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専門家「風景」をつくるガーデニング術

2025年春、ツツジの旅・その1(久留米百年公園)

居場英則

早いもので、もう10月も残りあとわずか、年末が近づいてきました。

さて、今回以降、数回、今年の春に視察に行った「九州・ツツジの旅」を振り返って、

いくつかツツジの名所と言われる庭園や公園、施設などを巡った様子をご紹介したいと思います。

ひとつ前のブログで、最近は「バラ」より「ツツジ」に関心が深まっていることを書きました。

京都・京北という場所にデザインさせてもらったバラ園「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」

(通称:京北バラ園)を拡張する話が持ち上がり、その拡張エリアをツツジを中心とした

ガーデンにしてはどうかということで、いろいろなツツジ庭園を見て回ることにしました。

「ツツジ」と言えば、「クルメツツジ」や「キリシマツツジ」が有名で、とりあえず九州の久留米に

行こうと思い立ち、今年2025年4月に、九州・福岡県久留米市を旅することになりました。

今回は、その第1回目ということで、久留米市の中心部からほど近い、「久留米百年公園」を

訪れた様子をご紹介したいと思います。

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大阪から新幹線を乗り継いで、朝イチで久留米駅に到着し、駅前でレンタカーを借りて、

車で久留米市内のツツジ庭園を巡りました。

まず、最初に訪れたのが、「久留米百年公園」です。

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平成元年に久留米市が市政100周年を迎えたのを記念して整備された公園で、高良川の堤防や

久留米市を横断する一級河川・筑後川河川敷に接し、市の中央公園とも隣接した広大な敷地で、

芝生広場やイベント広場などもあり、久留米市中央部のレクリエーションゾーンの中心と言える場所です。

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公園内のつつじ園には、群馬県館林市から贈呈された八重霧島ツツジをはじめ、鹿児島県和泊町から贈られた

ツツジの古木など、約12万本のツツジが植えられているそうです。

春のツツジのシーズンになるとツツジが満開になり、特に毎年4月に開催される「久留米つつじまつり」には

多くの観光客や地元の方で賑わうそうです。

僕が訪れたのは、おまつり前の平日の朝早くだったこともあり、ツツジはたくさん咲いていましたが、

人は少なく、ゆっくり見ることができました。

しかも、空は青空で、クルメツツジの赤がとても鮮やかで、コントラストの効いた風景を作っていました。

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全体的には、日本庭園にあるツツジのように、低く丸く刈り込まれたような仕立て方が多かったように思いますが、

一部、自然樹形のまま大きく育てているツツジもあり、目を惹かれました。

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違うアングルから見ると、こんな感じ。

円形の築山(写真左)に沿って、円形の園路が設けられ、その周りを赤いクルメツツジが取り囲んでいます。

その奥に見えているピンクの花の大きな塊も、自然樹形のツツジです。

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こちらは、公園の大きな園路に沿って、真っ赤なツツジとピンクのツツジの花壇が設けられていました。

公園がシンメトリックなモダンなデザインなためか、ツツジの見せ方も、刈り込まれてカーペットのような

仕立て方でした。

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違うアングルで見ると、こんな感じ。

まさにカーペットというか、ツツジのベッドのような仕立て方です。

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この辺りは、刈り込まれた赤や白のつつじが、折り重なるような風景を構成しています。

背後の大きな高木も借景となって美しいです。

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この辺りは、公園内の建物が背景になっていますが、手前のつつじの刈り込みは、折り重なるように

奥へ奥へと広がっています。

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白とピンクのツツジが入り混じったゾーン。

超広角レンズで撮影すると、とても迫力のあるシーンになりました。

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ただ、この公園を訪れたのが、まだ少し早かったのか、まだ開花していないツツジも多く見受けられました。

遅咲きのツツジかもしれません。

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この辺りは、真っ赤に咲き誇っているツツジと、少し褐色のような色合いのツツジ。

褐色の方は、まだ五部咲きと言った感じでした。

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遠くからは褐色に見えていたツツジも、近寄ってみると、淡いピンクの覆輪の品種のようです。

とても上品で、目を惹きました。

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先ほど、自然樹形を大きく育ったツツジを紹介しましたが、こちらが、そのアップ。

高さ4m近くもある大株のツツジです。

桜のソメイヨシノのように、葉が出る前に花だけで、満開に咲き誇っていました。

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こちらは、盆栽仕立てのような、古株のツツジ。

とても存在感がありました。

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一方で、残念ながら枯れ込んだ株もありました。

聞いたことのない珍しい品種だったので、花が咲いている様子も見てみたかったです。

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園路沿いの赤いクルメツツジも、一部枯れ込んだりしていました。

猛暑の影響で、夏場の水が足らなかったのかもしれません。

この辺りにも、地球温暖化の影響が出ているように感じました。

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個人的には、この写真の辺りの風景がとても印象に残りました。

なるべく刈り込まず、自然樹形に大きく育っているツツジが好みです。

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ツツジの本場、九州の久留米市に来て、最初に見たのが、こちらの久留米百年公園のツツジでした。

ほぼベストなタイミングで見に来れたのも良かったです。

次回は、久留米市内にある「石橋文化センター庭園」をご紹介したいと思います。

乞うご期待!


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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