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専門家「風景」をつくるガーデニング術

天空のツツジの絶景、大阪府東大阪市「なるかわ園地」2025

居場英則

数年前から、「バラ」よりも「ツツジ」に関心が深まっています。

京都の京北という場所にデザインさせてもらったバラ園、「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」

(通称:京北バラ園)の一部を拡張するとの話があり、

その拡張エリアをツツジを中心としたガーデンにしてはどうかということで、

ここ数年、さまざまな「ツツジ」の庭や風景を見てきました。

今回のブログ記事以降、この春に見に行った「ツツジの風景」をいくつか紹介して行きたいと思います。

第1回目は、我が家からも近い、関西・大阪(東大阪市)の生駒山の中腹にある

ガーデン(園地)で、「なるかわ園地」のツツジの絶景をご紹介しようと思います。


今回ご紹介する「なるかわ園地」は、大阪府政100年を記念して、

金剛生駒紀泉国定公園の豊かな自然に親しめるよう、

大阪府が森林や施設を整備した自然公園(府内全9箇所)のひとつです。

東大阪市から八尾市にかけて4つの園地があり、なかでも延長500mの

つづら折りになった歩道にツツジが咲き誇る「なるかわ園地」が人気のようです。

通常、ツツジの開花期は、4月中旬~後半かと思いますが、

なるかわ園地は標高が高いためか、平地に比べ気温が2度ほど低いらしく、

ツツジの見頃は例年ゴールデンウィーク後半頃になるようです。

僕が見に行ったのも、ゴールデンウィーク後半の5月5日でした。

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最寄り駅で下車して、歩いて園地に向かうことにしました。

少し歩くと、登山口らしき、赤い橋が見えてきました。

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赤い橋の両側には、モミジの木々が旺盛に枝を伸ばしていて、まさにモミジのトンネルです。

この頃は新緑が瑞々しいですが、秋の紅葉の時期には、きっと美しい風景になっていることでしょう。

この橋を渡りきると、急に別世界へ足を踏み込んだような感覚になりました。

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山登りする友人から「ツツジが好きなら、良い場所があるよ。」という情報を聞いていたのですが、

駅からすぐの場所にあるものと勝手に思い込んでいました。

歩けど歩けど、なかなかその場所に辿りつかず、1時間以上も、ほぼ山登りに近い感じで山を登った先に、

急に視界の開けた展望台がありました。

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ここから西側に広がる眺望は、大阪平野を見渡す絶景です。

写真右上には、大阪・梅田周辺の高層ビル群、その遥か遠くには神戸まで続く六甲山系が見え、

写真左側に一際高い建物、あべのハルカスが見えています。

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ツツジの絶景は、この展望台からさらに上にあります。

もう少し山を登らないと、この絶景には出会えませんので、頑張って登って行きます。

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そして、最寄駅から歩くこと、1時間あまり、ようやくその場所に辿り着きました。

朝早かったのですが、すでに多くの人が集まっていました。

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人混みをかき分けて、視界の広がる場所まで行くと、この絶景!

まるで桃源郷のような(モモではなくツツジですが。)、美しい風景が目の前に広がっていました。

「桃源郷」という言葉は、よく耳にしますが、実際見に行って、「桃源郷」を感じる場所は意外に少ないものです。

でも、ここ「なるかわ園地」は、まさに「桃源郷」がピッタリくる場所(景色)でした。

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さらに、崖の際まで行って、超広角レンズに付け替えて撮影したのが、こちら。

山野斜面に沿って段々に、ロールケーキのようなツツジの花壇が弧を描きながら配置されています。

借景となる緑の山並みも、このピンク色に染まるツツジの風景を引き立てているように見えます。

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今度は、望遠レンズに付け替えて撮影してみます。

ツツジの花壇の間に、細い径があって、そこに行けるようです。

多くの観光客の方が、近づいてツツジの絶景を鑑賞されています。

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ちょうど人のいないタイミングでも撮影してみました。

花の風景写真は、人が入らない方が良いのですが、ここでは、人が入った方が、

そのスケール感を感じることができて良さげに思いました。

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こちらが、ほぼ同じアングルで、人が歩いている様子が分かる写真です。

人の背丈以上に成長したツツジが、斜面を覆いつくすように植栽されているのが分かります。

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こちらの写真は、さらに下の方を望遠レンズで切り取ったアングル。

なるかわ園地には、約500mにわたって、つづら折れに道が設けられ、その道に沿って、

約2,500株の「ヒラドツツジ」が植えられているそうです。

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僕も、そのつづら折りの園路を降りて、目線でツツジを見に行ってみました。

それがこちらのアングル。

上から見ていた時に想像していたより遥かに大きな「ツツジの壁」です。

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実際に人が歩くとこんな↑感じ。

ひとの背丈くらいかと思っていましたが、一株のつる時は、3m以上の高さがあると思います。

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「ツツジの壁」のアップです。

僕が好んで使ってきた「つるバラ」も「多花性」で、花で風景をつくる素材として素晴らしいとは思いますが、

「ツツジ」はつる性ではありませんが、「多花性」の植物で、素晴らしい景観を作ってくれることを

改めて感じました。

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広角レンズに付け替えて、同じシーンを撮影してみました。

印象が全く違いますね。

壮大な感じがより強調されます。

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「ツツジの壁」を下から見上げてみました。

「ツツジの壁」というより、もはや「ツツジの滝」ですね。

上から、ツツジの花が、滝の水となって流れ落ちてくるような錯覚に陥りました。

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再び、望遠レンズに持ち替えての一枚。

ツツジが、「多花性」ということが、とても良く分かる一枚です。

葉っぱは出ているものの、丸く刈り込まれた表層面に、花が枝垂れ咲いているうような、

まさに「滝」のような咲き方をしています。

本当に美しいです。

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望遠レンズで、花のアップを撮影してみました。

ここ「なるかわ園地」に植えられているのは、園芸品種の「ヒラドツツジ」で、

濃いピンク、白、淡いピンクのほぼ3種類で構成されているように思います。

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たった3品種(3色)しか花色がないのに、この圧巻の風景をつくれてしまう「ツツジ」に感服しました。

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ほぼ同じアングルで、人が入るとこんな感じ。

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写真左側に、手前の白花のツツジの大株を入れて、構成すると、さらに奥行き感が出ました。

このつつじ園の大きさ、スケールを感じることができる一枚です。

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このあたりは、淡いピンクと濃いピンクのツツジが多いエリアです。

冬の黒部峡谷でバス道をつくるため、雪をかき分けてできた両側「雪の壁」のピンクバージョンのようです。

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淡いピンクと濃いピンクのグラデーションも美しいです。

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ここ「なるかわ園地」へは、ちょっとした登山のような山道でしたが、

中にはトレイルランで走って来られる方もおられました。

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つづら折りの園路から、一番最初に到着して上から全景を見渡した展望台のような場所が見えています。

はるばる山を登ってきて目にした「絶景」と、実際、園路におりて、このツツジの風景の巨大さを感じる

2つの楽しみがあります。

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いかがでしたでしょうか?、ツツジの絶景「なるかわ園地」。

是非、皆さんにも一度は見ていただきたい風景ということで、今回ご紹介させていただきました。

今後も、いくつか「ツツジの咲く風景」をご紹介していこうと思っています。

乞うご期待!


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

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