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一般的にカランコエとして多く認知されているのは、マダガスカル原産のカランコエ・ブロスフェルディアナを元に、ドイツで多くの園芸品種が育種されたものです。晩冬から春にかけて、小さな小花がまとまって咲き、華やかでありながらも可愛らしい印象の植物。花のまだ少ない晩冬から初春にかけて園芸店で鉢花が多く出回ります。他の多肉植物同様、乾燥には強く、日当たりを好みます。インドアプランツとして出回る事もありますが、基本的に暖かい時期は屋外で管理し、冬は室内に取り込んで管理をするのがおすすめです。

日当たりが大好きな植物ですが、真夏の直射日光に終日あたり続けると、葉焼けを起こします。真夏は午前中は日にあたり午後は木漏れ日になるような環境など強い西日を避けた場所に置くのがベストです。春から秋にかけては屋外でお日様と心地よい風の当たる環境で育てると、しっかり枝葉のしまった良い株に成長します。逆に一年中室内で栽培した場合、茎がヒョロヒョロと伸びて貧弱に育ってしまうので、暖かい時期は屋外で育てるのがおすすめです。冬は５度以下になると休眠状態になり、それ以下の温度下に置いていると傷んで枯れてしまいます。遅くとも冬の初めには室内に取り込んで、できれば１０度くらいの温度を保てる環境においてあげると、花つきも良いでしょう。また多湿環境はかなり苦手なので、雨の多く降る梅雨時期には、屋外でも軒下など雨が当たり続けない環境で管理をします。

とても簡単に増やすことができる植物です。葉や枝をもぎ取って土に転がしておくだけで、しばらくすると根っこが出てきます。ただし、そのまま萎れてしまい失敗することも多いので、葉の切り口を浸る程度の水に付けておくと、より発根も早く失敗も少ないでしょう。水苔やスポンジなどを湿らせて、切り取った葉の切り口が湿るように挿しておく方法でも良いでしょう。水にどっぷり付けずに切り口部分を湿らせておくのがポイントです。根っこが出てきたら、小さな鉢にサボテン用の土、もしくは培養土に半分ほど赤玉土を混ぜて排水を良くした用土に植え付けます。その際、大きすぎる鉢ではなく、小さな鉢から栽培をスタートしましょう。カランコエ自体が順調に育ってきたら、株の大きさに合わせて鉢も少しずつ大きくして育てる事で根腐れを防ぎます。

多肉植物の仲間なので、乾燥に強いのが特徴です。ですので、水のあげすぎにならないよう注意します。春〜秋の成長期には定期的に肥料を施して、水やりもしっかり乾いてから、たっぷりあげるようにします。ただし、真夏は成長が鈍るので、肥料は控えめにします。秋に気温が徐々に下がってきたら、春と同じように肥料を施し、水やりは少しずつそれ以前よりも乾かし気味に育てます。真冬の水やりは少なめを心がけます。

成長期は基本的に屋外で育てます。室内栽培は、どうしても日照が確保しづらく風通しも悪いのでヒョヒョロと育ち、葉に白い粉のつくうどん粉病や、葉や茎に茶色や白のロウ状の粒々が付くカイガラムシが発生したり、細かい蜘蛛の巣が張ったようになったり、葉が黄色く煤けたようになるハダニの被害にもあいやすくなります。それらの状況を見つけたらすぐに取り除くことで被害を蔓延させないようにします。また極度な低温環境に置いたり、水のあげすぎにより根腐れして腐ってしまう事もあります。温度そして水のあげ過ぎには十分注意しましょう。

花が終わりに近づくと花びらが茶色っぽくなってきます。順次、花をがらこまめに取り除いてあげましょう。ハサミでカットしても良いし、手でもぎ取ることもできます。花が終わった5月頃、鉢が窮屈なようであれば植え替えを行います。草丈を半分から3分の１程切り詰めて、根鉢を少しほぐしたのちに、ひとまわり大きな鉢に新しい用土を入れて植えます。サボテンや多肉植物用の土、もしくは培養土に赤玉土や鹿沼土など水はけの良い土を半分ほど混ぜたものを使います。植え替えは、大体１〜２年に１回を目安に行います。植え替え時期は春を逃したら、夏の暑さが落ち着いた9月も可能です。植え替え直後はたっぷりと水をやって明るい木陰環境で１週間ほど様子を見てから、その後日当たりの良い場所に移動します。

カランコエは短日性のある植物と言われています。つまり日照が短くなるのを植物が感じて花芽をつける性質を持つ植物という事です。本来であれば、日の短くなる秋から冬にかけて花芽が形成され、2月くらいから花を咲かせ始めます。意図的に暗い時間を作る「短日処理」をする事で、秋の早いうちから花を咲かせる事も可能です。1日の日照時間が１２時間を下回る状況をある一定期間経験させる事で、花芽を付け始めます。秋の早いうちに、夕方から段ボールなどをかぶせて、暗い環境を作ります。翌朝にはそれを外すという作業を３０〜４０日経験させます。蕾が確認できたら、短日処理を終了します。

花が咲くためには、短日つまり日が短くなる環境下にある一定期間おく事が重要です。もしかしたら秋も早めに室内に入れて、夜も電気がついた明るい環境にあったのではないでしょうか？もしリビングなど夜も明るい場所に置くようであれば、夕方から段ボールで覆いをするなどして短日環境を作ってあげると良いでしょう。詳しくは短日処理の項目を読んでみて下さい。

とても育てやすく可愛い花を咲かせる多肉植物、カランコエ。水のやりすぎに注意して、冬室内に取り込めさえすれば比較的簡単に毎年花を楽しむことができる植物です。

他にもシルバーリーフに桃色の小さな花が魅力的なカランコエ プミラも人気の品種の１つです。他にはベル型の花を咲かせるウエンディーは、その他のカランコエ とはまた違った雰囲気をもつ美しい品種の１つです。色々な品種を育ててみるのもまた楽しいですね。　そして、カランコエには「幸福を告げる」と言う素敵な花言葉があります。一説にはベル型品種の花を幸せを呼ぶベルに例えたり、一重品種の小さな星型をした花の形から来ているとか。素敵な花言葉を添えて、プレゼントにもおすすめの花です。