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アイビーというのは英語名で、実際の学名はへデラと言います。最も多く見かけるへデラ　ヘリックスは、別名セイヨウキヅタやイングリッシュアイビーとも呼ばれます。へデラ　ヘリックスにはたくさんの園芸品種があり、それぞれ葉に入る模様や形が少しずつ違います。常緑性で一年を通して緑の葉を楽しめ、つる性で壁やフェンス、ワイヤーなどにつるを絡ませて生長します。日陰や潮風にも強く、幅広い環境下で育てる事ができ、初心者にもおすすめの育てやすい植物です。園芸センターから百円ショップなど、比較的簡単に手に入れる事ができます。

アイビーは基本的に寒さや暑さに強いので、植える時期はあまり選びません。ただし、真夏や真冬など過酷な状況下はなるべく避けて、生長期の春や秋など気温が落ち着いた季節に植え付けます。気をつけたいのは、真冬に購入した場合。インテリアプランツとして出回っている苗は温室などで管理されていますので、冬の寒い時期にいきなり屋外に出すと枯れてしまいます。真冬に購入した苗は、春まで室内で管理して屋外に植えるのは春まで待つか、徐々に温度に慣らしていきましょう。春、秋の時期には、挿し木も簡単にできます。切った枝先を水に生けておくと、簡単に根っこが生えてきます。（水に浸かる部分の葉っぱは取り除きます。）ある程度根が出てきたら、土に植えてあげましょう。

アイビーはつる性の植物なので、自然と下に垂れ下がったり、逆に品種によっては何かをつたって上に登っていきます。多く出回るへデラ　ヘリックスは縁（フチ）を隠す素材として、花壇や鉢植えの手前に植えます。もしくはハンギング鉢にそれのみを植えて、つるがフワッと下がる様子を楽しむのもいいですね。卓上で小さな苗をインテリアプランツとして楽しむ場合は、ハイドロカルチャーがおすすめ。ハイドロボールという高温で焼いた粒を土替わりに使用する方法です。そのボールは無菌で清潔なので、安心して卓上プランツとして楽しめます。ただし、水が常にたまったような状況になると根腐れするので気をつけます。地植えにする場合には、根付くと手におえない程繁殖する可能性も。色々な種類の植物と混植すると、絡んでしまうので生長した後の事も想像しながら植える場所を決めましょう。花壇の縁に植える場合は、年数が経つと木質化してくるので、こまめに切り戻したり、ある程度茎が古くなった時には、新しい株に替えてリフレッシュさせましょう。

アイビーは基本的にその他の植物に比べて肥料を多く欲しがる植物ではありません。ですが、鉢植えの場合は肥料が流れ出しやすいので、春から秋の成長期間に様子を見ながら適宜あげるといいでしょう。肥料が足りなくなると葉っぱが黄色に変色し始めます。そうなった場合は、即効性のある液肥をあげます。

アイビーは屋外栽培はとても簡単ですが、室内で蒸れて風通しが悪いような状況にあると害虫や病気になりやすい植物です。特に室内インテリアとして育てる場合、どうしてもカイガラムシやハダニがつきやすくなります。室内管理の場合は、時々霧吹きをかけたり、窓を空けて外の心地よい風に当ててあげると良いでしょう。また時折屋外に出してあげてシャワー状の水をかけて、葉っぱについた埃などを流してあげるのも効果的です。

多く出回るへデラ　ヘリックスには多くの園芸品種があります。葉の中心部が黄色のゴールドハート、逆に葉の外側にかけて黄色の縁が入るゴールデンスターやゴールドチャイルド、外側に白い縁模様が入るグレイシャー、生長が早くたくさん枝分かれするのでトピアリーにおすすめのピッツバーグ、小さな葉っぱが可愛らしいグリーンフェザーなど様々です。これらはよく出回って入手しやすい品種です。他にも、葉が丸みを帯びて特徴的な形のダックフット、ライムグリーンの葉色が美しく、少しほっそりした形が印象的なシャムロックなどもあります。へデラ　ヘリックスよりも葉が大きく公共の庭によく使われているのが、へデラ　カナリエンシス、別名オカメヅタです。これは、個人邸のお庭よりは公共の広い場所向きです。丸みのある葉を持つへデラ　コルシカはつるから多くの根を出して壁などを登っていきます。日本の山野でも見かけるへデラ　ロンベアは別名ジャパニーズアイビーと呼ばれ、日本や朝鮮半島、台湾などにも自生しています。株が成熟するにつれて葉の切れ込みがなくなり細長い葉っぱのようになっていきます。

アイビーは半日陰環境（全くの日陰では上手く育ちません）でも育つ、とても強い性質を持っています。逆に真夏の強すぎる西日に長時間当たり続けると、葉焼けを起こしてしまします。午前中には日が当たり、午後には直射日光を避けた木漏れ日が当たるような場所がベストです。室内インテリアとして楽しむ時は、真夏の直射日光に気をつけ、夏場はレースのカーテン越しに置いてあげましょう。特に黄色や白の模様の入った品種は、強すぎる日差しに弱い傾向があるので、置き場所には注意します。

特に斑入りと言って模様の入る品種は直射日光に弱い性質があります。長期間日差しの強すぎる環境に置かれた斑入り品種は、葉色が薄くなり、みすぼらしくなってしまいます。午後には木漏れ日が当たるくらいの環境に移動してあげて、様子を見てください。また一旦汚くなった葉は戻りませんので、ある程度の長さを残して剪定し、新しい新芽をふかします。（大胆に切り詰める場合は春か秋に。それから葉っぱが全てなくなるほど切らないように）

主役にも脇役にもなれる万能植物アイビー。一言にアイビーと言ってもバラエティー豊かで、葉の大きさ、模様の入りかた、微妙な形の違いなど、本当に様々な品種があります。

成長が早く、常緑性で、基本的にお日様は好きですが、強すぎる日差しは好みません。地植えにするとどんどん成長するので、成長を見越した計画がとても大事です。室内インテリアとして楽しむ事ももちろんできますが、風通しが悪いような環境では病害虫の被害に遭いやすくなります。屋外の空気や風にたまには当ててあげると良いでしょう。地味な存在ですが、品種も多く奥の深い植物。気に入った模様の品種を見つけて、育ててみても楽しいですね。