難易度★★
球根植え10〜11月　開花4〜5月　掘り上げ6月　7〜9月休眠

実の収穫はもちろん、甘くフローラルに香る可愛らしい白い花、黄色の実のなる姿も十分楽しめるレモン栽培。多くの品種が四季咲き性で春から秋にかけて花を咲かせるの特徴です。そのため、実が膨らみ始めた横で花を同時に楽しめるなんて事があったりするのはそのためです。日本で育てる場合は、大抵５〜６月に咲いた花を秋以降に果実として収穫するのが一般的です。鉢植えでも十分に実をならす事が可能ですが、実の数は木の大きさ、すなわち鉢の大きさに比例するので、成長と共に徐々に大きな鉢にしてあげると、よりたくさんの収穫が見込めます。ただし、いきなり大きな鉢に植えるのは避けましょう。鉢の中の土の湿乾のバランスがうまく取れずにうまく育ちません。徐々に大きくしていくのがうまく育てるコツです。

レモンは秋から春に向けて苗木で多く出回ります。寒さに弱いので、少し暖かくなってくる3〜4月に植え付けや植え替え変えます。実のついた苗を購入した場合も、その収穫を楽しんでから翌春植え替えをしましょう。レモンをはじめとする果樹は、実を収穫するために、植える場所選びがとても大切です。まず日当たりが良い事。レモンの収穫期である秋から冬にかけても日当たりの良い場所選びが大切です。そして強風の当たらない所。特にベランダで栽培する場合は風の抜け道になっているような場所は避けましょう。庭に植える場合は、30センチ四方しっかりと掘って堆肥をすき込んで植え込みます。できれば冬のうちに腐葉土と堆肥をすき込んで準備をしてあげると、さらに良いでしょう。鉢植え栽培の場合は2〜3年で植え替えします。

レモンは春に伸びた新芽に翌春実がなると覚えておきましょう。3〜4月に前年実がなった枝や、他と比べて細くひょろっとした枝、枯れ枝、混み合った枝をカットして、木の中まで全体的にしっかり光が当たり、程よく風の通るような状況を作ります。夏以降秋にかけて枝がぐんぐん伸びだしてきますが、これらは果実の収穫には至らない枝なので、付け根から5ミリほど残して残りは随時切り落とします。　レモンは房状に花をさかせ、そのままにしているとたくさんの実がゴロゴロとなり始めます。できれば、より美味しくジューシーな実を収穫するために摘果がおすすめです。8月に中でもより綺麗で大きな実を1枝に1〜2個を残して、その他は取り除く作業をします。（鉢植えの場合は、1枝1個）また夏以降秋にかけても花が咲きますが、日本の気候ではそれらを実らすのは難しいので、すべて取り除きましょう。幼苗を購入した場合は、まずは木をしっかり大きく育てるとが大切です。実がなっても摘果して、2〜3年は木の成長に栄養を回してあげましょう。

レモンは他の果実に比べて、比較的多くの肥料を必要とする木です。これから成長期を迎える直前の２〜３月。花後実が成長してくる６〜７月。暑さが少し落ち着いて、いよいよ実に栄養の欲しい９月。最後は収穫後１１月以降にもう１回あげると良いでしょう。肥料は根の先端から吸い上げるので、木であれば幹元にあげるのではなく、枝葉の先端くらい離れた木の周囲に肥料を漉き込むようにします。水は乾いたらたっぷりあげるのが基本です。鉢植えで育てる場合は、夏場乾燥しやすいので水切れに注意します。特に花が咲いている頃に水を切らすと花が落ちてしまうので、気をつけましょう。

レモンの1番の目立つ食害は重虫による被害です。アゲハチョウが好んで卵を産みつけるので、見つけ次第取り除きます。またカミキリムシ も木の幹に穴を開ける事がありますので、幹まわりに穴があったり木クズがないか日頃から注意して観察しましょう。他にも、葉に絵を描いたような筋のできるミカンハモグリガ、葉や実に茶褐色のボツボツができる、かいよう病はレモンのかかりやすい細菌性の病気の1つです。これら、病気や虫を見つけたらすぐに取り除く事が大切です。状況によっては薬剤なども使用して広がりすぎないよう対策します。真夏の高温乾燥でハダニが発生する事があります。軒下環境や雨の当たりにくい環境下では特に発生しやすいので、時々葉水をやるなど工夫します。

日本で多く育てられているの品種は、比較的寒さに強いリスボンです。元はポルトガル原産で、明治に頃に日本に入ってきました。関東以北で栽培したい人にはこの品種がおすすめです。酸味が強いのが特徴です。カリフォルニアで選抜されたユーレカは、世界的の多くの国で栽培されている品種。耐寒性は弱いですが、果肉は柔らかく、果汁が多く、強い酸味と爽やかな香りが特徴です。ユーレカの選抜種のアンユーレカは実は少し小さめですが、トゲが少なく苦味も少ない品種です。他にもオレンジとの交雑種のマイヤーは中国原産のレモン。トゲが少なく、酸味はマイルドです。このマイヤー系統で日本人の菊池雄二氏により八丈島に持ち込まれ、現地では島レモンとも呼ばれる菊池レモンという品種もあります。個性的なレモンを育てたい人におすすめなのが、ピンクレモネード。その名の通り、果肉がほんのりピンク色をしています。実も黄色に青い筋が入るのが特徴です。他にも通常の４倍のサイズと言われるジャンボレモンも育て甲斐があります。

関東以北の寒い地域で育てる場合、冬の対策が必要になります。耐寒性は−2度くらいまでと言われていますが、風あたりなども影響するので一概には温度のみで判断するもの難しいかもしれません。寒冷地にお住まいの方は冬に移動できるよう鉢植えで育てるのをおすすめします。また寒冷地でなくても、冬の間は寒冷紗などで木全体をすっぽり覆ってあげ、地面も堆肥やウッドチップなどのマルチングをする事でかなりの寒さ対策になります。温暖な地域でも苗木の時期は寒さにより弱いので、レモンの置き場所や植え場所に応じて寒冷者で巻いてあげると良いでしょう。

木が大きくなるに従って収穫するのに、枝の中に手を入れる事もあるでしょうからトゲ、気になりますよね。トゲはハサミで切ってしまっても問題ありません。強風で揺さぶられ、トゲによって傷ついた実や葉がかいよう病の原因にもなる事がありますので、病害虫対策として、トゲをカットしてもいいでしょう。最近ではトゲの少ない品種も出回ってきているので、これから育てる人はそういった品種を選ぶのも1つの方法です。

レモンは冬比較的温暖で、夏に乾燥したような環境を好む果樹。スペインやイタリア、カルフォルニアなどの地中海性気候の地域でで多く育てられているのはそのためです。

鉢植え栽培でも、上手く育てると実をならせますが、もし温暖な地域にお住まいで広い場所を確保できるのであれば、是非地植えにチャレンジしてみるのもおすすめです。鉢植えだと数個の収穫ですが、地植えだと木も大きく成長するので、上手くすれば100個くらいの収穫量も夢ではありません。品種によっては寒さに強い品種、実の形から皮の厚さ、酸味なども少しずつ違うので、お気に入りの品種を見つけて植えるのも、また楽しいですね。