難易度★★

南アフリカ原産の多年草。３〜５月の春先と、9月の秋の始めに、苗や花鉢が多く出回ります。ハウスの中などの環境で売られている事も多いので、つい観葉植物のように室内に飾る方もいるかもしれませんが、基本的には屋外で管理します。
湿気に弱く、日本の高温多湿環境は少し苦手です。背丈が小さく１５センチ程度のミニ品種は鉢植え栽培が基本です。
草丈が３０〜４０センチの宿根ガーベラは耐寒性に優れ、屋外越冬も可能です。この品種は花壇など庭に植えて楽しむこともできます。
花色は白、クリーム色、黄色、赤、マゼンタ、薄ピンク、アプリコット、オレンジなどカラフルでポップな花色が魅力です。

日当たりが大好きなので、南側の日当たりの良い屋外で育てます。ただし、真夏の西日に当たり続けると葉焼けしたり弱ることがあります。
真夏は午後少し木陰になるような場所に移動したり、寒冷紗をかけて少し遮光してあげるぐらいがちょうど良いです。ミニ品種は冬は凍結させないよう、軒下や室内に取り込みます。
おおよそ５度で成長が止まり、０度で地上部が枯れて休眠状態になると言われています。宿根種は−５度まで耐えると言われています。
庭で越冬も可能です。ミニ品種に比べて根の張りが特に良いので、鉢植え栽培する時は、大きめの鉢に植え、毎年植え替えをします。

次々上がってくる蕾を咲かせるためにも、終わりかけの花がらをとってあげるのはとても大切です。中央の目のようになっている黒や黄緑の中央部分が見えなくなってきたら、満開の証拠です。
少し枯れるのを待つよりは満開を少し過ぎたくらいで花を取って、切花にして楽しむのも良いでしょう。花の根元をつまんで少し倒すようにするとポキっと根元からおることができます。
ハサミで途中から切ってしまうと、残った茎がその後の水やりで腐ったり病気の原因になったりするので、必ず手で折って取るようにします。
折り取った花は、切花の水の吸い上げが良いようにハサミでキレイに切り口をカットしてあげると花持ちが良くなります。また黄色くなった葉も、随時取り除いてあげます。

しっかり乾いてから水をやります。少し葉がしなっとなってからあげるくらいでも大丈夫です。水をあげるときは鉢底から水が出るくらいたっぷりあげます。またミニ品種は少しデリケートで花や葉に向かって上から水をかけてしまうと、花が傷んだりするので、葉をめくって土に直接あげるようにします。
肥料は真夏を除いて成長期は定期的にあげます。鉢植えの場合、株の根元ではなく、鉢の縁に肥料をおきます。

蒸れたり、排水や風通しが悪くなると病気が出やすくなります。葉が白い粉を吹いたようになるうどん粉病は、特に発生しやすい病気の１つです。
他にも温度が上がってくると、灰色かび病や炭疽病などカビ菌による病気も発生しやすくなります。
また、ベランダなど雨の当たらない環境下では、オンシツコナラジラミという小さな白い虫が集団でつくことがあります。少し強めの水で洗い流したり、初期には薬剤散布も効果的です。
他にもハダニやハモグリバエなど、葉っぱが白っぽく煤けたり、白い筋が出たりおかしな症状が現れたら、すぐに取り除き広がらないように心がけます。

よく花屋さんで見かける花鉢は小型品種で、草丈も１５センチ程、小輪から中輪の花を咲かせます。これらは、ミニ品種、矮性種などとも呼ばれ、基本的には鉢植えで育てます。
花壇で楽しめるタイプのガーベラもあり、宿根種、ガーデンガーベラと呼ばれ大別されています。こちらは花も大きく草丈も３０〜４０センチ程になります。
３〜11月、気候によっては12月までまで花を楽しめ、耐暑性、耐寒性、病害虫にも強くとても育てやすく使いやすいガーベラです。
冬は掘り上げずに植えっぱなしで大丈夫です。庭植えしたい場合は、この宿根種を選ぶと良いでしょう。

花が咲く前の春、もしくは一旦花が咲き終わって暑さが落ち着いた秋に植え替えを行います。できれば毎年植え替えをしてあげると根詰まりせずおすすめです。
植え替えの際に、鉢増しして大きな株に育てるか、もしくは株分けをします。根鉢を取り出して、それぞれ最低でも芽数を３〜４芽残しして株を分けます。
手でほぐすようにすると無理なく分けられますが、根がすでにガチガチに絡まってしまっている場合は、ハサミも利用します。
培養土に、排水性を高めるために小玉の赤玉土やパーライト を少し混ぜたものを用土に使います。植え付ける時には緩効性肥料も合わせて混ぜておきましょう。
地植えの宿根ガーベラも、数年に１度は株分けすることで株をリフレッシュさせます。そうする事で、花つきが良くなります。

まずは日当たりの良い場所での管理が前提です。そして肥料はあげているとの事。通常窒素：リン酸：カリのバランスが肥料袋に書いてありますが、１０：１０：１０など均等に配合されたものを使えば問題ありません。
ですが、窒素分が多いものを特に夏に与えた場合、葉ばかり茂って花がつかない事があります。真夏は基本的には温度が高すぎて花つきが悪くなるので、肥料が効きすぎないよう、肥料の効く期間を確認して（肥料袋に書いてあります）コントロールしてあげると良いです。
もしくは真夏、少し涼しい環境下において花が咲き続けるのであれば、肥料は継続的に効くようにします。

うまく育てると、春と秋に次々と花が上がってきて長い期間花を楽しむ事ができるガーベラ。元々アフリカ原産という事もあり、日本の高温多湿に弱いので、それを念頭に特に梅雨時期に風通しよく、水はけよく管理してあげると良いでしょう。

最も多く出回る小型品種は、冬霜に当てないのがポイントです。軒下などで管理して霜で凍ってしまう事がなければ、地上部が枯れてもまた春に新しい葉っぱが吹いてきます。
少し難しいですが真冬でも室内に取り込んで１０度をキープすれば、継続してさらに長い期間花を楽しむ事も可能です。
初心者はより耐寒、耐暑性があり、病害虫にも強い宿根ガーベラの栽培からスタートすると良いでしょう。