難易度★★
種まき8月下旬〜9月中旬　収穫10月下旬〜12月

ブロッコリーは、ある程度株が成長した時に、一定期間の低温に会う事で花芽をつける植物です。種類によって低温条件の違いがありますが、大事な事は、花芽分化（蕾ができる事）するための低温期に入る前に、しっかりとした株に成長させておく事です。つまり、育て始める時期を逃さない事が成功への鍵になります。様々な品種がありますが早生種、中生種、晩成種の大きく分けると3つに分けられます。栽培期間は90〜200日程度と種類によってかなり差があります。種から育てる場合は春まき（２月に種をまき、5−6月に収穫）、もしくは夏まき（7−8月に種をまき、10月以降翌年にかけて収穫）が適しています。種から育てるときには、必ず時期にあった種類を選ぶ事が大切です。種袋の裏に時期などの情報が書いてあるので、参考にしましょう。園芸初心者さんや始めて育てる人は、夏の終わりから出回る苗を購入して育てる事をおすすめします。

まだ夏の暑さの残る8月後半、園芸店にたくさんの苗が出回り始めます。ブロッコリー栽培を成功させたければ、8〜9月中旬までには植え付けを終わらせ、寒さがくる前にしっかりと大きな株に育てる事です。しかし、スティックセニョールを代表とする側花蕾（そくからい）を主に収穫する茎ブロッコリーは、もう少し遅く9月後半からギリギリ10月初旬に植えても収穫が楽しめます。しかしこれも遅くなれば株がしっかり育つ前に低温期に突入し、収穫量が減るので気をつけます。

ブロッコリー栽培初心者の中には、とても小さな苗を見て、ついたくさん詰めて植えたくなってしまうかもしれません。ただし大きな蕾を収穫するためにはそれなりに大きな株に成長することを忘れないで下さい。45〜50センチ程の間隔を確保して植えつけます。また日当たりの良い場所に植えるのもとても大切なポイント。必ず終日しっかりと日の当たる水はけの良い環境を選びましょう。畑の場合はしっかりと畝を立てて植えます。（プランター栽培の場合、1苗に1鉢が基本。8〜10号サイズのプランターで育てます。）成長期間が長い野菜のブロッコリー。植え付けの前に、畑であればしっかりと元肥を漉き込み、プランター栽培であれば肥料入りの野菜用培養土に植え付けます。植え付け直後には、ぐらつかないように小さな支柱を立てて、必ず防虫ネットをかけます。比較的大きくなるまでネットの中で育てることを想定し、ネット内のスペースを確保する事も忘れずに。気温が下がってきて、モンシロチョウなど葉を食べる虫たちがいなくなったら、防虫ネットをはずしても大丈夫。ただし、ヒヨドリなど野鳥が葉を食べてしまうようだったら、鳥除けネットを張って防ぎましょう。

ブロッコリー栽培に肥料は欠かせません。植え付け時の元肥はしっかり施します。植え付けから2〜3週間したら1度目、そのさらに3〜4週間後に再度肥料をあげましょう。防虫ネットを外して肥料をあげたら茎元に土を寄せてぐらつきを防ぎます。蕾がつき始めたら肥料は一旦ストップします。頂花蕾の収穫後、脇芽の成長のために再度肥料をあげます。その後は脇芽の成長を見ながら肥料を追加します。水やりは乾いたらたっぷりが基本です。

ブロッコリーはアブラナ科の植物。キャベツ同様、モンシロチョウの幼虫であるアオムシやコナガがつきやすい野菜です。特に小さな苗の成長初期に虫被害に会わないようにするのがポイント。成長点まで食べられるとその後うまく育ちません。無農薬栽培をしたいのであれば、必ず苗を植える時に防虫ネットと、それを支える支柱の購入を忘れずに。またネットをしたからと安心せず、追肥の度にネットをはずしたら葉の裏に虫の卵がないかをチェックしましょう。卵のうちに除去できれば被害に会わずにすみます。

ブロッコリーの頂花蕾が直径10〜15センチほどに成長したら収穫適期です。まだまだ大きくなるといつまでもそのままにしておくと、花が咲き始めて食べどきを逃してしまいます。適度な大きさになり、さらにぎゅっと蕾がしまった状態を目安に収穫します。茎が太いのでナイフや包丁で、できれば朝涼しい時間帯に収穫します。その後は側花蕾の収穫を楽しみましょう。茎ブロッコリー の場合は頂花蕾が500円玉くらいに成長したら収穫し、側花蕾の成長に備えます。

ブロッコリーは様々な品種が売られています。年内に収穫したいのであれば、それに合った早生品種を選び、長く側花蕾を収穫する長期で収穫を楽しめる晩成種を選びます。様々な会社が色々な品種を作っているので、それぞれの特性を見比べて、自分に合った品種を見つけて栽培するといいでしょう。また頂花蕾は小さいうちに収穫して、側花蕾を中心に収穫する茎ブロッコリー や、ケール（アブラナ科で青汁に使用される野菜）との掛け合わせで、葉も収穫できる品種なども出ているので、色々育ててみるのも楽しいですね。

おそらく寒さから身を守るためにアントシアニンが出て、紫がかった色味になったと思われます。寒さに当たる事でより甘味が増しているという利点もあります。これは茹でてしまえばまた緑に戻るので、問題ありません。逆に色変化を楽しんでも良いですね！

ブロッコリー栽培で抑えたいポイントは大きく3つ。植え付けの時期を逃さない事、初期栽培の害虫対策、そして元肥と追肥を忘れない事。まずは一度育てて見て、その立派に育つ姿を実際に体験して見てください。

ブロッコリーは栄養価が高く、特にビタミCが豊富で食物繊維も多く含まれる人気の野菜の１つ。日本では茹でて食べるのが一般的ですが、海外では生でサラダなどにもよく使用されています。生で食べる時にはよく洗ってから小さめにカットして食べるのがおすすめ。茹でた時とは違うコリコリという食感が病みつきになるかもしれません。初期の害虫対策をしっかりすれば、自家製無農薬栽培ブロッコリーも、夢ではありません。さあ、是非トライしてみてはいかがでしょうか？