難易度★★

鍋物や漬物でお馴染みの白菜。葉が何十枚も重なるように球結したものが一般的ですが、半球結タイプや不球結タイプもあります。家庭菜園では、多くが夏の暑さが落ち着いた頃に種まき、もしくは夏の終わりから秋にかけて出回る苗から栽培をスタートするのがオススメです。白菜栽培は、育て始める時期が肝心です。冬に突入する前、温度のあるうちにい葉っぱをしっかり成長させておく事がとても大切です。ですが、早く蒔きすぎると病気や害虫被害に遭いやすく、逆に遅すぎるとしっかり葉っぱが育ちません。そのため、白菜栽培は、それぞれの品種に適した育て始める時期の見極めが重要になります。日当たりがよく、通気性、水はけの良い環境を好みます。

種播きからスタートする場合、セルトレイや育苗箱、９センチポリポットなどで本葉４〜５枚になるまで育ててから、畑やプランターに植えた方が失敗が少ないです。初心者は苗を購入して栽培する方法がオススメです。年内収穫を目指す場合は、早生品種、年を超えて年明け２月頃までの収穫を目指す場合はとう立ちがしにくい中生、晩生種を選びます。種から育てる場合も、苗から育てる場合も栽培初期はまだ害虫の被害に遭いやすい時期です。成長点をかじられてしまうと、その後うまく成長しないので、小さな苗のうちは害虫にかじられないよう、寒冷紗や防虫ネットをかぶせて虫に食べられないようにします。畑に植える場合には、あらかじめ１週間前までには堆肥と肥料、石灰をすき込んで畝を作っておきます。鉢植えにする場合は、野菜用の土を用意しましょう。植え付け間隔は４０〜５０センチ程、ミニ品種は15センチ程の間隔を確保します。苗を植え付ける際は、深植えにならないよう注意します。

白菜栽培で肥料は欠かせません。まずは植え付け時の土には必ず肥料をすき込んでおきます。その後、植え付け後２週間後に１回目の追肥を施します。その後葉が１５〜２０枚ほどした時に球結を始めるのでそのタイミングで２回目を施します。中生、晩生種は球結して２〜３週間後に再度肥料を施します。肥料をあげるときは、葉っぱにかかると取り除くのがとても大変で、また肥料が残った部分が痛むので、土に直接撒いて、その周りの土を少し引っ掻くようにして耕し柔らかくしてあげます。それを、中耕と言います。中耕する事で、土中に酸素が供給されて、より根の成長がよくなります。合わせて株元がぐらつくようであれば土を寄せてあげます。ただし、球結以降は根っこを痛めてしまう恐れがあるので、中耕・土寄せするのは避けましょう。

水やりは乾くようだったらたっぷりと与えます。特に葉が巻き始める頃には水を欲しがるので、乾燥しすぎにならないよう注意します。とは言えども、水のやりすぎは良くありません。水をやりすぎて加湿状態が続くと根腐れしたり、病気が発生しやすくなります。あげすぎにならないようにも注意します。

加湿になると、カビが原因で葉に茶褐色の模様が出るベト病、細菌の影響で株の根元が茶色いシミのようになり、被害が広がると悪臭を放つ軟腐病が発生しやすくなります。病気を発生させないためにも加湿を避ける事、それから連作しても病気が出やすくなるので一度アブラナ科を育てた場所は２年ほどあけるようにします。病気が発生したら、その部分を取り除く、もしくは病気の進行具合によっては他の株に感染しないようその株ごと引き抜いて対処します。またアオムシ、コナガ、ヨトウムシ、ダイコンハムシなどの食害にも気を付けます。栽培初期は防虫ネットで予防をする事で大幅にそれらの被害を防げます。

たくさんの品種があり、早生、中生、晩生種があります。中には４５〜５０日で収穫できる極早生品種などもあります。プランター栽培の場合は、場所を取らない早生ミニ品種がオススメです。植え付け間隔も大きな品種に比べて狭くて済むので、プランンターや場所があまり確保できない方は早生品種を選ぶと良いでしょう。他にも白菜に多くある根こぶ病やウイルス病、軟腐病に強い品種や、低温でも肥大しやすい品種、食味や味にこだわった品種、柔らかさが売りの品種、中央の芯の部分が特に美しい黄色になる品種など、本当に多くの品種が作られています。白菜栽培初心者はこのような病気関連に強い品種をまずは選ぶと、失敗も少なく良いでしょう。中生種や晩生種は大きく成長し、年を越して寒さに当たる事でより甘みを増して美味しくなります。ずっしり重く大きな甘い白菜を収穫したい人は、迷わず中生〜晩生品種がオススメです。

白菜の上部を押してみて、しっかり葉がしまっているようなら収穫適期です。また栽培品種によって収穫までの日数が書いてあったりするので、それも参考にしましょう。白菜を横に倒して、根元の茎部分を包丁などナイフで切り取って収穫します。中生種、晩生種を育てた場合は、植えたまま寒い冬を超す事ができます。１２月には白菜を紐でぐるりと縛って、霜などで葉が痛まないように冬支度をしておきます。そうする事で、１〜２月くらいまで雪が降って周りの葉っぱがいたんでも中はみずみずしいまま美味しい白菜を保存する事ができます。

植え付け時期が遅いと球結しません。白菜はいきなり球結するのではなく、初め外葉を育てて、それがある程度大きく１５枚ほど育つと、自然に球結していきます。ですので、寒さが来る前にこの外葉をしっかり成長させておくのが栽培成功の秘訣です。後もう１つ考えられるのは肥料が足りなかったのかもしれません。温度のある時期にしっかり育つために植え付け時、それから外葉成長中、球結する頃と追肥をする事がとても重要です。参考にして来年是非またチャレンジしてみて下さい！

白菜栽培は、秋の温度があるうちにしっかり成長させて球結させるのがポイント。植え付け時期をしっかり見極めて、特に成長初期に病害虫被害を防ぐ工夫、そして成長に必要な肥料がとても大切になってきます。

もし、球結しなくてもがっかりしないで下さい。春先に葉の隙間からとう立ちした花芽が次々に上がってきます。白菜は菜の花と同じくアブラナ科。花が咲くと、他のアブラナ科同様同じような花菜が上がってきます。これはスーパーなどでもあまり出回らないので、育てたからこそのご褒美。お浸しや炒め物にとても美味しくいただけますよ。そして、来年こそは、球結を目指して頑張ってみてくださいね。