難易度★★

アスパラガスは、若芽をいただく野菜です。しっかり太い若芽を出すには、しっかりとした根を育てる事が大切です。根株に栄養を送る葉っぱに光合成をしてもらって根に栄養を蓄えさせる事が大切です。家庭菜園で育てる野菜と言えば、春夏野菜、秋冬野菜など数ヶ月でサイクルで寿命を迎える野菜が多い中、アスパラガスは１０年もの長い期間にわたって育て続ける多年草です。ですので、長期で育てる事を前提に、日当たりと水はけの良い場所を確保する事がとても大事です。また種や小さな根株から育てると他の野菜と違って収穫まで数年を要するのも特徴です。

種から栽培すると収穫まで3年程かかるので、多くは根株を植える事が多いです。根株も大きさによって値段が違います。小さいものに比べると高価ですが、大苗は初年度から収穫が可能です。小さな苗は１〜２年すると同じように収穫できます。株は１０年程にわたって長期で栽培可能で、収穫後の葉は背丈くらいに成長します。それを見越して広く日当たりと水はけの良い場所を選びましょう。根は旺盛に伸びるので、３０〜４０センチの深さと根株を広げて植えられる幅の広さを掘り、堆肥と肥料をしっかりすき込んでおきます。植え付ける際には、根株を四方に広げ、上部５センチほど土がかぶるように植え付けます。鉢植え栽培する時は、根株がしっかりと広げられるくらいの大きな鉢と、深さも必要になります。最低でも１０号以上の鉢を選びます。また、１つの鉢に一株植えます。大きな根株は晩秋には出回り始めるので、翌春に向けてその時期に植え付けるのがベストです。

比較的小さめの根株を植えた場合、初年度の収穫は諦めて、その年は葉を茂らせて根株の成長に備えましょう。種から育てる場合は、３〜４月に種まきをして、徐々に大きく育てます。畑に植え付けるの１年後の春。畑に植え付け、その年、翌年に出てくる芽は株に栄養を蓄えるためにも収穫をせずに葉を育てます。５月以降ぐんぐん葉が茂ってくるので、肥料と土寄せを行います。水はけの良い環境を好むアスパラガス ですが、真夏の乾燥は苦手です。ワラなどのマルチングを株元に敷いて真夏の乾燥を防ぎます。また葉っぱはどんどん背丈が高くなり倒れやすくなるので、植え付けた周りに支柱を立てて、紐で囲って倒れないように管理します。その後、秋になると葉が徐々に黄色くなり、枯れてきます。晩秋には地際でバッサリカットして、翌年に備えて堆肥と肥料を混ぜた土をかぶせて防寒対策をしておきます。冬の寒さに備えてワラなどで改めてマルチングをするとさらに良いでしょう。翌春に芽が出る直前にそれらの土を少し取り除いてあげましょう。

アスパラガスは極度に乾燥すると成長も悪くなります。特に鉢植え栽培では水が切れやすいので、鉢が乾燥したらたっぷりの水やりを心がけましょう。乾燥防止にマルチングが効果的です。また、しっかりした葉を育てるために肥料も必要です。特にアスパラは肥料を好む野菜で、肥料が足りないと良い芽が収穫できないので注意します。５〜９月の成長期に肥料が切れないよう定期的に与えます。鉢植えの場合も、液肥や化成肥料を成長期に定期的に与えます。冬に土寄せする際に堆肥や油粕などを一緒にすき込み土寄せします。春先芽出しのための追肥も行います。

真夏の成長期に葉が枯れたようになる茎枯病が大敵です。おかしな葉を見つけたらすぐに切り取って処分します。また殺菌剤などの薬剤散布を行うのも効果的です。また成長期にヨトウムシやオオタバコガの幼虫に葉を食べられる事があります。大量発生して手がつけられなくなる前に見つけ次第捕殺します。秋に刈り取った地上部の葉っぱから病気に感染する事が多いので、切り取った葉は畑に放置せずに処分します。

アスパラガスは定番の緑の他に、ホワイトアスパラガス 、紫アスパラガスなどがあります。ホワイトアスパラガスは軟白栽培という方法によってできるアスパラガスです。遮光フィルムなどを使用して日が当たらない事で白く育てます。家庭菜園でも、芽が出始めたらバケツなどをかぶせて日が当たらないようにしておくと、プロのようにはいかないかもしれませんが、白いアスパラガスが収穫できます。白いアスパラガスは痛みも早く出回る機会が少ないので、特別なアスパラガスの採れたてが楽しめるのも家庭菜園の醍醐味かもしれません。紫アスパラガスは、芽がきれいな紫色です。収穫して湯がくと緑になります。ミニアスパラガスは緑のアスパラガスを早採りしたものをいいます。栽培に慣れてきたら色々試して見るのも楽しいですね。

アスパラガスは小指から人差し指ほどの芽が２０〜３０センチ伸びたところで地際をハサミでカットします。しっかりと太く育った若芽を収穫したのち、細い芽が出てきたら収穫は終了。その芽は根の成長のためにそのままにして育てます。収穫後最低でも１０本くらいの葉が残るよう、取りすぎには注意します。根がぐんぐんと成長するので、畑では１０年ほど栽培可能ですが、鉢植えは２〜３年おきに根詰まりする前にリフレッシュさせましょう。株分けする適期は冬地上部がなくなってからが失敗も少なくおすすめです。ただし５〜６月、９月下旬以降でも可能です。畑で株分けした根株は、最低でも３０センチの間隔を開けて植え付けます。

確かに雌雄異株です。メスには赤い実がつきます。オス株の方が収量が多いと言われており、多く出回っているのはオス株の交配種が主流となっているようです。売られている根株の状態では雌雄の差が判別できないのですが、花が咲いて実がなるかで判別できます。

春の採れたての甘いアスパラガスを食べたら、きっと一年通して世話した甲斐があったと思うでしょう。アスパラガスはその他の野菜に比べてずば抜けて鮮度の落ちる速度が速い野菜と言われています。ですので、その採れたてを味わえる自家製アスパラガスはある意味とても貴重や野菜と言えます。

アスパラガスは芽が出始めると、２〜３日であっという間に採りどきになります。放っておくとあっという間に敵期を逃して硬くなってしまうので、美味しい柔らかい芽をいただくためにも、芽が動き始めたら毎日チェックすると良いでしょう。逆に、その採れたてアスパラガスを味わえば、きっと毎日チェックせずにはいられなくなる？かもしれませんね。さあ、春の採れたてアスパラガス、その喜びを是非楽しんでみてはいかがですか？