今回のガーデンツアーは ここから始まりました。Knepp castle 再野生化された
貴族のエステートを学びに。ここから先は許可なきものは入れません。
ツアーは毎回そのように努めていますが、入場許可を得てのち、現地の方にご案内をいただき
できる限りは説明や質問にお答えいただくため、ご担当についてもらっています。
また、特に、この庭が、ほかのイングリシュ・ガーデンのアプローチとは、全く違う!
それが、第1カ所目の訪問先だなんて!完全にやられた。順番を考えるのは、主催の会社のスタッフさんや現地の都合を調整してくれる現地ロンドンの会社の方。スタッフ凄い!イ
と、思っていましたが、あれ?たまたまそうなったの?いえ、どちらにしても、これが衝撃でした。
迎えに出てきてくれた JOSH (ジョシュ)による、昔の、りんご貯蔵庫教室での講座
ル
これがまさに衝撃で....
再野生化プロジェクトの始まりから....
英語、だいたいわかっているつもりでも、同時通訳は無理。でも、また聞きたい!!
その都度、翻訳できず(汗)すみません。でも、日本語に直しても難しい表現は多かったです。
というのも、最近、Chat GPTでも、同時通訳もしながら見るのですが、なかなかこれがすごい!
ところで、JOSHの最初の挨拶のところで、REWAILDING についての説明。
「REWAILDING 一部の人たちは少し偏見を持っていたりその意味に少し混乱をしているようです。
でも私たちはそれが本当に大切なパズルの一部から全体を理解する上で重要な要素だと信じています」
そこから、ノブタの放たれたエステートの生態環境の変化について説明が始まりました。
Natural process-led とは?.....人為的に操作するのではなく自然の働きや流れに任せる進める方法や考え方。
このこと1つをとっても私は、なるほどそうか。と思ってしまいますが、
これがそんなに簡単なことでは無いこともわかるし、その必要性や意味も、そう簡単に説明のできることではありません。
ナチュラリスティックガーデンでも、この考え方を基本にしていますが、ある程度の人為的操作は常に必要としています。
そこJOSHに聞いてみましたが、やはりある程度の「塩加減」To do or not to do みたいな事は必要だと言っていました。そりゃそうだよね。
しかし一旦はケミカルな農地開発や人為的合理的な耕作でダメになってしまった土地を
豊かな自然に戻すための試みとしては、自然の動きや流れを観察しながら穏やかに世界を元に戻すと言う考え方には、とにかくその状態を私たちも見守って行けたらと思う次第です。
コキジバトの鳴き声を聞きたい...
この後の 上記にあるダイバー
Divers habitats とは? なども、追って、講演会でお伝えしていきたいと思います。
故に、ツアーののっけから訪問した最先端。
整った庭、フラワーガーデンを見学に来たわけではないのですが、あらかじめの認識なしに受け入れにくい面もあったかもしれない。
2012年開催、13年前のピート・アウドルフさんのご自宅訪問の際、6月の庭、夏はまだ。ほとんどグラスだけだった景色に対し、
私自身は、とても興奮していたのですが、このどこが美しいのか質問してくださった方があり
私が、ピート・アウドルフさんやダッチムーブメントについて、事前にちゃんと説明をしていなかったのには今も反省があります。
あの頃はピート・アウドルフさんがまだあまり有名ではなかったのと、
ナチュラリスティックガーデンへの見識も広まっていなかった。
なので、私は今もその質問に本当に感謝すると同時に今、私たちが何を学ぶべきかをあらかじめ
お伝えしておかなくてはならない。今回もそれできていたかなぁ..微妙なのですが。
いよいよジョシュの案内でガーデンへ この中の植栽設計はもちろんトム・スチュワート・スミス
ヘッドガーデナーはトム・スチュワート・スミスのところで働いていたチャーリー・ハーパー
(この日は、彼の代わりにジョシがずっと案内役)
かつてクロッケーの芝生だったウォールドガーデンに、砕いた建築廃材(コンクリート)を何トンも投入し、隆起と窪みのある立体的な表面を作り出した。高いところは乾燥好む植物のパラダイス、低いところは湿地 No Dig.建築廃材を重ねていったそうだ。
廃材の粉砕を、ボランティアの人たちが..。
と説明を受けて
え?トンカチとかで割ったの?
私のとんちんかんな質問。あはは!
クラッシャー機械があるのですって。いいなそれ。
コンクリートの建築廃材で庭を作るのは、実に魅力的なアイディア。
ガビオンの中に入った資材を見せてくれるジョシュの手。これがガーデンの基礎に。
この新しい景観の多様な土壌条件と様々な側面は、多種多様な植物群落を育んで行った。
地球温暖化と持続可能性を考慮し、最小限の水と肥沃度で生育できる能力を持つ900種近くの植物を植栽
高低差をつけた地面で、マイクロクライメートを作り出し
まず植物が根付く機会を与えること。これを講座の中で説明を受けてのちにガーデンを歩きましたが、まさになるほど。
最初からこうだったわけではないけれど、今、植物が美しく育つ姿は、やはりワイルドなバイブレーション!
つまり、優勢な植物を監視し、必要に応じて間引きを行うということ。これにはアーティスティックセンスが必要ね。
冬の写真は講座で拝見。
しかし、一旦土台ができたら 彼らはさらに一歩踏み出し、在来植物が自生して複雑さを増していくのを許す。
代々木公園の宿根草の庭づくりでも土壌環境の微生物調査や改良案などは進めていますが、庭を作る上で、今、一番大切なのがここから始まること。
なんと、トピアリーの形(そのク写真はなくてごめんなさい)は、野生馬がその樹木を食べた後のデザインを真似て作っている。それをトムがハサミでそんな形を作り込む。
実際に、城の壁を這うツルバラを野生馬が食べるのを許している。Wow!
可能な限り、自然の成り行きに任せ、勝者と敗者を受け入れ、終わりのない、常に進化し続ける庭園の万華鏡のような世界を創造して行く
現在、この庭園で得た教訓を活かし、ネップ・ワイルドランド財団として、サセックス州全域の自然再生を活性化し、生物多様性危機の回復に貢献する
土地管理者、対話パートナー、政府、そして地域社会と協力し、特に次世代に焦点を当てながら彼らの景観と種の回復を支援して行く
ウォールドガーデンの外に放たれた野牛やノブタを実際に見ることはできなかったが、ジョシの説明で野性的なフローラ&ファウナの復活を学んだ 絶対にもう一度行きたい。そして今日本のガーデナーたちこれを見せたい。
しかし、この講座、もう一回聞かないと。
ぜひ次の機会にもう一度。
今イギリスで最も行くべきガーデン
この再生の物語が描かれた「英国貴族、領地を野生に戻す(築地書館刊)」
Knepp のREWILDING のドキュメンタリーを実際に持参されていた参加者の方がいらした。
この本はものすごく分厚くて、字が小さくて。あぁでも旅行にお持ちになるなんて、凄いです。心から尊敬します
なんてすばらしい! 意識の高い参加者さんが多く、野鳥に詳しい方だったり、本当にためになります!
私この本は積み読中、今度は読破してからもう一度訪ねたい。
今1番行くべきイギリスの庭。
広い敷地内に素敵なカフェレストランもあり。美味しい野菜たっぷりのオーガニックフードをいただきました。
Knepp の訪問。ぜひ、イギリスの庭の旅に加えてみてください。
その際は、本当に美しい世界でしたが、花見が目的の旅ではなく、これからの私たちが住む世界が、
どうあるべきか。私たちの自然との協調の仕方を再度考え直す意味で。
この空気を少しでも...自分の心や体に染み込ませて、何か少しでも、ここに近づけるだけのヒントが得られたら....と思いました。
さてこのたびここに書いているようなことやツアーの報告や最新イングリッシュガーデン事情は
7月12日 黒姫高原の講演会、7月18日19日 中之条ガーデンズでの講演会
7月25日 八ヶ岳 (近日インスタグラムにて)での講演会でも詳しい講座を開催予定です。
これからしっかりとまとめに入ります!
詳しく描きたいのはKneppだけではありませんが..
ワイルドで、洗練されたグランピング施設もあって惹かれるけれど...
こんな体験。早朝におそらく様々な野生動物の声が聞こえるでしょうか。
https://knepp.co.uk/knepp-estate/
美しい画像の youtube .....日本語字幕設定できます。日本語でも難しい解釈がありますが、ぜひ!
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