDKのリビングダイニングは比較的広いスペースを確保できますが、工夫次第でさらに広く快適に過ごせます。レイアウトを考える際は家具のサイズ、配置のバランスにも気を配りましょう。

・生活動線を確保して配置する
・食事とくつろぎスペースをしっかり分ける
・部屋の形に合わせた最適な家具配置を知る
・会話が自然に生まれる対面式レイアウトにする
・低い家具で圧迫感をなくし広く見せる

2LDKの縦長タイプのリビングダイニングに、横長のダイニングテーブルなど幅のある家具を置く場合は、生活動線のスペースの確保に配慮する必要があります。入り口付近に幅のあるテーブルを置けば、圧迫感が出やすく、生活動線も確保しにくくなります。使わないときは折りたためる伸長式テーブルを選ぶなど、生活動線のスペースを確保できるよう工夫しましょう。

また、正方形の間取りではダイニングテーブルやキャビネットを壁際に配置し、部屋の中央にソファを置くことで仕切りの役割を果たし、 入り口から窓までの生活動線を確保できます。

横長タイプの２LDKの部屋で生活している場合、2、3人掛けのソファを中央に配置すると、ダイニングとリビングのスペースを分けられます。また、ソファの周辺に大きめのラグを敷けば、視覚的にゾーニングの役割を果たします。

縦長タイプの部屋の場合は、幅のあるソファよりもコンパクトなシェルフのほうが、圧迫感を抑えやすく、空間を仕切るのに適しています。オープンシェルフやクリアシェルフを置いて開放感のあるレイアウトにするのも1つの方法です。

縦長タイプの2LDKでは、壁の面積を最大限に利用するために、ソファやダイニングテーブル、テレビ台などの家具を壁沿いに配置するのがポイントです。中央に家具を配置してしまうと、生活動線が確保できない上に部屋に圧迫感を生み出してしまいます。

また、横長タイプの2LDKでは、縦長と同じように壁側に家具を寄せて、中央部分を空けるのも1つの方法です。

正方形の2LDKタイプでは、L字型などの大きめのソファを部屋の中央に配置するレイアウトにすると、近い距離でコミュニケーションが取りやすくなります。二人暮らしにぴったりのレイアウトかもしれません。

さらにキッチンが対面式の場合は、テーブルをキッチンカウンターに寄せて配置したり、カウンターに背の高いチェアを置いたりすることで、会話が生まれやすくなり、二人暮しをより楽しめるでしょう。

2LDKで二人暮しをする場合、リビングダイニングには比較的余裕がありますが、背の高い家具やインテリアを置くと、広さのある部屋でも圧迫感が出てしまいます。ローソファやローテーブルを選んでレイアウトすれば、視線が抜けて部屋に広がりが感じられます。

また、テレビ台もローソファに座ったときの目の高さに合わせて選びましょう。

2LDKで二人暮らしをしている場合、2つの個室の使い方にはいくつかの考え方があります。それぞれの寝室として使うケースがありますし、「寝室が別なのは嫌」というのであれば、1つを寝室、もう1つを趣味や仕事の部屋にしても良いでしょう。二人の生活スタイルに合わせて、使い分けの方法も選べます。2LDKで二人暮らしをする場合、次のようなポイントに注意しましょう。

・ベッドは二人でもゆとりあるサイズがおすすめ
・壁面収納を活用して部屋をスッキリ見せる
・収納家具は高さと奥行きに注意する
・観葉植物を置いて癒しの空間にする
・カーテンや寝具を同系色で統一する

2LDKの二人暮らしで、寝室に収納家具を配置するのであれば、背の高いものは避けましょう。特にクイーンサイズやキングサイズのような大きなベッドを置いている場合、背の高い収納家具があると圧迫感が生まれて、部屋が狭く感じられます。また、高さのある家具は、しっかり耐震対策を講じないと、地震の際に倒れてけがをする危険性があります。

観葉植物には、緑の色合いが目に優しく疲労感を軽減するリラックス効果が期待できます。寝室に窓がある場合はその近くに観葉植物を置き、窓がない場合は耐陰性に優れた観葉植物を置きましょう。

2LDKでの二人暮らしで、寝室のレイアウトを考える際、カーテンの色選びは睡眠環境を整える重要なポイントです。寝室にはリラックス効果のあるブルー系やベージュ系の色が最適で、赤や黄色のような刺激の強い色は睡眠環境にはあまり適していません。また、カーテンの色は、ベッドや他の家具と同系色にまとめると、寝室全体に統一感が生まれます。

２LDKで二人暮らしをしている場合、個室の1つを寝室にし、もう1つの部屋はお互いの趣味を楽しむスペースや書斎部屋として使うケースも少なくありません。リビングダイニングにワークスペースや収納家具を置けるスペースがある場合は、残りの個室の活用方法も自由に選べます。ここでは、その使い方の一例をご紹介します。

・趣味部屋
・書斎
・在宅ワーク部屋
・収納部屋
・ゲストルーム
・将来の子供部屋

2LDKに住む同棲カップルに共通の趣味がある場合、部屋の一つを趣味のために使うのも選択肢の一つです。楽器の演奏や映画鑑賞、コレクションの保管など、存分に趣味を楽しめます。一緒に趣味を楽しむ場所があれば、二人暮らしもより充実することでしょう。

2LDKに二人暮らしで住んでいる場合、個室の1つを寝室にして、もう1つの部屋を収納部屋として使う余裕もあります。衣類が多かったり、コレクションしている物があったりしてリビングダイニングに収納スペースがないときは、収納部屋を上手に利用することが重要です。

2LDKでの二人暮らしの場合、LDKの面積が広かったり、家財道具が少なかったりすると、1つの個室が余ることもあります。その場合は友人や家族を招いたときのゲストルームとして利用しても良いでしょう。ゲストルームとして個室を空けておけば、収納が増えたり仕事部屋が必要になったりしたときに、すぐにレイアウトを変更できます。

二人暮らしで2LDKに住むなら、将来、個室を子供部屋にすることも考えておきましょう。個室の1つを仕事部屋として使っている場合、将来的にはリビングダイニングの一角にワークスペースを設ける必要が出てくるかもしれません。可能なら、リビングから子供部屋の様子が見えるよう、リビングと個室の間の仕切りや扉を取り払うのも1つの方法です。

2LDKは賃貸アパートなどにもよくある間取りです。生活の中心となるLDKは、どのようにレイアウトすればよいのでしょうか。賃貸物件でもくつろぎやすく使い勝手の良い部屋にするための、生活動線の確保の仕方や家具・インテリアの配置の工夫などを紹介します。

縦長10畳のリビングがある2LDKに二人暮らしで住む場合は、奥行きを利用したレイアウトにするため、ガラステーブルなど抜け感のある家具を選びましょう。縦長のリビングは長辺の壁を利用しやすいので、ソファやテレビ台は壁に寄せて、入り口から窓までの生活動線を確保すると良いでしょう。

テレビ台は奥行きが浅く、横幅の広い物を選ぶのも部屋の奥行きを感じさせる方法の一つです。

正方形のリビングでは、長方形タイプの間取りのように家具を壁に寄せるのではなく、あえて部屋の中央に大きめのソファをレイアウトすると存在感が出ます。また、長方形タイプに比べて横幅が広いため、大きめのソファを置いても圧迫感が出にくいのが特徴です。

3人掛けのソファが最適ですが、L字型のソファを配置してダイニングチェアの代わりにする方法もあります。

縦長12畳のリビングダイニングのある2LDKで二人暮らしをしている場合は、コンパクトで機能的な伸長式テーブルをレイアウトすると、来客時も柔軟に対応できます。また、背もたれ付きのベンチソファを置けば、食事の際やリビングでくつろぐ際など、どんなときにも使えます。

2LDKの間取りでリビングと個室が隣接している場合は、引き戸を開けて2部屋をつなげれば、二人暮らしでも十分な広さとゆとりのあるスペースを確保できます。正方形タイプの間取りは家具同士が近づきやすく窮屈に感じることもあるため、同棲カップルなどの二人暮らしの場合は、個室とつなげてリビングスペースを拡張する方法もあります。

2LDKで二人暮らしをする場合、2つの個室のうち1つを寝室にするカップルも少なくありません。快適な睡眠環境を整えるには、ベッド周辺の家具のサイズやカラーだけでなく、レイアウトも重要です。

2LDKの寝室の広さは約6畳から8畳が一般的で、二人暮らしではベッド以外の家具を配置すると、生活動線を確保するのが難しくなることもあります。室内が窮屈にならないよう、ベッドは窓側の部屋の隅に寄せ、入口付近に十分な動線を確保しましょう。引き出し収納の付いたベッドを使う場合は、収納スペースを引き出したときの長さや幅も考慮し、他の家具のレイアウトを工夫することが大切です。

2LDKの二人暮らしで、寝室の広さが6畳の場合、背の高いベッドよりもローベッドを選べば、部屋の雰囲気が開放的になります。床に近いため安定感も得られるでしょう。ローベッドは一般的に床から約20から30cmの高さで、ベッドに上がる際の負担も軽減されます。新婚カップルなら、将来子供ができたときにも、安心して子供を寝かせられます。

二人暮らしでも、就寝時はそれぞれ別のベッドで眠りたいという同棲カップルもいるでしょう。2LDKでも8畳の広さの寝室があるなら、セミダブルベッドを2台並べて配置できます。この場合、2台のベッドの間に必ずスペースを空けて動線を確保しましょう。サイドテーブルを2台のベッドの間に置くと、小物などを置けて便利です。

2LDKで8畳の広さの寝室は、比較的ゆったりとしたサイズのベッドや収納キャビネット、間接照明などもレイアウトできます。部屋を広く見せたい場合は、あえて余白を作ることも意識しましょう。収納付きベッドを選び、ベッド周辺に余白を作るためのスペースを確保するのも、レイアウトのポイントです。

2LDKで10畳の寝室がある場合、二人暮らしには広すぎると感じるかもしれません。少し遊び心を出して、ホテルライクなレイアウトにしてみても良いでしょう。2人でゆったり寝られるよう、ベッドはキングサイズにして、クッションカバーも自然素材の高級ファブリックにすると、贅沢な気分で眠れます。さらに、大型テレビを配置できるスペースも確保できるので、ベッドの前に置き、2人で好きな映画を鑑賞しても良いでしょう。

2LDKでの二人暮らしでは、部屋のレイアウトや使い方によっては寝室とは別にもう1部屋を確保できます。2人の好みやライフスタイルに合わせて、趣味部屋や書斎などに活用すると良いでしょう。もう1つの部屋の活用例を紹介します。

同棲などの二人暮らしで2LDKに住んでいる場合、2人で趣味を楽しむ部屋を作っても良いでしょう。たとえば、ヨガマットや筋トレグッズを置くと、2人で体力づくりで汗を流し、気分転換ができます。リビングと隣接しているなら引き戸を開けて部屋を広く使い、運動用のアイテムを壁に寄せたり収納すれば、リビングをより広く見せられます。

2LDKで暮らす2人が、どちらもリモートワークをしなければならないこともあります。リモートワークに備えて個室の1つにデスクや本棚を置き、仕事の環境を整える人もいるでしょう。5.5畳の限られた広さの中では、コンパクトな家具を選び、家具同士の間に等間隔のスペースを設けることもポイントです。さらに、動線を確保できるようにレイアウトを工夫すると、仕事も快適に進められます。

2LDKで二人暮らしの場合、個室の1つを2人の寝室にすると、もう1つの部屋が空いてしまうことがあります。もし、特段の使い道がないのなら、リビングに隣接する部屋の引き戸を開け、リビングの一部のように使うのも1つのアイデアです。

もともとのリビングスペースが10畳であれば個室の広さと合わせて15畳となります。15畳の広さがあるなら、L字型ソファを部屋の中央にレイアウトし、その反対側に4人から6人掛けのダイニングテーブルも配置できます。スペースにゆとりが出て快適に過ごせる部屋になるでしょう。

2LDKのうち6畳の個室を和室にすると、洋風と和風のインテリアをバランスよく楽しめます。洋室と和室のレイアウトをバランスよく見せるには、家具の高さを和室に合わせて低いもので統一するのがポイントです。基本的に座って過ごすことの多い和室には、背の高い家具はなじみにくいため、洋室にも背の低いソファやテーブルを置き、和室の座椅子や座卓と高さを合わせれば、統一感のあるレイアウトになります。

2LDKの個室の1つが8畳ある場合、二人暮らしのカップルにとっては、かなり広さにゆとりがあります。広さを生かして、収納部屋と仕事部屋を兼用しても良いでしょう。窓の近くに仕事用のデスクを置き、反対側の壁沿いに収納スペースを作って部屋の中央を空けると、動線が確保しやすくなります。

2LDKで二人暮らしをする場合、レイアウトの工夫が快適な生活の鍵となります。LDKと2つの個室を上手に利用し、お互いのプライベートと共有スペースを両立させましょう。2LDKのレイアウトに関するよくある疑問と、その答えをQ&A形式で紹介します。

A.2 2LDKの部屋で二人暮らしをする際の注意点として、まず家賃が高めなので、生活費も含めて自分の収入で無理なく負担できるかどうかを相手としっかり相談しておく必要があります。また、お互いに個室を確保したい場合は、それぞれの部屋の広さも事前に確認しておきましょう。個室のどちらかが極端に狭いと、不公平感からトラブルの原因になることもあります。

・家賃と生活費のバランスを考える
・プライベートスペースが確保できるか相談する

二人暮らしや同棲で2LDKに住む場合、LDKや個室の面積がそれほど広くなければ、レイアウトに工夫が必要になることがあります。部屋を上手にレイアウトするため、スペースを有効に活用できる商品を15点紹介します。