お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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昨日は横浜で、Piet Oudolf さんの映画 FIVE SEASONS の上映があり、その上映に伴いパネルディスカッションも開催されました。

ピート・アウドルフよりも、ピィト・アゥドルフのほうが、正確な発音に近いのかな。

会場では、冬の姿になった実際の植物やPietさんの本やプリントアウトされた図面もディスプレイされて、用意された資料もちゃんとしていて、主催者のセンスと愛ある熱意を感じました。

パネルディスカッションでは「私たちの街ではどのようにナチュラリスティックな植栽を取り入れられるのか?」を伺いたかったのですが、私の印象では、こうすると良い。これは失敗。というような具体的なことが聞けなかったように感じた。具体的な経験を伴うデザイナー、ガーデナーの意見が聞けたら良かった。予算取りは難しいに決まっているし、庭がPiet さんの事例のように、庭だけでなく、アートや文化催事、おしゃれなカフェやレストランと併設するのが望ましいのも当たり前。むしろ、一般の人々から雑草扱いされてしまいがちなグラスや、枯れた姿を美しいとは思わない大多数の人たちに、この、私たちは大好きだけど「Piet Oudolf的感性」を、一般の人々からどう理解されるのかのソリューションを聞きたかった。美しいと感じさせてしまえばこっちのもの。しかし、そこが難しいのよね。

まずは、行政や一般の人々が「それは美しい!」と感動する土台があって、それを実現に向ける順序が明確にされないと、まず難しいのだと思います。

私も数々の仕事で、そこを乗り越えるのに苦労をした上、実現できなかったことも多かったので。

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自然の風情。美しい眺め。すべては、ここがヒントです。

でも、それは外国の自然ですか? 日本の?

ここも話題の争点になるべき。というのも、気候が違うから。

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写真は2006年秋に東京 丸の内ガーデンショウで私が作った庭です。

このときはもちろん、Piet Oudolf風に。なんて、15年前のこと。

私自身、全く考えていなかったのですが、今思うと「なんちゃってピィトガーデン」と言われかねない庭だったか?

いえ、このころは、ピィトさんのハイラインも話題になっていなかったし。

でも私が今、気をつけたいと思っているのが「なんちゃってピィトガーデン」といわれてしまうような庭にならないように。ということ。

オリジナルを!と、思って頑張っても、やはり似てしまうところあり。

でも、オリジナルな世界観を作らないと。それにはハイレベルな植物生態学と藝術の融合を熱帯性気候、今後も大雨と台風は必ず来る日本でどう昇華するか。

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でも、このころから意識していたのは、日本の自生種を積極的に使う。自然を呼び込む。蝶々やトンボがやってくる世界観を作ること。

そして、誰もが美しいなと思ってくれるよう、美の規範、基準をなるべく広く設定すること。一部の人たちだけにわかってもらうだけでは庭の公共性を考えたときにこれまた難しい。ほかにも課題満載ですが、ただいまこんなことを考えながら全部で今年は数万株の草花の発注に入っています。とても大変、難産です。

いつも、こちらのブログを見に来てくださり、ありがとうございます!

それと、このPiet Oudolf談義の続きは、

1月27日(日)池袋コミカレにて舘林正也さんの「イングリッシュガーデンから学ぶこと」講座にて。イギリスにある「Piet Oudolf のふたつの庭」の庭というテーマでお話をお伺います。こちらは、少人数で聞きたいことはなでも聞ける、ディスカッションもできる自由な寺子屋タッチの講座です。

私とはまた違った視点を持つ舘林正也さんの講座(私の講座はありませんが、会場で一緒にお茶を飲みながら)私も参加するので、私は最初、口は挟まないよ。舘林さんの邪魔になったりしないように。と言っていたけれども、これは談義したほうが面白いと思うので、みんな一緒に盛り上がろう!きっと面白いと思いますよ!


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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