難易度★

チランジアはたくさんの種類があり、手のひらサイズの小さなものから両手で抱えるほど大きなものまであります。中南米のかなり広い地域に分布し、比較的標高の高い所に自生します。乾燥地帯や熱帯雨林、岩や木に着生しているものや、地面に根を出して転がっているものなど様々。空気中の光や水分を養分として吸収して成長しています。

植物の管理を考えた時には自生地をイメージするのが一番。でも中南米原の標高の高い所ってどんな環境？答えは、日中は気温が上がっても、朝晩霧が立ち込めて、気温は下がるような所が好きという事になります。

直射日光を避けた朝日が当たる、気持ちの良い風が通る明るい木陰のような環境がベスト。苦手なものは、直射日光、無風、じめじめした湿気、極端な寒さです。

春から夏にかけは屋外の木漏れ日環境がベスト。室内の場合は、風通し良く、カーテン越しの窓辺がベストです。冬の寒さが苦手なので、冬は５度以下にならないよう、室内で管理します。

４月温度が上がってきた頃から最低温度が５℃と下回らない１０月後半まで、屋外管理をするとより元気に育ちます。ときには外に吊るして人工的には作れない長時間の雨風環境に当てるのもgood。（１１〜３月の期間は寒いのでやめましょう）

花が咲き終わった株はその役目を終え成長が終わった事を意味します。おそらく小さな子株が出てきているはずなので、肥料をあげるなどして、次はその子株を育てていきましょう。

花が咲いたら次の世代の子株育成をしましょう。液肥を２０００倍の水に溶かしたものを月に１回霧吹きで与えます。

夏は毎日〜週２回程（夕方）、冬は週１回程度（午前中）、霧吹きをかけてあげましょう。真夏と真冬を除いた時期は、月２回程お風呂？ではなくドボンと水に１時間程水に浸けてあげるのがコツ。それをソーキングと呼びます。その後必ず自然乾燥させましょう。室内で育てていても、たまには屋外に出してあげて、心地よい風や時々程よい雨に当ててあげるのをオススメします。

土に植えなくっていってことは根がないから？いいえ、実は根はあるんです。でも土の内部に根を張り巡らせて養分を吸い上げる為の根ではなくて、着生する時に木や岩に絡み付くため根です。成長期の５〜６月、９月下旬〜１０月に根を出します。根が出てくると流木アレンジもより自然に馴染みます。根の成長も是非楽しんで！

細い小物巣のような糸が張っていたらハダニの可能性が。また、ロウのような白い塊が付いていたらカイガラムシです。放っておくと枯れてしまう事もあるので、まずは水で洗うなどして取り除きます。アブラムシやカイガラムシの排泄物でスス病を併発する事もあるので、早期発見早期対処が大切です。

植物分類学の父と呼ばれたカール・フォン・リンネがティランジア（Tillandsia）と名付けました。名前のインスピレーションは、医師であり植物学者であるスウェーデン生まれのエリアス・ティランツ博士（Dr. Elias Tillandz）の名前からと言われています。

冬も室内は乾燥するので、霧吹きはしてあげましょう。ただし、冬期１０度を下回る時は夜間に霧吹きは絶対禁物！株が水分を持っていると、寒さに耐えられません。午前中に霧吹きをしてあげましょう。

素敵なガラスなどに入れられたエアープランツをインテリアショップなどで見かける事があります。ですが、実際風通りの悪い環境はエアプランツにとってよくありません。できれば水苔やコルク、ヘゴなどにワイヤーで固定し、程よい水分を確保しつつも微風を感じる環境が一番イキイキと成長します。

上手くいけば子株が成長したり、花が咲いたり、さらなる楽しみを満喫する事だってできるんです！ じっくり大きく育てて愛着のある大株のチランジア、挑戦してみるのはいかがでしょうか？