表面を焼き入れしているので、錆びにくく、お手入れが容易。
熱が手に昇ってくるのを防ぐという工夫も。
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火を手なずけるには、鉄の鍋
中華は火の料理。その火をいかに手なずけるかが、決め手となる。中華の鍋に限らず、一般家庭の炒め物用鍋類がフッ素樹脂加工したものばかりになって久しいが、味と道具を大切にするプロの料理人はもちろん鉄製。そして家庭でも、本物の味を知る人々は鉄に戻りつつあるという。まず、油がなじみ、はじかないこと。さらに、熱伝導性と蓄熱性とのバランスが良く、空炊きにも耐える程の耐熱性があること。鉄の特徴が、並みいる新しい素材に勝っているからに他ならない。
錆びにくく、お手入れが容易
鉄ブルーテンパー材(1.2mm厚)の一枚鉄を成型し、柄の部分をしぼって作り上げたのがこの北京鍋。鉄ブルーテンパーは、フライパンなどを作るために開発された高級鋼板。表面を焼き入れしているので、錆びにくく、手入れが容易。また、中華では鍋を”振る“ことによって全体に熱を行き渡らせるが、一枚板を使う事によって、それに耐える頑丈さを実現させている。さらに、円筒型の柄の裏の部分は溶接で塞ぎ、熱が手に昇ってくるのを防ぐという工夫も成されている。
炒め物にぴったりのサイズ感。
北京鍋はいわゆる中華鍋。米が活きている炒飯や、しゃきっとした野菜炒めを美味しく作るなら、27〜30cmくらいのものがおすすめ。家庭の火力ならあおる必要もないので、女性でも十分使いこなせます。持ち手があまり太くないため、使いやすいのが特長です。
北京鍋を手に入れたら、最初だけ準備が必要です
使い始めはまず北京鍋に水をたっぷりわかして、しばらく強火にして沸騰させます。水を入れ替えてそれを2回くりかえしてください。次に、鍋に油をしみこませます。油を大さじ3程度入れて中火にかけ、キャベツの外葉や長ねぎの青い部分などのくず野菜を炒めます。混ぜながら全体に油をなじませるのがポイントです。野菜が少し焦げるくらいまで炒めれば、準備OK!ここから、たのしい北京鍋ライフの始まりです。
■エンターテイメントな「調理道具」
おいしい料理は、大切な家族や仲間を笑顔にします。そして、素敵な調理道具は、料理をすることをとても楽しくしてくれます。こんな思いから「dancyu調理道具シリーズ」は生まれました。 プロの料理人が使っている本格派の調理道具の良さを十分に生かしながら、家庭向きに使いやすく工夫しました。毎月発売される『dancyu』誌のおいしいレシピを、この調理道具で末永くお楽しみいただければ幸いです。
by月刊『dancyu』編集長