お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

IMG_0045.jpg

この日、東京の私の庭は、32度。群馬県 中之条 27度。北海道 恵庭は22度。

この5度の差が、宿根草のサバイバルに大きく影響を与えるけれども、

また、この場所の日当りと風通しが良いのか、水はけがよいのか悪いのか。同じように暑い夏も、様々な条件によってサバイバルは、違います。同じ町でも、ほんの数メートルの差で、

その環境次第で、元気に美しく咲く花とそうでないものと。そこがガーデニングの興味の尽きない部分です。

この写真は、今年の5月に植えた中之条ガーデンズのパレットガーデンの宿根草たちの8月19日の様子。

IMG_0084.jpg

ただし、この庭の地形が盆地なので、排水対策はしたけれども、間にあっていなかった。豪雨には。

8月の庭。イギリスや北海道なら、春から夏へと順調に生長する植物の見応えも期待できそうですが、特に今年は厳しい夏。完全に生長する前に消えてしまう植物も少なくないのが本州の夏です。

IMG_0006.jpg

今年は全国的に梅雨が長く続いて、どちらの庭も苦心されたのではないでしょうか。

そして、梅雨が終わるとこんどは灼熱地獄のような日々が連続しました。

5月に植えたヒオウギ(手前)うれしや。生き残って、今、花を咲かせてとても美しい。

後ろのグラスは、カールフォスターか。そのうしろの白い葉は、イヌハッカ。

IMG_0064.jpg

この写真はインスタにもあげましたが、ジメジメが苦手なパニカムやアキレア。

それからエキナセア、生き残って、健気に、育つ、そして、咲く花たち。本当に感動します。

何気なく咲いたのではなく、生き残って咲いている。美しい。

IMG_0016.jpg

....ただし、写真は、良いとこ撮りしてます。6月からずっと咲いていたアンミ。タネの姿。楽しみですが。

全体に、7割はうまく育ったように思いますが、半枯れや絶滅した品種もありました。

IMG_0034.jpg

植栽設計をしていて、私が最も大きな敗北感を味わうのは、 bare graund

裸地。全体の1割強、何箇所かでています。

タナセタムは全滅したようで。乾燥には強いけれども、ジメっとした環境が嫌いなのね。

もともとの黒土。水はけが悪いけれども、ここに植物が育つことで有機質が増えて徐々に改善する。

とにかく、今年はもう一度、秋植え宿根草と球根を植えて(10月24日〜25日を予定)完成を目指します。しかし、このパレットガーデンともうひとつのスパイラルガーデンだけでも広いので、私が植えた後、東京に帰ってしまうと、その後のメンテナンスは現地、園長さんやスタッフに委ねる。雑草との戦いも続き。なかなか。思い通りにはいきませんが。

IMG_0089.jpg

河井さんのローズガーデンはすごいです。ここのメンテナンスだけでも手一杯なはずです。

IMG_0077.jpg

こちらは、スパイラルガーデン。今年度は、あまり本格的な植栽ができていない。

去年から生き残った宿根草とわずかな増し植えで、正式で本格的な植栽工事をしていなかったので。とは本当に言い訳ですが、先月、7月に来たときより、やはり、雨で倒れその直後に猛暑だったので。これは厳しい!と

思うなか。ルドベキア'ヘンリーアイラーズ'倒れつつも、花が元気でぱぁっと咲いてかわいい。

IMG_0070.jpg

生長期に雨が多いとゆるゆる徒長しますが、こればかりは支柱をうまく仕掛けるほかない。

IMG_0147.jpg

今ヘレニウムが咲きはじめて。でも、基本的にここには、人の背よりも高くなる植物は植えないことに決めていたんですが、植えた覚えのないヘリアンサスが思い切り咲いていて、

えええ?誰が植えたのだろう。ってこともあるのが離れた場所にある庭。

IMG_0163.jpg

乾燥しがちな環境でどこまで生き残るかアネモネ・フペンシス。いい感じで咲き始めました。

やはり、丈夫な植物です。

IMG_0059.jpg

まだ植えてから三ヶ月です。来年までにどの程度増えて減るのか。この環境への順応を見ながら

環境にぴったりと合った草花で雑草の入り込まないコミューンができるようこれから1年、

今までよりは、回数多く、こちらに通って体制を整えていきたいと思います。

IMG_0062.jpg

本格的には来年、オープン。今このエリアはプレオープン中ですが、中之条の

ナチュラリスティック・ガーデン。来年の初夏に至るまで、この厳しい夏、そのうち豊かな秋が来て、またちょっと厳しい冬が来て。そして、来年の春が来るプロセスで、新たな庭の可能性を

探して行きたいと思います。


■おすすめ特集

吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


Instagram@keikoyoshiya 

Archives

Recent Entories