有元葉子さん監修レシピ｜うちのおいなりさんの作り方｜特集・コラム - ディノス

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有元葉子さん監修レシピ
うちのおいなりさん

有元特集｜プロフィール

有元葉子 Yoko Arimoto

編集者、専業主婦を経て、料理研究家に。食材本来の味を活かした調理法で、健康を意識した食生活をサポートする家庭料理のプロフェッショナル。美しくて使いやすい台所道具のシリーズ『la base/ラバーゼ』のディレクター。『簡単料理は簡単か？』（文化出版局）など著書は100冊以上に及ぶ。
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レシピ動画公開中

材料（20～24個分）

油揚げ　10～12枚
〈煮汁〉
　昆布とかつお節のだし汁　2カップ～3カップ
　（油揚げの大きさにより調整する）
　酒　50ml
　メープルシロップ　70ml（または砂糖50g）
　しょうゆ 70ml

＊煮汁の分量は目安。鍋中の様子をよく見て、自分の目と舌で味を決めることが大事。

〈すし飯〉
　ご飯　３合分
　すし酢（米酢70～80cc※好みで調整、砂糖大さじ１1/2～２またはメープルシロップ大さじ２～２1/2、塩小さじ１）
　白炒りごま、実山椒の佃煮　各適量

＊すし飯にはしょうがの甘酢漬けのみじん切り、ゆずの皮のすりおろしなど、季節に応じて好みのものを少量混ぜ込むと楽しい。

有元先生直伝のレシピ解説

手順1

１、油揚げの口を開きやすくする
「油揚げを煮るのは時間がかかるし、たっぷり煮たほうがおいしいので、一度に10枚以上を煮るのがおすすめです。私はいつも20枚ぐらい煮ています。煮た油揚げはとても便利。おいなりさん以外にも、きざんで卵とじにして丼物にしてもいいですし、海苔と一緒にお弁当のおかずにしてもいい。きつねうどんも食べられます。もちろん冷凍もできます。まず、煮る前に油揚げの口を開きやすくしておきます。油揚げをまな板に置き、割り箸１本（角のあるもの）の両端を持って、油揚げの上をゴロゴロと転がし、繊維を断ち切るようにします。１枚ずつていねいに行ってください」

手順2

２、油抜きをする
「鍋にたっぷりの湯を沸かし、油揚げを３～４枚ずつ入れ、１分ぐらい熱湯にひたして角ざるに取り出します。こうして余分な油を抜くことで、油揚げにだしや調味料のおいしい味がしみやすくなります。すべての油抜きをして、粗熱が取れたら、１枚ずつ両手のひらではさんで持ち上げ、上から下へギュッギュッと押すようにして水気を絞ります」

手順3

３、煮る
「油揚げを半分に切って、大鍋（直径24cm～33cm）に放射状に並べます。口があっちこっちを向かないように、同じ側へ口を向けて、少し重ねて並べていきます。鍋の中心がちょっと開くように、ドーナッツ型に並べるのがいいです。１段目を並べて、まだ油揚げが残っていたら上に重ね、２段目も同じ方向で放射状に並べます。すべての油揚げをきれいに並べ入れたら、だし汁をたっぷり入れます。油揚げがかぶるぐらいです。酒を注ぎ、メープルシロップ（または砂糖、みりん）としょうゆを最初は控えめに加えて、落としぶたをして中火にかけます。湧いてきたら、鍋中が静かに煮立つ火加減にして、ゆっくり煮ます。トータルで１時間～1時間半ほど煮ます」

手順4

４、煮汁を含ませる
「油揚げを煮ている最中に、ときどき次のようなことをします。手が熱くないように厚手のゴム手袋などをはめて、鍋中の落としぶたの持ち手をギュッと押す。すると、落としぶたのまわりから煮汁がジュワーと上がってきます。そうしたら手をスッと離す。これをすることで、油揚げが煮汁をよく吸い込むのです。原理はこうです。落としぶたで押すことで、油揚げの中の空気が外に抜ける。パッと落としぶたを離すことで、その油揚げの中の空間に煮汁がシュッと入る。煮ている最中、気がついたときにこれを10回ぐらいやると、油揚げにじんわりと煮汁が染み込みます」

手順5

５、味見をする、冷ます
「鍋の中心に開けた穴で、煮汁の残量がわかります。煮汁がある程度減ってきたら、この穴の中にスプーンを入れて味見をします。足りなければ甘みを加えたり、しょうゆを加えたりして調節します。油揚げには、こうしてお味見した煮汁よりも、少し薄い味がついています。そして、煮た油揚げの中にはすし飯が入るわけです。そうしたできあがりの味をイメージして、煮汁の味を決めるといいです。ご家族にも煮汁の味見をしてもらって、みんなの好きな味にするのも大切なこと。おいなりさんはみんなで食べるのですから、みんなの好きな味に作りたいですよね。さて、いよいよ煮えてきて、鍋の中心の穴から鍋底が見えるけれど、まだ少し煮汁がある状態になったら火を止めて、そのまま冷まします。冷ましている間に油揚げが煮汁を全部吸って、鍋に煮汁が残らない状態になるのが理想です」

手順6

６、すし飯を作る
「すし酢の材料をボウルに混ぜ合わせておきます。炊きたてのご飯を口の大きなボウルや飯台に移し、すし酢をまわしかけます。しゃもじで切るようにして、すし酢をご飯全体に混ぜたら、ご飯を広げてうちわであおぎ、粗熱をとります。お好みで白ごまと実山椒の佃煮をふり、ざっくりと混ぜます。もちろん何も入れなくてもいいです。濡れぶきんをかぶせて少しおき、人肌程度に冷まします」

手順7

７、すし飯を小さなおむすびにする
「ボウルに手水を用意して、手を濡らしながら、すし飯を小さな俵形にむすびます。同じ大きさに揃えたかったら、計ってもいいです。だいたい１つ25～30gだと思います。バットに並べていきます」

手順8

8、油揚げを用意する
「次に煮た油揚げを、違うバットに並べていきます。１枚ずつ、ちゃんと開くかどうか確かめながら、口を外側にぐるりと折り返し、ご飯がスポンと入りやすい形状にして並べます。油揚げを開くときは、口の端のところが特に破れやすいので、ここを広げるときは力を入れずていねいに。角の方まで開くかどうか怪しいな、と思う油揚げは、逆さにして指を中に入れ、指先で角を開くようにするといいです」

手順9

9、すし飯を詰める
「ここまで下ごしらえをちゃんとしておけば、あとはラクチン。油揚げの中におむすびにしたすし飯を入れて、キュッと指で押し込むようにします。油揚げの折り曲げていた部分を伸ばして、片側に折ってフタをすれば完成です。盛り付けるときは箸を使うと、おだしをたっぷり含んで柔らかく煮えた油揚げが破れてしまいがちなので、手でそっと持って盛り付けます。おいなりさんは、キチッと整列させて盛り付けたほうが絵になります。さぁ、できました。みんなでいただきましょう」

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