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専門家「風景」をつくるガーデニング術

県立奈良高校の紅葉

居場英則

現在、僕の母校でもある県立奈良高等学校が創立100周年を迎え、その記念事業として、

移転した新校舎の中庭の整備プロジェクトのランドスケープデザインを担当させていただいています。

今年のお盆明けに中庭の工事が始まっておりまして、来年春(3月末予定)竣工予定で進んでいます。

そんなこともあって、現場監理で学校に行く機会も増えております。

僕が高校時代を過ごした校舎ではないのですが、新しく移転した校舎は、以前は別の高校(県立平城高校)として

使われていた校舎です。

晩秋を迎えて、学校内の落葉樹は、紅葉や黄葉し、美しい風景を作り出していたので、思わずカメラを向けました。

今回は、そんな県立奈良高校・朱雀校舎の紅葉の様子をご紹介したいと思います。

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こちらは、最寄りの駅から生徒たちが学舎へとアプローチする道路。

生徒の通用門の脇には、大きな銀杏(イチョウ)の木が見事に黄葉していました。

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順光になるように、アングルを変えて撮影したのがこちら。

夏場は、緑の葉で、あまりイチョウの木の存在を感じなかったのですが、

これだけ見事に黄葉して、美しい樹形なので、とても印象的です。

敷地の一番角で存在感を放っています。

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こちらは、校舎の中の廊下から、正門・通用口方向を見たところ。

一番奥には、黄葉したイチョウの木、中間には、オレンジ色に色づいた桜の木(ソメイヨシノ)、

その手前の低木で真っ赤に紅葉しているのが、ドウダンツツジです。

常緑樹の緑も相まって、色のグラデーションがとても美しく見えます。

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先ほどの通用口横のモモジの大木を下から見上げたところ。

見事に黄葉し、黄金色に輝いています。

何だか、「幸せの黄色いハンカチ」を思い出させるような、温かい気持ちにさせてくれる風景です。

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こちらは、生徒の通用門から校舎へと向かうアプローチ。

その横には、奈良高校の校風を示す『自主創造』の石碑が置かれています。

僕が通っていた旧校舎(法蓮校舎)に設置されていた石碑ですが、校舎の移転とともに、

この石碑も新しい校地へと移設されました。

石碑の奥には、春には見事に花を咲かせるソメイヨシノの木が紅葉しています。

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『自主創造』の石碑が置かれた並びに植栽されているのが、こちらの低木、ドウダンツツジ。

漢字表記では、「満天星」とも書かれる縁起の良い樹で、我が家の庭にも植栽しています。

このドウダンツツジは、その名の通り、春に満天の星のような白い小さな花を無数に付けるのですが、

秋は小さな葉が真っ赤に紅葉するのもとても美しく、景観をつくる木として重宝します。

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正門からの車路に沿って、石積み花壇にドウダンツツジが列植されています。

これから一斉に赤く紅葉するので、見ごたえがあります。

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その真っ赤に紅葉したドウダンツツジから、校舎(本館)正面入り口方向を見たところ。

車寄せ部分には、奈良高校・創立100周年のスローガン『百の歴史、百の個性』が掲げられています。

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その赤く色づいたドウダンツツジ越しに、奈良高校の象徴、プラトン・アリストテレス像方向を見てみました。

このプラトン・アリストテレス像は、奈良高校の創立50周年記念事業の際につくられたブロンズ製の立像です。

旧校舎(法蓮校舎)の中庭に設置されていたものですが、創立100周年記念事業に合わせて、

こちらの新しい校舎へと移設されました。

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現在は、正面入口の前に「仮設置」されていますが、中庭の完成とともに、中庭へとさらに移設することに

なっています。

奈良高生にとっては、このプラトン・アリストテレス立像のある風景が、ある意味「原風景」でもあるので、

新しい中庭へと移設され、新たな原風景となってくれることを願っています。

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校舎(本館)2階の廊下から、仮設置されているプラトン・アリストテレス立像越しに、

奥のポケットパーク的なエリアを見たところです。

実は、ここは、以前の高校(平城高校)のメモリアルコーナーとして、整備された場所なのです。

高校の適正化(再編)に伴って、かつての平城高校は閉校となり、その跡地に、奈良高校が移転しました。

その平城高校時代の様々な記念碑が一堂に集められた場所となっています。

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平城高校メモリアルゾーンには、常緑樹が多く植えられているのですが、その奥の斜面地には、

赤く色づいたモモジの木がチラッと見えています。

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この奈良高校・朱雀校舎は、造成された高台に建っているのですが、周囲は急こう配の斜面地となっていまして、

その斜面地にも多くの樹々が植えられています。

夏場は、緑一色で、どんな木々が植えられているのか、よく分からなかったのですが、

秋になるとモモジが一斉に紅葉して、とても美しい風景を作ってくれます。

このあたりのモモジは、まだ幹が遅く、そんなに樹齢も経っていないと思いますが、実生(こぼれ種)で大きく

なったものでしょうか?

鳥居型の支柱もされているので、意図的に植えられたものかもしれません。

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中にはとても大きく育って、見事に紅葉しているモミジもあります。

フェンスの外側、斜面地の一番上あたりに植栽されているので、近づかないと見れないというのが、

少々もったいないですが・・・。

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学校の周囲の斜面地を下から見上げてみました。

かなり広い斜面地に、さまざまな樹々が植えられています。

常緑樹に混じって、モミジが多数植えられ、美しく紅葉しているのが見えます。

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斜面地に植えられたモミジが赤く色づいています。

何本ものモモジが連なって、とても美しいです。

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中には、樹形の美しい見事なモミジもあり、中庭に移植したいな~と思いつつも、

斜面地で実際には、なかなか難しいのです。

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再び、校舎の中から、外の景色を眺めてみました。

学校の隣は、「平城第2公園」という大きな緑地があります。

そちらも、多くの樹々が美しく紅葉しているのが、校舎の窓から眺めることが出来ます。

奈良高校の新校舎は、ニュータウンの住宅地の真ん中にありますが、周囲を豊かな自然環境に囲まれて、

勉強をするのには絶好の環境に恵まれていると思います。

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こちらは、その隣接する平城第2公園。

学校の体育館の脇の緑道には、メタセコイヤの並木道があります。

燃えるようなオレンジ色に紅葉して、とても美しい風景です。

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こちらが、最後の一枚。

放課後、授業を終えた生徒たちが、下校していくところです。

もう少しすると、紅葉・黄葉した葉がすべて落ちて、冬を迎えます。

創立100周年記念事業の中庭整備工事も佳境に入ります。

生徒たち、特に3年生は、大学受験を控えて、これから大切な時期です。

また巡りくる春に期待を寄せて、厳しい冬を乗り越えて行きましょう。

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【 奈良高校・創立100周年記念事業について 】

今回の奈良高校・創立100周年記念の中庭プロジェクトは、50年前の創立50周年の時と同じく、

OBOG(卒業生)をはじめとした、様々な方々の寄付によって創られる事業になります。

「奈良高校 100周年記念特設サイト」も、2023年9月1日よりオープンしております。

  [ 奈良高校 100周年記念特設サイト] は、こちら ⇒ 奈良高校 創立100周年 (narahs100th.jp)

 
 創立100周年を機に、ますます発展する奈良高校へご支援いただけましたら幸いです。   

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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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