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専門家「風景」をつくるガーデニング術

フォーシーズンズ・ガーデン(夏編)

居場英則

『我が家のフォーシーズンズ・ガーデン(四季の庭)』と題して、今年1月に「冬の庭」、

2月に「春の庭」の風景をご紹介しました。

それから少し時間が経ってしまいましたが、今回は、「夏の庭」というテーマで、

我が家の7月〜8月頃の夏の風景をレポートしてみたいと思います。

4月のチューリップ、5月のバラ、6月の紫陽花の華やかなシーズンと違って、「冬の庭」同様、

「夏の庭」は花があまりなく、少し淋しくなりますが、それでも日本の夏らしい風景を楽しめる季節でもあります。

そんな我が家の夏の情景をご紹介いたします。


● つるバラが旺盛に茂る前庭、建物外壁面「パレット」

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まず、最初にご覧いただく画像は、こちらです。

我が家の前庭、建物の外壁(「パレット」と呼んでいる壁面です。)に誘引したつるバラたちは、成長期を迎え、

こんな風になっています。

5月下旬に、この建物外壁全面を覆い尽くすほど咲いていた一季咲きのつるバラは、ツルを伸ばすことに

全精力を傾け、まるでジャングルのような光景になっています。


● つるバラの養成工場となる前庭、玄関アプローチ

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こちらは、前庭の玄関アプローチです。

5月のバラシーズンが終わり、花柄を摘んだ後、我が家の各所の壁面に誘引していた鉢植えのつるバラや、

オベリスク仕立ての鉢植えのつるバラたちは、ここに集めることにしています。

日当りや風通しが悪い我が家の庭では、そのままの場所で育てていると、病気やハダニの被害に遭い、

調子を崩してしまうバラが多いのです。

都市部の狭小な庭ならではの悩ましい問題です。

そこで、我が家では、5月のバラシーズンが終わると、移動出来る鉢植えのつるバラの多くは、

一旦誘引を解くなどして、日当りと風通しの良い、この前庭の玄関アプローチに集結させ、

来春に向けて、つるバラの育成を行っています。

オベリスクや竹ヒゴを使って、真っ直ぐ上にツルを伸ばし育成する、我が家の夏の風物詩となっている風景です。

決して美しい風景ではありませんが、来季に向けた準備がもうすでに始まっているのです。


● ガーデンパラソルで日影をつくり、鉢バラを養生

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こちらは、我が家の今年の中庭の様子です。

地球温暖化の影響か、年々夏の気温が上がって来ているような気がします。

我が家では、庭の大部分で乱張り石を敷き詰めているため、極端に土の部分が少なく、

育てているバラの大部分は鉢植えとなっています。

その鉢植えのバラたちは、太陽に熱せられた石張りの地面の上に置かざるをえないため、

例年、夏の暑さで、生育が芳しくありません。

なので、今年は秘密兵器を導入しました。

『ガーデンパラソル』です。

いつもは、5月のオープンガーデンの際に、お越しいただいた方の日よけスペースとして、

このガーデンパラソルを使用していますが、今年は、中庭の鉢植えのバラの日よけとして、

夏場も活用することにしました。

天候を見ながら、暑い日が続きそうな場合、パラソルを広げて、日中、日影をつくるようにしています。

強風が予想される時は、傘を仕舞っています。

このガーデンパラソルのおかげで、週末の庭作業においても、中庭の体感温度はかなり下がったように思います。


● 簾(スダレ)がつくる、日本の夏の風景

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もう一枚、今年の夏の我が家の中庭の写真をお見せします。

我が家は、二世帯住宅ですが、1階の中庭に面して母の部屋(画面左側)と、正面奥に和室があります。

その両方の部屋の窓に、日よけの簾(スダレ)を設置しました。

ボクも母も京都生まれで、今は奈良に住んでいますが、京都も奈良も盆地で、

夏暑く冬寒いという独特の気候があります。

母の実家は、いわゆる京町家だったこともあり、京都の夏の暑さをしのぐため、

夏になると、簾を出して、縁側に掛けて涼をとるというのが、

ボクにとっても母にとっても『原風景』となっています。

そんなこともあって、夏になると簾をかけないと、どこか落ち着かないのです。

中庭に面した母の部屋の大きな開口部はフィックス窓のため、風の通り抜けはありませんが、

簾をかけることで、強い日射を遮り、多少ですが涼をとることができます。

日本の夏は、簾のある風景、これが何とも風情があって良いと思います。


● 簾(スダレ)越しに見る、涼しげな緑の風景

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中庭に面した母の部屋から見た簾越しの風景です。

簾越しに見える緑が、何とも涼しげです。

どこか、京町家の坪庭のような雰囲気がする、というのは言い過ぎでしょうか?

簾のある風景は、何とも目に優しいシーンをつくってくれます。


● 長雨にしっとり濡れる緑の中庭

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こちらは、雨の日の中庭風景。

梅雨の長雨の時期は、庭作業も滞り気味になります。

雨で作業ができない日は、ゆっくりと窓から中庭の風景を眺めることにしています。

雨に濡れて、しっとり鮮やかな緑色の葉がとても美しく映えます。

木々たちも、恵みの雨を喜んでいるように思えてきます。

花は咲いていないけれど、緑のグラデーションを楽しんでみるのに良い季節です。


● 緑のグラデーション、中庭のシェードガーデン

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こちらは、気に入っている写真で、我が家の中庭。

お隣さんの家とサンルームに囲まれて、かなりの日影になるゾーン。

ここには、中庭のシンボルツリーとして、株立ち樹形の美しいコハウチワカエデを植え、

その足元に、日影でも耐える宿根草のギボウシやシダ、風知草などを植えています。

特に、ギボウシは、斑の美しい品種をいくつも植えて、

緑のグラデーションをつくっています。

日影の庭らしい、涼しげな風景を楽しめる場所です。


● 薄紫色の花が涼しげ、斑入りのギボウシ

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こちらが、その中庭シェードガーデンのギボウシ。

ちょうどこの時期、薄紫色の花を咲かせてくれます。

美しい斑入りの葉と、薄紫色の花がとても涼しげです。

夏にはなくてはならない植物だと思います。


● 青い花火のような花、アガパンサス

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我が家で、夏の花といえば、こちら、アガパンサス。

前庭の隣地境界フェンスに沿って、たくさん植え込みしています。

宿根草のアガパンサスは、常緑の葉で、普段は下草のように茂っていますが、

夏の花季が近づくと、花茎を高く上げて、地上から1メートルくらいの

ところで、花火のように、青い花を弾けるように咲かせてくれます。

我が家では、このアガパンサスをフェンスに沿って列植していて、

そこを「アガパンサスの小径」と名付けています。

この涼しげな花があるだけで、真夏の庭に出るのが楽しみになります。


● 切った紫陽花を名残惜しんで

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6月に色とりどりに咲き誇った紫陽花も、その花色が褪せてきました。

来年の紫陽花の季節に向けて、思い切って剪定をすることにしました。

色褪せはしましたが、まだまだ楽しむことはできます。

切った紫陽花の花を、玄関の軒先に置いた伊賀焼の水盤に並べてみました。

まるでブーケのようで、とても可愛らしい。

今年は、紫陽花がとても美しく咲いてくれて、とても満足しました。

水盤に活けた紫陽花を眺めながら、また来年の紫陽花の風景を頭に思い描いてしまいます。

日々、季節は過ぎて行きますが、目にした光景はいつまでも頭の中に残ります。

四季のある日本って、ほんと素敵だなと思います。


如何でしたでしょうか?

我が家の『夏の庭』。

咲いている花は少なくても、夏らしい印象的な風景はつくれるのかなと思います。

次回は、9月に『四季の庭』の最後、「秋の庭」をテーマに書いてみようと思っています。

乞うご期待下さい。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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