難易度★
開花期：10〜5月　植え付け期１０〜１２月　肥料：１０月、２〜４月

パンジーとビオラの違いは、かつて小さいものがビオラ、大きいものがパンジーと呼ばれていました。ただ、中間的な存在も多くあり、あまり厳密な区分分けはありません。花色、花形の種類はたくさんあり、シンプルなものから豪華なフリンジ、極小輪など今なお多くの日本の育種家によって様々な品種が作られています。大変育てやすいので、園芸ビギナーの最初の花としてもオススメです。

基本的には日当たりが良く、水はけの良い環境を好みます。比較的パンジーの方が日当たりを好み、ビオラの方が少し木陰のような環境でも丈夫に咲いてくれます。

とても寒さに強い植物ですが、品種によって耐寒温度が違い、寒さに比較的強いものと弱いものがあります。寒さに負けないためにも、１０月頃に植えて年内にしっかり根付かせてから冬を迎えるのがポイントです。そうすれば雪に埋もれて多少痛んでも、翌春には復活して綺麗な花を咲かせてくれます。

たくさん育てたい人には種まきから育てる方法もあります。その場合、８月の半ばに種まきをすれば、年内に花を楽しめるでしょう。発芽適温は２０度前後ですが、その時期はまだ残暑の厳しい時期なので、涼しい木陰で発芽させてから日向に移動します。秋に蒔くと、開花は翌春からになります。少し管理が難しいので、初心者は秋に出回る苗を購入して育てましょう。

終わった花をこまめに摘んであげる事で、よりたくさんの花が上がって多くの花を長い時期楽しむことができます。花が終わったら花茎を手でつまんで摘み取りましょう。

真冬は寒さに耐えている状況です。霜で多少痛んでも、翌春に元気に伸びてきます。ただし、霜が強く降りる地域では、ウッドチップなどのマルチングをするなどの防寒対策を施した方が無難です。

パンジー・ビオラの良さは、その他の植物との相性の良さ、合わせやすさです。様々な花色があるので、その他の一年草とのカラーコーディネートを楽しみましょう。

あらかじめ腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ、耕しておきます。ポットを外し、少しだけ根っこの下部分を崩して植え付けます。植える深さは、深過ぎたり浅過ぎたりしないよう気をつけます。今の土の高さと同じになるように植え付けます。鉢植えの場合は、培養土を利用します。

庭に植えつける場合、ポット１つ分スペースを空けて植えるのがオススメです。最初は寂しく感じますが、春からの成長を見越して植えた方が、春先からの害虫や病気のリスクが減ります。鉢植えはそこまで開けると少し寂しい印象になるかもしれないので、少し間隔狭めで植えます。

植え付けの時に緩効性肥料をあげます。次に肥料をあげるタイミングは、春先大きくなる少し前、２月後半に肥料をまきます。その後は様子を見て、肥料の有効期間も確認しながら肥料をあげます。

鉢植えは乾いたらたっぷりが基本です。庭植えは、特に気にせず雨水で十分ですが、あまりに乾きすぎるようであればたっぷりあげましょう。

パンジーもビオラも自分でタネを蒔いて育てると、食用として楽しむ事ができます。リーフレタスやハーブと一緒に植え込んで、エディブルコンテを作っても楽しいですね。氷の中に入れてアイスキューブや、サラダの飾り、料理の添えなど、色々楽しめます。購入した花苗は食品用として栽培されていなません。薬剤が散布してある可能性もあるので、食べるのはやめましょう。

春になり気温が上がって来ると、病害虫がつきやすくなります。新芽などの葉先にアブラムシがついたり、ヨトウムシなどの芋虫やナメクジ、ダンゴムシによる食害があります。芋虫は見つけ次第捕殺します。これらの被害を防ぐためにも、植える間隔は近過ぎず、日当たりの良い環境に植え、肥料はやり過ぎず、深植えしないという、基本の育て方を守ることがとても大事です。

蒸れると、葉が白い粉を吹いたようになるうどんこ病、小さな褐色の斑点に始まりそのうちに灰色のカビに覆われる灰色かび病が発生しやすくなります。花がら摘みをこまめに行い、風通しよく育て被害を出さないよう気をつけます。また薬剤散布も効果的です。まずは病気を見つけ次第、早急に取り除きます。そうする事で手遅れになるのを防ぎます。

１６００年代からすでに栽培されていたパンジー、１８００年代初頭、イギリスの貴族ガンビアー卿の庭師ウイリアム　トンプソン氏が野生のビオラを交雑させ新たな品種を作り始めたのが、本格的な交配の始まりとされています。彼は、1839年に、今では一般的ですが、花の中央にブロッチと呼ばれる顔のような模様が入っているのを発見し「メドラ」と名付けました。その後１８５０年にはヨーロッパ全土に広がり、人気の植物となりました。

１９２０年に、スイスで初の大輪品種「スイス・ジャイアント」が作られ、１９５０年以降、オランダでブロッチなしの「クリア・クリスタル」が作られました。日本では大手種苗会社によって生育が旺盛で早生のF1品種が世界で初めて作られ、秋植えの長く楽しめる花へとさらに進化を遂げました。現在世界的に愛されるパンジーは、アメリカ、ドイツ、日本が育種の先駆者とな理、毎年のように新たな品種が生まれています。

冬の間は、大きく成長することがないので、詰めて植えても大丈夫です。ただし、春になると倍くらいに増えて来るので、春先に丁寧に数株抜いて別のポットに植えつけるなどして株間を確保してあげるのではいかがでしょうか？

元気な原色系の色合いから、優しいパステルカラー、シックな大人色など多彩な色バリエーションに始まり、印象的な覆輪模様や網目模様、咲き方も可愛らしい極小輪、細弁（ラビット型）、豪華なフリンジなどなどあげればきりがない程の品種があるのが魅力の植物。

宿根タイプや八重咲きなどもあり、まだまだ多くの育種家によって続々と新しい品種が作られているパンジー・ビオラ。お気に入りの鉢に１つ植える、寄せ植えにして色合わせを楽しむ、お庭いっぱいに植えるなど、使い道は様々。まずは好きな品種の苗を買って栽培の楽しさを経験してみましょう。

そして、慣れたら種まきにチャレンジして、エディブルフラワー作りに挑戦しても楽しいですね。年々進化を続けるパンジー・ビオラ。今後の発展もまだまだ楽しみです。

日本から海外へ渡り進化を遂げたアジサイ。昨今、それら逆輸入されたアジサイを元に、日本でも多くの品種改良が行われ、世界的にも評価されています。

桜色の美しいアジサイ「ミセスクミコ」は国内登録第1号品種であり、今のような鉢物アジサイのパイオニア。発表から３０年以上も不動の人気を誇る美しいアジサイです。また１０年に１回開かれる花のオリンピック「フロリアード」では日本のアジサイが金賞を受賞するなど、日本のアジサイ育種家は世界でもトップの技術を誇ります。日本の誇る植物、紫陽花。好きな花色の鉢を購入してもいいし、アジサイの名所に出かけるのもまた楽しいですね。