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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

気候変動の影響は 避けられないガーデニングですが

吉谷桂子

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9月中旬。今日は18日。そして、異常な高温、34°とか。そんな気温の東京です。

写真は、6月上旬の 東京渋谷区代々木公園の私が設計をしているモデルガーデン「クラウド」です。

6月頃まではまだ良かった。4月の急な気温上昇にもトラブルはありましたが。

今年の夏の厳しさがまさに異常でした。....なので、これからのガーデニングについて

少しずつ具体的なことを綴っていきたいと思っています。

急な気温の上昇で、植栽から半年ほどの植物が想像を超えて大きく育ったのは、

土壌のエネルギーもあったかとは思うけれど4月の高温が大きく影響していたと思います。

おすすめしたいのは、綺麗だと思った瞬間以外に、日常の庭の様子。

庭の写真を撮っておきましょう。特に宿根草の庭では、宿根草のライフサイクルを

掴んでおくことが大切です。

春はどうだったか。前の年は何が元気に咲いていたか。そうした知見を重ねていくことで

ガーデナーは自然に自分の理想のガーデンを作るためのキャスティングがスキルアップできる。

庭は、日々、姿を変えていきますが、昨今の地球温暖化は、日々というより、

去年と同じではなく、さらに厳しいというか。去年までは良かったけれど、

今年からもうダメみたいなことが起きています。

もちろん自分の記憶でも、それはわかるのですが、写真にしておくと

その違いがはっきりとわかります。そうした経験をもとに、自分の理想の庭に近づく。

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私は、私の好きな雰囲気、自然風でありながら植物の葉群の色調やアーティな質感のコンポジションを

目指しています。花の庭のために単純に、好きだと思っている植物だけで庭を作ってはいません。

むしろ、好きな植物でもランドスケープを作るのに難しい植物は一切採用していない。

また、特に好きじゃなくても問題起こさず、丈夫な植物は使う。というか。

またあまりにもこの夏が厳しかったので、何かもうこの後は、

あきらめのような気持ちも湧いてくることがあります。

でも春先から初夏までの写真を見て、そうだ。希望も沸きます。ヒントも見つかります。

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さて、問題起こさず、丈夫な植物はといえば、欠かせないのがアガパンサスです。

6月までは、たくさんの花をつけて、特に、このアガパンサス`ポッピンパープル`は

「繰り返し咲き性」のアガパンサスで 去年は12月まで花を咲かせていました。

ただもう、今年の7 8 9月はあまりにも暑すぎて葉っぱだけで活動休止中です。この後、

気温が下がれば花芽をつけてくれるかなと期待をしています。

ただ、アガパンサスは条件が揃うと、根の張りも早いので、根が張りすぎてしまうと

花をつけづらくなってしまうこともあります。そうしたら株分けを。コンテナでは特に、毎年やるべきかも。

なにしろ今の東京、長らく気温が高いので、(地温も高い)そうなると、生長が逆に止まるか。

逆に早まりまるか、さて、このあとはどうでしょう。チェックしていきます。

株分けは面倒ですが。早いうちに対処したほうが良いかどうか。様子を見て決めます。

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ちなみに、アガパンサスの後にシードヘッドだけになった「ニゲラ」が見えます。

シードヘッドのベイジュっぽい色調が好きで、「枯れているから除去しますか?」と

聞かれましたが、この時点で残し。ただ、梅雨が来て長雨で美しくなくなったので、除去。

こぼれだねにも期待はしていますが。来年の景色は、また変わっていくと思います。

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梅雨の頃に美しいのが、アスチルベです。アスチルベは植栽から3年以上が経過した株のほうが

美しく花穂が上がるので、来年以降に期待なのですが、水分は必要です。ところが今年の夏は干ばつ気味で

そんな干ばつが続いて心配だった日々に半日豪雨。これはたまったものではなく、病気に対する

免疫が弱っているところで」何が起きるか。かなり心配でしたが.....

アスチルベはなんとか頑張っています。いっつも水が欲しそうでしたが、現在、月に2回。

メンテナンスで入った際には、水やりをしてきましたが、十分とはいえないところをギリギリで。

そのうしろに、アンジェリカ `ビカースミード`。

これは、私が大好きな宿根草で、イギリスでは問題なかったのですが、東京では

夏を越さないかもしれなくても (どうも乾燥には強くない)。でも、少しだけ。好きな品種。

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6月まではここにいてくれたらとの思いで植栽。7月には一斉にアゲハの幼虫に大人気でその後

姿を消しましたが。(もしかすると、根は残っているかも)私もアゲハも大満足で。懲りずに、来年も。

そして、来年は、アンジェリカ・ギガス を植える予定です。またしても、蝶々に人気があって良い

と、思っています。今代々木のこの場所には都内で生息の考えられるほぼすべての種類の蝶々が見られるそうです。

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大雨の降った翌朝。9月16日の朝に行ってみました。雨の後で景色が黒っぽく美しくはないのですが

植物のコンディションは水をもらって、今はいいように見えます。でも、これからです。

問題が起きるかもしれないのは。アスチルベはなんとか持ちそう。

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心配なのはこれから咲き始めるシュウメイギクです。8月からシュウメイギクには、白絹病が発生中。

指差しの先は、これはペンステモンで。これも白絹病発生

病気が出たら、根こそぎ削除しか手がなく、周囲の土も除去して新しい土を入れるなど

しています。しかし、菌はまだいるはずで。伝染の可能性ははだあります。

ということで、E nursery の江口さんと相談し、白絹病には、免疫活性系の栄養剤。散布して

もらった。この栄養剤は人体にも安全な有機物。さあ。この後は検証を。どうなっていくのか。

ちなみに、隣にいるセラトスティグマは元気で頼もしくこのまま左側に増えてくれるように計画しています。

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先週も超高温の1日でしたが、朝から代々木公園で作業。

ここに写っているのは、JAG(Japan Association of professional Garden designers)

のメンバーで 2022年1月から東京パークガーデンアワードの立ち上げから活動してきた

メンバーとその後のメンテナンスに参加してくれている面々。

庭が生きる糧、仕事であると同時に、やはり植物が大好きで、自然や庭を愛する仲間といると、

この厳しい夏もどうにか耐えていけるように思えるのは、植物も私も同じです。

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9月中旬の代々木公園 東京パークガーデンアワードのモデルガーデンからその奥には

コンテストガーデン。夕方サンダウンの一瞬は本当に美しい、そして、贅沢な景色。ここから歩いてすぐの場所が

原宿駅で都会の喧騒(は、やや聞こえる)けれど、高層ビルがまったく見えないこの景色は素晴らしいと思います。

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地球温暖化どころか、地球沸騰化が言われて緑の保全は絶対に守っていかなくてはならないと思いますが

生物の多様性も目指し、また植物においては、化学農薬を使用せずに持続可能な多様性の点で

昆虫類もいろいろいてよしとしつつ、草花も在来種は当然のことながら、この厳しい環境に

良き感じで生き残ってくれる宿根草を中心に 可能性を探っています。

心落ちつくというか。

夏の厳しさもありますが、 私は返って、花の満開の景色より、シードヘッドやグラスのこうした雰囲気の景色が好きなのでした。

この夏は、アガパンサス以外にも、やはり、バーベナ `ボナリエンシス`、ルドベキア、アガスターシェ、そして、

下の写真のセラトスティグマが、頼もしかったです。

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ただし、この写真は、私のベランダで、毎日私の鑑賞(監視?)を受けながら、若干保護されつつ

育っているセラトスティグマで、まったく同じナーサリーからやってきて、同時期に

代々木に植った品種と兄弟。代々木は、若干間延びしながらデレっとして育っています。

ちかいうちに切り戻そうかと考えつつ、ワイルドに育ってほしいので若干見て見ぬふり。

ガーデニングに終わりはなく、正解も、そう簡単に見出せないのですが、とにかく、知ること。

理解すること。そして、できればちょっと予見すること....。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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