お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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トム・スチュワート・スミスさんのサージ・ヒル。プランツライブラリーの眺めです。

土壌環境と植物のマッチングがともかく素晴らしくてコンテンポラリーな庭の景色

隣り合わせた植物のフォルムと質感と成長度合いの違いの組み合わせが、もう!神!

しかし、

地味な眺め、という印象を与えるからなのか、素通りされてしまうような景色でも

あるのかもしれない。

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オーナメンタルグラスといえども、観る人の目によっては

「こんな雑草を植えるなんて!」と

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(上2枚と下2枚は、六本木ミッドタウンで私が設計したボタニカの庭 2007年8月撮影)

わたし自身、ナチュラリスティックな庭の表現にあって、まるで受けないどころか

非難を浴びる体験は何度もしてきました。

このボタニカも自分では大好きでしたが、理解されていないなあ、と感じていました。

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また、昔からドライになったシードヘッドが大好きで

コレクションをして部屋に飾るほどでしたから、

庭にシードヘッドをそのまま生かすことも、

嬉々として庭のデザインに組み込んでいましたが、

これも、枯れた花を放っておくなんて!と、お叱りを受けました。

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なんといっても、1998年に帰国したころも、すでに、

イギリスではオーナメンタルグラスは、一種の流行のようでもありましたが、

一時的な流行ではなく、あれからずっと!

ここに入れた写真から今から20年近く前のものですがl。でも、この時は

テレンス・コンラン卿がまだお元気で、イギリスのデザインチームの承諾も

必要だった際、グラス系は必須項目でした。

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この写真も、2007年の北海道銀河庭園。素晴らしいの一言!ですが。

時代がついてきていなかった気もします。銀河庭園は完全にオーガニックで

基礎工事の際から除草剤も一切使ってこなかったそうです。維持管理も無農薬。

30年近く経つ今、ようやくの理解が??.....でもまだな感じがしています。

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(リワイルディング ネップ城のウォールドガーデン)

しかしながら、ガーデンツアーを開催して、嬉しく感じるのは

ご参加くださる皆様の観る目。しっかりと、素晴らしさを理解してくださる。

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わたし自身、これは最高だ!と、思うトム・スチュワート・スミス氏デザインの庭で、みなさまも、惚れ惚れでした。

これがもし、日本のどこかにあっても、どういう評価になるだろうか。

それを考えて、いつも結局、花多めのハイブリッド・ガーデンをデザインしています。

「鑑賞のための庭」。として。

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生態学的美学という新しい庭のかたち


ネップ城の庭。そこにはいくつかの明確な性格が見て取れます。

「鑑賞のためだけじゃない庭」

第一に、人が庭に形を与えるのではなく、土壌や在来植物、昆虫や動物の相互作用に庭の形成を委ねるという自然主導の姿勢があり、わたしは 現地ガーデナーのジョシュ君の講座のなかでポニーがむしゃむしゃとバラを食べてしまう映像を見ながら、まさに新しい境地だ!と感動していました。

野生動物による食害も排除すべき問題ではなく、「自然に必要な撹乱」として受け入れている。

第二に、すべてを放置するのではなく、植物の遷移を見守りながら最低限の手入れを行う「管理された野生」でもあること。

管理は支配ではなく、人と自然のあいだに緩やかな関係を保つための調整として機能させるもの。

さらに、花のない季節や枯れた植物の姿、不均質な植生の広がりも、生命の循環を感じさせる要素として肯定されている。

こうした環境のもとで、昆虫や鳥類、小型哺乳類が戻り、庭は観賞空間を超え生きた生態系として機能し始めているのです。


この庭が示しているのは、

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「庭は人のためだけの装置ではなく、自然と共存するための実験場である」

という考え方です。なかなか理解が難しいかもしれません。

庭は人間の美意識を一方的に投影するだけではなく、

人と自然が響き合い、学び合う場へと変わりつつある。


こうした視点は、リワイルディングのネップ城という特別な場所にとどまらず、

個人庭園や都市空間へも今、まさに、ヨーロッパ、アメリカへと、静かに広がっている。

一見「手入れ不足」に見える草ボーボーの風景の背後には、

地温上昇の抑制や生物多様性の維持といった明確な意図がある。

そのようなことに興味のない方々も多いのかなぁ。

そこを読み取ることもなしに、雑草!とか枯れてる!とか、

言われ続けてきたわたしは、来年と再来年に新たに作る庭に関しても、

まだ逡巡が続いていますが、言葉で伝えることはできると思うのですこしづつ...。

自然界で感じられる危機感を受け止めて、庭と関わること。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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