お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

IMG_6977.jpeg

植栽が終了して、仕上げにプランツタグを。ペンステモン'ダークタワーズ'は、丈夫さではお墨付きのペンステモン'ハスカーレッド'の兄弟ということで、ハスカーレッドの在庫がない代わりとして登場しましたが、私に栽培歴がないので、実際は、どうなるかちょっと心配ですが。ダメな時の案も覚悟して。気象のほか、何が起こるかはわからないので。

とにかく!タグを入れると花壇の完成度が増すのと「植物がここにいるよ!」attention please !

になります。個人の花壇でも、入れておくと良いですよ。植えておいたことを忘れないで済むし

踏み入れ防止、名前忘れ防止、デザイン的にもいい感じに仕上がります。

さて、話は少し遡り...

IMG_9124.jpeg

この写真は2018年秋。そして...

IMG_6899.jpg

今年、2月27日。Q-GARDEN のみなさんが下準備をしている最中のもの。ここに植わっていたサツキ類や猛烈な雑草を一掃し背景になるドウダンツツジが植え終わったところ。北風の強い日で厳しい作業だったと思う。

IMG_6901.jpg

一昨年からここに至るまでの道のり、猛烈に長く、それまでの煩雑な手続き。その煩雑は(株)Q-GARDEN、小島さんが大変でした。小島さんには、10数年前のボタニカから、カフェドイシス、今は星の王子さまミュージアムでお世話になってきた)

猛烈な量のガラ石や雑草を取り除き土壌改良中。

私の仕事はデザイン。それだけでも、苦悩もあり大変でしたが、手配、手続きの大変さ。

そういうプロセスの上にこれから育つ植物たちを育てていくにはボランティアの皆様のご協力が重要でした。植物は植えた時点で終わりではなく、そこがスタート地点だからです。

IMG_6904.jpg

整地された。もともと、瓦の小さな花壇があったので、その瓦を生かしていくことにしました。

IMG_6913.jpeg

整地され、1m単位のゲージを張ってもらって。そのゲージを頼りにチョーク粉で植栽域をマーキング。普段は、長い竹の棒などで地面に印をつけてから粉を撒くのですが、時間がないのと面積が大きくはないので、一発描き、マーキングは私の責任で勝手に進めました。今回は、Qさんが用意してくれたチョーク粉でライン描き。ただ、すぐに粉がなくなってしまったので、持参のケイ酸塩白土の粉を足してマーキングを。

マーキングに従って、この丸のなかで1種類づつマッス・プランティング(塊植栽)。

さて、この日は雨。こうした雨の日。土が泥になる日は、ウエリントンブーツ等より、断然田植え用ブーツが重宝です。靴裏の凸凹が深いと、いつまでも泥が入ってなかなか取れない。

ラジアルタイヤみたいにデコボコしていない靴を選んで。足裏のデコボコに、土が入って花壇を出ると、そのまま歩道を汚してしまうので。公道を汚さないで作業するのも普段の庭作業よりも注意が大変です。

IMG_6989のコピー.jpeg

▲ 三角形の連続を描きながらポット同士を流れるようなイメージで配置します。これが自然風に見える配置です。

写真、ポットに入ったまま半植えにしたのは、翌日の植栽に備え、雨と風が厳しく飛ばされてしまうのの防止に。

配置はあらかじめ私たちで行いましたが、集中力が欠けてくると株間がうまく整えにくくなります。適当に置いたのでは育った時に絵になりにくく、育ったところが想像できていないとうまく行かないと思っています。

IMG_7014.jpeg

植えるのも、集中力がなくなってくるとうまく行かなくなることあります。後から、このように浅植えだったものや株の向きが変だったものを、植え直し。その修正作業は雨が上がって少し土が乾いてから再仕上げ。

なるべく水やりの回数少なく生き残らせるため、浅植えでの乾燥枯れを避けるため。

IMG_7018のコピー.jpeg

また、春で、地上部が見えにくい宿根草を植える時は必ず、印を残すか、マーキングして。と伝わったのは、ほんの一部の人で、伝わらなかった箇所では、ノーマークで植わってしまった苗あり。ほとんど見えなくなってしまい、その後、その上を大勢が歩き回るという大悲劇が起きた。ぎゃあと叫んだ私であった。

這いつくばって発掘し、植え直し、コンビニで割り箸を買ってきて応急処置を。

IMG-1330.jpg

その後いつまでも気になるので、最後の最後もエキナセアの植わる場所の保護とバイオゴールド元肥も気持ちで投入。これは小島さんが歩道橋から撮って送ってくれた写真サーペンタイン(へびみたいにウネウネのグラス植物が植わるエリア。ここがあるいても良いエリアにしてある)

IMG_6934.jpeg

マーキング通りに植えられたマッス・プランティングの宿根草たち。ここではツワブキ、ペンステモン、アガパンサス。

株間は、植物の種類によって異なりますが、一般的な宿根草だと22〜25センチ前後、大型になる場合は30センチ。今年の7月に照準を合わせたので少し株間狭め。早めに雑草を受け付けないコミューンを作るためにも..。

公共空間では、冬も地上部が常緑でいる宿根草をなるべく多く使いました。

IMG_7028.jpeg

さて....。実は、去年の秋にこのような緑化大賞を取って、予算が決まり、具体的に青山通りの花壇ができることになったのでした。ただあくまでも、特定非営利活動法人による活動なので、今後も多くのボランティアの方々に支えられていきます。

ニューヨークのハイラインのようにこの活動が広がって行くことを願っています。

ご近所にお住まいの方でお手伝いしても良いという方は今もご参加募り中です。雑草は手作業ですので。

IMG_6992.jpeg

また、近隣に仕事場のある方々にもご参加いただいて!本当にありがとうございました。ちなみに、車道側はQ-GARDENのスタッフさん。右側がボランティア の皆さん。

IMG_7012.jpeg

私はこの花壇のある青山から遠く離れたところに住んでいるので、(先日は渋滞でここまで2時間半!

今回は渋谷のホテルに泊まっていましたが)表参道に住んでいる友人や都心にお住まいの友人にも声をかけさせていただきました。見守りだけでも、よろしくと。

今後もボランティアのみなさんのご協力が欠かせませんが、まだまだ、予知不能な気象の事など不安材料も尽きません。特に水やりが....

IMG_6937.jpeg

水やりは簡単そうにみえて、簡単ではありません。なるべく地面に近いところに近づけて土を掘り返したり、飛ばさないようにゆっくりと水を浸透させること。今の時期、乾燥が早いのでとても心配です。

実は、ここには、水源がないのです。近くの神社から分けていただくなど、ご理解いただいたりと、どこかから運んでくる手間をかなり....。それも心配。根付いてしまえば水やり不要ですが、今はまだ...赤ちゃん株。

根鉢が乾いたらひとたまりもありません。

花壇の箇所は全部で青山通り(246)の渋谷から外苑前〜青山2丁目までの3箇所。

宮益坂上と、外苑前歩道橋下と絵画館前銀杏並木の出たところ。

IMG_6941.jpg

外苑前歩道橋下は目の前の会社からお水を分けていただけることに。

スケッチ通りに小島さんが配置してくれたところ。高層ビルが多いので冬はほとんど日陰です。

2019年07月15日15時40分29秒.jpeg

日当たりが悪いとグラス類はきれいに育ちにくい、そこでグラス類は避け、代わりに「線」の役目をトクサで。点、線、面のフォリッジの組み合わせ。

IMG_6943.jpeg

根付いてしまえば水やりのいらない、ドウダンツツジ、ツワブキ、ヘレボラス、フッキソウ、そしてトクサ。

IMG_7020.jpeg

宮益坂に戻って...(この往復、地下鉄二駅分あり。結構大変だ)

瓦の部分が残っていたので、和テイストを一つ加えるため、もっともシンプルなデザインの竹の垣根

IMG_7019.jpeg

日本庭園に関わる職人さんに作ってもらう。最近そういう職人さんが減っているそうだ。

IMG_7039.jpeg

最終日。猛烈な風が吹いてゴミも舞った。少しでもゴミが花壇に入ると後から別の人がそこにゴミを捨てる傾向があるので目が届く限りはゴミも拾いましたが宿根草たちの生長を楽しみに、多くの方々に見守っていただけたらと願っています。

IMG_7013.jpeg

植え終わった時が、その始まり!

IMG_7037.jpeg


■おすすめ特集

吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


Instagram@keikoyoshiya 

Archives

Recent Entories