お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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6月のガーデンツアーに引き続き、久々の9月のツアーの開催でイギリスに来ています。実際のツアーは9月8日からですが毎度のことで航空券の比較的に安く手に入る日程を選んでツアーよりも早くイギリスに到着しています。今回は他の様々な仕事のことでイギリス行きに気が回らず、どこをどのように見て回りたいか、かなり悩みまして。

久々に行ってみたかった場所へ。

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ヒースロー空港から、レンタカーを借りず、公共交通手段で行けるカントリーとホテル(要するにロンドンではなく)と、いえば...と言うことで、しばらく悩んだり迷ったりしていたのですが、二度と時間は戻らないから、そして私が今の体力で1人で行けるところ。大きなスーツケースを持ったまま、ここグレーブタイ・マナーを目指しました。

とはいえ、自宅ー羽田空港で一泊...14時間のフライト。夕方ヒースローに着いて、そこからバスでガトウィック空港へ。このホテルに到着するまでは丸二日かかったような感じでしたが、その価値は12分にありました。

ガトウィック空港のホテルに1泊し、翌朝、予約をしてあった。タクシーでイーストグリーンステッドのグレーブブタイまで。

移動手段が、空港起点で空港発着なら大きなスーツケースを持っていても、段差がなく、タクシーやバスも大型スーツケースを持って乗ることが当然の環境ですから、行けると思ったのです。そうでない場合は一旦ロンドンのホテルに大きな荷物を預け、また戻ってくると言うような面倒が必要になります。今回はどのようにするのが効率が良いのかもずいぶん悩んだのですが、この方法を選びました。

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この...今はホテル

ここは、1886年頃からイングリッシュガーデン生みの父と言われるウィリアム・ロビンソンが住んでいた自宅であり、ザ・ワイルドガーデンなどの著書も執筆されていたハウス&ガーデンですが、私がイギリスに住んでいた1990年代にはマナーハウスホテルとしてすでに有名な五つ星のホテルでした。純然たるクラシックなインテリアレストランのサービスも素晴らしかったです。それが噂では2010年頃に新しいオーナーに変わり、写真で見る限り、インテリアの意匠も少し変化していました。それが若干私の好みではなくなっていたので、どうするかとずっと迷っていたのです。しかし、やはり十数年前に、グレートディクスターに働いていたカワード氏がこの庭のヘッドガーデナーとなって、庭に変革を与えていました。その十数年前に、ランチがてらガーデンツアーで1度訪ねていますが、その時は既にオーナメンタルグラスがワイルドな感じになっていて、新しい伊吹を感じたものです。ただその時は、まだ始まったばかりと言うところで、ヘッドガーデナーも試行錯誤してるような印象でした。それから...前述したように、30数年前に一度は個人的に、2度目は女性雑誌の取材でも宿泊しているのですが、もちろん、マナーハウスは素晴らしい美しさでしたが、庭はその頃...育ちすぎた灌木類とヘザー、エリカの類があまり管理が良いと言えない状態で占拠されていました。ワイルド、ナチュラルガーデンの提唱者の自宅だったとは言え、かなりフォーマルな整形式のデザインでもありました。そりゃそうです。尋ねたのが1993年とか、そんなあたりでも、100年以上も経っているのですから。ただ、雰囲気としては素晴らしいウッドトランドや池もあり、マナーハウスホテルとしても美しいものでした。そして何より周辺のランドスケープも素晴らしい。それからこれは私の個人的な感想になるのですが、ここの水道水がまろやかで柔らかく、お風呂に入ったときに温泉のようミネラルウォーターのようだと思ったものでした。だから、ホテルとしては素晴らしかった

しかし、私がガーデンに見たいものは、やはり庭のアートオブブランディング。植栽の芸術性なのです。

それがカワード氏の10数年に及ぶ努力で、独自な見るものを楽しませるプランツワールドに変わっていました。続きはまた...


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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