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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

9月のイギリス 秋の気配  グレーブタイ・マナー2

吉谷桂子

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2025年9月のイングリッシュガーデンツアーでは16箇所のガーデンを訪問。

そして個人的に、グレーブタイ・マナー以外にも、数箇所の庭を訪問したのですが

グレーブタイだけでも内容が濃すぎて、最初に訪れた場所から新たな話題に移ることが難しく...

今回の9月の旅では、コロナ禍以降の新たなイギリスのガーデン世界を探訪するだけでなく、

逆に20世紀から(19世紀から?)変わらない近代イギリスの庭文化の素晴らしさを、いかに今日まで

維持しているのか...の現実をも含めて総括的に、見ておきたかったのです。

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イングリッシュガーデンの講演会では、たびたび

このようにご紹介をさせていただいています。

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まさにこの写真は、29年前。29年前の私がこのホテルに訪問したときに撮影した写真でした。

はじめての訪問は1993年5月ごろで、これはその次に取材で、すでに雑誌への掲載用に一眼レフの

ポジフィルムで撮影をしていました。このころは、庭は手間のかからないシュラブ(灌木類)が中心でした。

フラワー・ガーデンの著者の庭として、これ以上を期待していた私でもありましたから。

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期待していた庭とは違っていました。(ほかのシシングハーストなどがすごかったですから)

本は、今後も、1部を抽出するにせよ全部読んでおきたいと思います。さて...

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以前の私がイギリスに向けていた、古きよきものへの情熱的な眼差し。

やはり古き良きものを、良きままに残している人々の姿には感動しました。

ガーデンの世界は新旧をよく知ることが大切だと感じていますが

料理の世界だけは...21世紀の新しい世界が広がっていて、

それもイギリスの伝統だけでなく様々な国々からの文化を取り入れ

より美しく健康的な表現へと進んでいる点を見逃すわけにもいきません。

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庭と食事

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クルジェット..彫刻作品のようです。美しい。こうした庭の眺めをたっぷりと堪能したあとに

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アミューズは、ミートと野菜のカリカリな2種類。今やそれが何であったかが

思い出せません。美味しかったのはもちろんですが、やはりメモでも取っておかないと

忘れますね。

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それから、ゴマに似たカリカリが乗ったバター。最後までこれが何なのかよくわかりませんでした。ゴマではなかった。

食感のオンパレードでした。キヌアがフライになっているとか...?

とにかくランチの時もいただいたのですが、このパンが、ものすごく美味しくて

私は、糖質制限などを考えてディナーの際はパンを全て食べたりしませんが

この時ばかりはしっかりいただいてしまいました。

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アミューズの次に出てきた トマト・ティー。ノックアウトでした大概の人がこのトマトティーでノックアウトさせられます。ちょっと日本のお茶のムードで。

ようやく出てきたStarter 前菜。この時、メニューに載っていた、ヘレフォードのビーフ・タルタル

&マッシュルーム&アリウムにしたかったのですが、前菜は野菜!

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夕方の散歩で既に決めていたガーデンbeatsルートのバリエーションたち

スリープコート、ロバジ、そしてキャビア。

と言う最終判断になりました。

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ビーツのシャーベットでお口直し。こちらも赤シソ入り!ビーツと赤シソ!そしてプラムの薄切り。

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あっ!さらにもう一度メニューにないので、このサラダの盛り合わせも詳しい内容が伝えにくいのですがやはりビーツだったと思います。

もうビーツ好きにはたまらない。この星のかたちの花はツルバキア。9月になると私の家の近所でも道端で咲いたりなんかしています。

ピンク色のニラの花。(春に咲く花ニラは毒性があるので食べてはいけません)

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ようやくメインです。これはどれも好きなものがメニューに並んでいたので悩みましたが

Southweswest PGI lamb にコンフィーガーリック、eme`s milk (とは何かを聞きそびれました)チーズ。

そして、オリーブ。ここにもガーデンベジタブルズに9月の花ツルバキア。

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このソースがおいしくて。そのさっぱりしていて濃厚な旨味にうっとりとしつつ見た目は小さめなのに味が濃いので食べ応えのあったラムをたっぷりのソースで。

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デザートもこれまた悩みに悩んで。他にブラックカラントのスフレや

ホイップアイランドチョコレートにブラックチェリーとトンカビーン!

トンカビーンは注目のセラピィアロマでもありますね。なんだか判断力が全然なくて結局

トリプルクリームチーズケーキ、キッチンガーデンのベリーとティタニアバニラ

トリプルクリームはちょっと危険だと思ったのですが

キッチンガーデンのベリーと言うところで惹かれてしまいました。

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この日の夜、月光が素晴らしくて、どうも満月なのだろうか。などと暦と照らし合わせのも面倒だからとても特別な月だなぁと思っていましたら、

満月はその4日後の9月8日、この日は皆既月食であり、しかしこの9月4日は一粒万倍日。

食べたもののせいが大きかったかと思いますが、何かエネルギーが満ちてくるような夜でした。

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翌朝です。夜明けと同時に庭に散歩に出ました。

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今回、私が宿泊した部屋はこの2階部分の1番右です。イギリスに言えばグラウンドフロアーの上

ファーストフロアーになりますが、ここは合計すると5回ほど来てるのですが

その昔、2度目に宿泊した時は確かこの上の三角形の屋根の下のところ。

その時は女性雑誌の取材でした。この時も小さな部屋でしたが

上の階はどちらかと言うと若干、昔なら子供とか、身分の低い人の部屋だった可能性が高く

部屋は小さかったけれど眺めが素晴らしかったのを覚えています。

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朝食。今度は窓際の席へ。イングリッシュブレックファーストのメニューも豊富でかなり悩みました。

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スモークサーモンとスクランブルエッグと言う非常にSimple&ベーシック。

トラディショナルイングリッシュブレックファーストにすればよかったかなとか。

エッグロワイヤルベネディクティンあるいはエッグロワイヤルフロレンタイン位に

すればよかったかなとものすごく考えながらいただいた朝食でした。

生涯で...あともう一度くらい行けるかしら。今度は家族か、友人とゆったりと過ごしたいものです。

そして、朝メニューの好きなものが勢揃いの

その悩みは、次に3泊4日で宿泊したホテルで両方とも注文し解消いたしました。

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さてこのまましばらく、それはそれは素晴らしい時期に旅をした

9月のイングリッシュガーデン旅行記を続けさせていただきますね。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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