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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

9月のイギリス 秋の気配  グレーブタイ・マナー

吉谷桂子

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予約のしてあったタクシーでガトウィック空港のホテルを10時にでて

あっというまの30分ほどでイーストサセックスのグレーブタイ・マナーホテルに着き、早い時間から

部屋をご用意いただき、まずは午前中から、1時間ほどガーデンを探索。

お昼になり、お腹がすいたのでホテルのラウンジでランチを取ることにしました。

レストランはこことは違う場所にあり、こちらはガーデン・ランチという名の

雨が降っていなければ、ガーデンでも食事のできる軽いメニューです。この時少し雨が降っていました。

すぐに晴れましたが。

ソテーをしたガーデンベジタブルス、野菜の盛り合わせに白身魚(アンコウ)、最高に口福の時間でした。

このホテルには見事に大きなキッチンガーデンがあります。それは後ほど訪ねてみます。

長い旅をしてきて、落ち着く場所へ。

その長い旅の最初の食事です。

これがもう素晴らしくおいしかった。ガーデントラッグに入ってるのは、ここのレストランで焼かれた旨味の強い胚芽パン。

もちもちしていて、日本の高級レストランのそれよりもさらにこれはおいしかった。

ついにイギリスもこんなパンを出すようになったのかと思う。

イギリスの食べ物がまずいだなんて昔の話。いえ、今でも美味しくないお店は

たくさんありますが、ちゃんとしたところはちゃんとおいしいのです。自分でちゃんと選べば美味しい店はたくさんある

そしてここのレストランはミシュランの星が付いています。

今夜はそのメインレストランの予約も済ませてありました。それも楽しみ!

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トム・カワード氏にヘッドガーデナーが変わってからもう12年とか!?

12年前にランチに伺った時はまだ彼の手が入ってすぐでしたので何とも言えない感じでしたが今は素晴らしいです。

宿根草の配置。それぞれの季節の楽しみのためには1年層ほんとにうまく配置されています。

トムさんと立ち話をしましたが、やはりホテルの窓から見える景色はショウガーデンのようでなくてはなりませんから

華やかさがある時期一体に続く1年層を植える事は重要ですね。

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ホテルの部屋には1800年代のこの家の主だったイングリッシュガーデンの父ウィリアム・ロビンソンの本が

何冊も置いてありました。この版画に描かれた家は1596年に建ったと書いてあります。

すごい500年以上の歴史のある家に、お泊まり。

そしてこの銅版画の絵からするとここに植わっているのはバラのようです。

昔読んだ本で、ナチュラルガーデンを著したウィリアム・ロビンソンの庭は

案外フォーマルだったと書かれていましたが。これを見るとわかります。何しろ1800年代です。

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以前に宿泊した時はランクでいうと安い部屋に泊まったので、部屋は小さく眺めも庭の裏のほうの部屋でした。

今回、もうそうは何度も来れないと思い、ひとりでも、ちょっと奮発しました。

部屋の天井から壁からすべてにハンドペイントでアネモネが描かれていました。

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ベッド脇に置かれていたのボルト酒のような「バスタブ・ジン」と言うのがものすごくおいしかった。

部屋に備え付けられた飲み物や食べ物は全てサービスということで...なんかちょっと気が大きくなりました。

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ガツガツ庭を見て回らないで、暖炉の横でアームチェアにでも座って

じっくり本を読むなどと言うことができればよかったのですが、私は本の表紙写真を撮っただけでした

ごめんなさい。

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ナチュラルさ。ということに、かなりのセンス。手の入れ加減が問われるところがありますね。

しかし、私はその手加減の具合をこの、グレーブ・タイの庭に絶妙な美を感じます。

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美意識。植物への愛。園芸的情熱。造園技術。そのすべて。

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トムさんの庭作業中にいきなり写真を撮らせてもらったので、あ!シャツがでていてごめんなさい。

でもとても良い笑顔をくださいました。

ちなみに、昔の写真がでてきました。11年前の写真です。

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このベビーカーで寝ていた赤ちゃんが今十二歳ですって!この時、トムさん。

わざわざお休み中なのにきてくださった。

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このときは、ツアーでも、レストランでランチだったので、少しおしゃれして。

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やはり今も、このガーデンを歩く人々はフルコースのランチやディナーを目的としているので男性はネクタイとジャケット、女性はエレガントなワンピースの方が多いです。というわけで私もちょっと。自分がデザインしたShade ブランドのでしたが...

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こちらも、2014年の写真、インテリア、実は少しづつ変化していました。

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キッチンガーデンはあまり変わらず。しかし、2014年の時は7月。今年は9月なので、その差はあり。

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実はあまりにもここちがよくて、このキッチンガーデンには3時間ほどぶらぶらしてしまった。

りんごに囲まれたベンチなどがあったもので。

これから始まるディナーに向けて...野菜のいろいろをジロジロ。私は好物のビーツを必ず頂こうと。

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いよいよ夕方18時半。ディナーです。メニューは好物だらけで悩みました。(続く)

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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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