難易度★★
種まき４月〜６月　苗植え７月〜９月　紅葉の見頃１０〜１１月

主に園芸観賞用として出回るものはトリコフィラと言う品種で、ハナホウキギとも呼ばれます。秋の紅葉が美しいのが特徴です。「畑のキャビア」とも呼ばれるとんぶり（果実を食用にします）もこの仲間です。簡単に育ててみたい人は苗からの栽培、大量に育てたい人は種まきからの栽培をオススメします。

コキアの魅力は何と言っても、色変化。そして、自然にとふんわりと丸い形状に茂る樹形です。花を楽しむと言うよりは葉色と姿を楽しみます。１株育てるよりもたくさんまとめて育てるとより魅力が引き立ちます。

園芸店に苗が出回るのは暖かさが少し落ち着いた７月以降。たくさんの苗を育てたい場合は４月〜６月の間に種まきします。８月ごろに小さな花を咲かせますが、あまり目立ちません。１０月頃から色づき始め、綺麗な赤に変化します。晩秋には枯れてそのサイクルを終えます。

岩手、秋田、長野県の名産品として有名な「とんぶり」。タネ（実）を乾燥させてから煮て、さらに皮を取り除いていただきます。そのプチプチした食感から「畑のキャビア」とも呼ばれます。しかし、この種は紅葉はせず種子が大きいのが特徴です。育てたい場合は、伝統野菜のタネとしてネットなどで購入できます。

一日たっぷり日のあたる場所で育てましょう。また水はけの良い環境を好みます。苗は小さいですが秋にかけて大きく成長するので、株間は４０〜５０センチは開けて植え付けます。

タネから育てる場合は、４〜６月に蒔きます。桜が開花するのを目安に種まきをします。タネが小さいので園芸店で売られているセルトレイに種まき用の土で植えるのをオススメします。その後９cmポットに植えかえ、１０〜１５センチほどに育ったら、庭や鉢に植えます。

コキアの根は直根性なので、ポットで購入して植えるときには根を崩さないように気をつけます。根を傷めてしまうとうまく育ちません。購入した苗は、ポット内で根がパンパンにならないよう、購入したらすぐに植えるようにします。

苗はとても小さいですが５０〜７０cm程の高さに成長するので、根もしっかり張れるよう、深さもある大型のプランターに植えるのをお勧めします。小さな鉢でも育てられますが、大きく成長しなかったり、水切れが早いので夏の管理が大変です。

鉢植えにする場合は培養土を利用します。培養土は大抵肥料が入っているので、そのまま植えます。植えて１ヶ月後程からゆっくりと効く緩効性肥料を施し、その後は様子を見て必要であれば、肥料が切れる頃のタイミングでもう１度施します。

水はけ良く、水持ちの良い環境がベストです。そのためにも良い土作りをしてから植えると良いでしょう。堆肥と腐葉土を混ぜて、土作りをしておきます。植えた後は、特に肥料を入れなくても育ちます。様子を見て植え付け１ヶ月後に緩効性肥料を施すとより大きく育ちます。ただし窒素分（N）控えめのものにします。

鉢植えは乾いたらたっぷりが基本です。植えてから根付くまで水やりが必要ですが、その後は雨水に任せて問題ありません。真夏にあまりに乾燥して葉がしなびたりするようであれば、たっぷり与えます。

開花から５〜１０日で収穫します。あまり長い間実をつけておくと株が消耗するので、早めに収穫する事で株を長持ちさせます。

別名ホウキグサという事もあり、枯れた後の枝を使って実際にホウキを作ることも可能です。
�@茶色く変色し始めたら根ごと抜き取り、逆さまにしてよく乾かします。 �Aよく乾いたら手でしごくなどして、タネや細かい枝などを取って枝を綺麗にしつつ、形を整えます。 �Bホウキにする場合は、持ち手部分を麻縄で縛ります。リースにする場合は、これをリースの材料にして台に巻きつけていきます。 �C飛び出した枝などをハサミで整えたら出来上がり。

コボレダネからも良く発芽します。翌年、たくさんの芽が出てきたら、そのまま自然に任せて育ててみても楽しいですね。直根性の根のため、根をいじられるのを嫌います。根を傷めないよう、混み合った部分は間引きを繰り返して育てていきます。

まずは日当たり良く水はけの良い環境で育てるのが一番です。空気の停滞するようなジメジメした環境は病気にかかりやすくなります。植える場所と土さえ条件が揃えば、比較的簡単に育てることができる植物です。

葉っぱに粉が吹いたようになります。水はけが悪くジメジメした環境下でかかりやすい病気です。広がらないよう、見つけ次第その部分を切り取ります。また初期に薬剤散布も効果的です。

以前コキア属に属していたことからコキアと呼ばれますが、現在はバッシア属に分類されます。学名ではバッシア　スコピアリア。秋に赤くなる品種は、その変種のバッシア　スコピアリア　トリコフィラと呼ばれる一年草です。

中央および東ヨーロッパ、そして温帯のアジアに自生する植物です。世界的に見ると多くの国で雑草化しています。砂漠のような痩せた乾燥地や、塩分を含むような土壌でも育つことの証明にもなります。育ててみると、コボレダネから多くの芽を出すので、雑草化も納得できます。

初夏から秋にかけて大きく育てて紅葉を楽しむ植物。そのためどうしても台風シーズンには被害を受けやすくなります。台風が来ても被害を受けない株もあり、観察してみたところ比較的大きな株が被害を受けやすいように感じます。余分な肥料をあげすぎずしっかりしまった株を育てる事。これがポイントになるかと思います。来年こそは是非美しい紅葉を！頑張ってください！

真夏に涼しげなライムグリーンの葉色も魅力的なコキア。秋の赤い姿が有名ですが、夏の爽やかな緑も十分美しく、コニファーのような美しさがあります。

広大な敷地一面にコキアを植えた観光地もあり、その景色は圧巻です。育てて色変化を楽しむのはもちろん、コキアの名所に出かけて自宅では楽しめない広大なコキアの景色を楽しむのも、また楽しいですね。