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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

酷暑・猛暑 沸騰する夏の庭をどうする?(1)

吉谷桂子

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命の危険が迫るような夏が来ています。温暖地はもう昼の庭仕事は超危険!

写真は標高1300mの八ヶ岳。私が現在庭の、というか、ここは畑ですが...

ガーデン・ランドスケープのデザインをしている場所です。朝晩涼しくてとっても気持ちが良いのですがやはり12時ごろは暑すぎます。

雑草もたくさん生えてくるし。しかし!ほんとに1,000,000株を人の手で植えた!ってすごいことですよね。

現在は無料で開放していますので(雨が降ったりすると突然休園になりますので、Instagramなどで事前チェックを!

#八ヶ岳ガーデンプロジェクト

植木鉢で育つ植物は、朝晩2度の水やりが必要なほどの厳しい乾燥状態なのは、雨がずっと降っていないから。

梅雨と言えるほどの雨がなかったのが6月。7月も局所的な豪雨や雨はあったものの、私の庭には恵みの雨がなく

雨といに直結させて雨水を溜めているタンクも空になってしまいました。

風呂水や食器洗いに使った水(洗剤を落とした後半の濯ぎ水)などもバケツやジョウロに貯めて使っています。

今の所出水制限は出ていないようですが、これはイギリスに住んでいた時代のクセで、夏の干ばつの時期にテレビでは盛んに、シャワーやキッチンの水を庭に使うようにアナウンスがありました。

あれを毎日聞いていたので、以来それがクセになっていたのと水の節約は、なんとなく気持ちが落ち着く。逆に無駄にするのはとてもストレス。

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夏の暑い時期に肥料は避けた方が良いケースが多く植物の種類によっては、

それが問題の引き金になることもありますが、ごく薄い100倍〜1000倍など

ゆっくりと活力を与えるなら効果ありで、特に夏の花、夏の暑さに強い種類なら

肥料切れを感じた際は、私は、春先に与える量をさらに5倍、10倍と薄めて、

しかしそれを早朝5時頃か、夕方に 1日おきとか毎日など。うっすらと与え続ける。

これも、昔イギリスで教わった方法ですが、注意すべきは、決して春とは同じ規定量ではなく。

薄め。

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春、3月に開催した福岡フラワーショー(FFS)。

FFSの際は、展示ガーデンのメンターとして、石井康子さんがデザインをした庭の構造や植栽についてのアドバイスをさせていただきましたが

その時に使ったのが、発根促進のためのバイタル剤と効き目が早いと言われる一晩発酵の有機肥料でした。

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有機肥料は、バイオゴールドの有機肥料 5−6粒ほどを2リットルのペットボトルに入れて一晩以上。

FFSの会期中、前日に5−6粒を入れたペットボトル、翌日には溶けて液肥になっていたので、植え付けの終わった夕方に散布。

樹齢200年とも言われたオリーブの株元にも安心して散布。

これも薄めで「吉」

以下の写真はさらに原液を作り希釈10倍としました。広い面積にそれぞれジョウロで希釈した方が効率が良かったので最後は、最終的にその方向で。

2リットルに5個の定量に対し、2リットルの規定の倍の10個を入れたら、5リットル入りのじょうろに水4リットル。残りはよくかき混ぜたボトルの2倍液を入れると言った具合。

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茶色の有機液肥が完成!まさに、草花には、特に効果が早く、使って安心でした。

5リットルジョウロに水4:発酵液1の割合で夕方にあげてました。

朝だと、3月とはいえ、この時の福岡は、気温がすぐに上がって少し心配でしたので。

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春は....この開花だけではなく、3月に始まり4、5、6月までずっと植物の生長が続いていくので、

早く効果のある肥料も欲しいけれど、土壌環境を豊かに育て、この先何年も、植物個体の生命を育んでいきたいという思いも募ります。

この写真↑は「はままつフラワーパーク」の桜のフラワー・フォレストですが、樹木灌木が多いので化成肥料は絶対に使いたくないけれども、花も咲かせたい。

それで有機肥料は秋と春にしっかり入れています。それから地面を覆うマルチングの培養土も。

そして↓は2月の代々木公園。

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これは直接肥料を、株元に散布です。

アガパンサスが肥料がないと花を咲かせにくいので

春の前に3月初めにアガパンサスめがけてここだけ施肥を。

この時期にしっかり与えてあるから、7月にたくさんの花を咲かせるし。

バラ用の肥料は花数を増やしたいときにとても有効!

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基本的に、肥料は成長の前に与えるべきもの。写真は7月上旬。

あ!ちょっと効かせすぎ?!(汗)

正直、そう思いましたが...施肥をしたのは夏越しのできる立派な、丈夫な、健康的な株にしたかったからと言うのもあります。

しかし、本来の宿根草の庭では肥料と水は最低限に控えるべき。とは言いつつ、

花がたくさん咲いていることで公園来場者の皆さんに喜んでいただけるので、臨機応変にと考えています。

今は、とにかく控えつつ、緊急用なら薄めた液肥とバイタル(VR)が有効です。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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