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専門家「風景」をつくるガーデニング術

「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭(京北バラ園)」二期(拡張)エリアの状況

居場英則

ひとつ前の記事で、僕がデザインさせてもらった「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭(通称:京北バラ園)」の

今年2025年の様子をレポートしました。

今回は、その京北バラ園の「二期エリア(拡張エリア)」について、現状をレポートしたいと思います。

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京北バラ園は、もともと国道に面した休耕田の棚田4枚のうち、一番手前、国道に面した田んぼ一枚分を

バラ園として整備したものでした。

奥の3枚の棚田は、オーナーの意向で、ハーブ園や日本庭園として、整備が進められていましたが、

昨年、4枚棚田のうち、バラ園に続く2枚目と3枚目を、バラ園の拡張エリア(Ⅱ期エリア)として整備することに

なりました。

 →※詳しくは、過去記事に書いていますので、ご興味のある方は、そちらもご覧ください。

棚田の段差を活かして、一期エリアと同様の「バラの滝」をあと2ヶ所、作っています。

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写真は、バラ園に隣接する、茅葺きの家から、バラ園方向を見下ろしたアングルです。

一番奥に見えているのが、既に完成しているバラ園(一期エリア)で、そこ後方に、大型のつるバラを育成する

パーゴラが設置されている部分が、4枚棚田の2枚です。

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この棚田2枚目には、大型のつるバラを育成するために作った低めの鉄製のパーゴラがあります。

これまでは、このパーゴラにつるバラを誘引していましたが、来季は、このパーゴラを撤去する予定です。

というのも、後方(写真左側)に、棚田2段目と3段目の段差を活かした「バラの滝ゾーン」を設けましたので、

この低めのパーゴラがあるとは言え、視界の邪魔になるためです。

せっかく大きく育ってきた大型のつるバラ(フランソワ・ジュランビル、ポールズ・ヒマラヤン・ムスク、

ドロシー・パーキンス)3本は、撤去するのは忍びなく、何とか活用方法を探りました。

掘り上げて別の場所に移植するという手も考えましたが、結論的には、低い位置でカットし、

新たに伸びたシュート(枝)を地面に沿って低く倒して誘引するという「棚仕立て」にする予定です。

うまく行くかはヘッドガーデナーの腕次第ですが、乞うご期待ください!

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こちらは、棚田2段目、3段目の段差(約50㎝)を活かした「バラの滝」です。

一期でつくったのとほぼ同じ仕様になっています。

つるバラ(群星・群舞)の苗を、この冬に植えたばかりなので、まだまだ景観を作れるほど大きくはなって

いませんが、あと2年もすれば、一期エリアと同じような雰囲気にはなると思います。

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「バラの滝」エリアを横から見たアングル。

この冬に植えたつるバラ、群星・群舞にもちゃんとクセをつけて、手前に枝垂れて咲くように仕立ててあります。

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こちらの写真も、バラ園に隣接する茅葺き屋根(古民家)から、バラ園Ⅱ期(拡張)エリアを

見下ろしたアングルです。

中央に見えているのが、4枚棚田の3枚目です。

左側が、一番奥の棚田エリアで、現在は日本庭園として整備が進んでいます。

右側は、先ほど紹介した棚田2枚目で、既存のつるバラを「棚仕立て」で見せるエリアとして整備する予定です。

そして、棚田3枚目は、「つつじ園」として整備する予定のエリアです。

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こちらが、その棚田3枚目。

つつじ園として整備する予定ですが、棚田の中をS字に走る水路を設けています。

その水路の両側、ところどころに景石を配置し、景石とセットする形でツツジを植えています。

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こちらは、棚田3段目と4段目の段差を活かした「バラの滝」の3つ目です。

奥(棚田4枚目)の日本庭園から流れ出た水を、「バラの滝」の下を抜いて、棚田3枚目に引き込んでいます。

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バラ園一期エリアの「バラの滝」から数えると3つ目になる「バラの滝」です。

ここも既存のバラの滝と同じようなデザイン(木塀の上からつるバラを垂らす)で作っています。

ここのつるバラが生育すると、3つの「バラの滝」が呼応するように咲き、さらに山から段々と水が流れ落ちる

ような景観になると思っています。

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「バラの滝」の下を抜けて、流れてくる水路の近影です。

水路の両側には石が積まれています。

路盤面は、芝生を敷き詰めています。(まだ植栽したばかりなので、芝生感は乏しいですが。)

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ツツジは、棚田3段目全面に植えるのではなく、ところどころにポツポツと言えています。

一期のバラ園同様、景石を配置し、その景石に水が当たって水流が盛り上がるようなイメージで、

ツツジを植えています。

ツツジの花が咲けば、岩に当たった水のように見えるといいなと思っています。

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棚田3段目を少し引きのアングルで見てみました。

まだ芝生は目土を入れたばかりでグリーンにはなっていませんが、次第にグリーンカーペットのように

なるのではないかと思っています。

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こちらは、棚田2段目と3段目の段差につくった「バラの滝」を裏側から見たアングルです。

ブロック2段を積み上げてつるバラ(群星・群舞)を植栽する枡を作っています。

そのブロックに沿って、上流から流れてくる水路がつくられています。

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まだバラ園の拡張エリア(Ⅱ期エリア)は作り始めたところなので、まだまだ仕上がっていませんが、

今後は、バラの開花期の少し前(4月末~5月上旬頃)にもツツジを楽しめるようにしていきたいと思っています。

「京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭」の次なる姿にも、乞うご期待ください。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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