難易度★

接触だけでなく、光、風、雨や熱などの刺激にも反応して葉を開いたり閉じたするオジギソウ。半直立型で、上に伸びるというよりは少し這うように成長していきます。
世界各地で雑草化して、駆除対象になっている国もあるほど、環境が合えばとても簡単に増える植物です。日本では、暖かい沖縄地方で雑草化しているのを見かけます。茎には小さなトゲがあり、触ると痛いです。
葉が注目されがちですが、夏に咲かせるピンクの花は、とても可愛らしく魅力の１つです。日当たりよく、水はけの良い環境を好みます。種から、もしくは苗を購入して育てます。

中央アメリカ出身の植物のため、寒さに弱い性質があります。発芽適温は少し高めの２５〜３０度なので、５〜６月に種を播きます。黒ポットに培養土を入れて、種を３〜４粒播きます。
本葉が２〜３枚になったら、実際に育てたいプランターに移植します。オジギソウの根っこは直根性で移植を嫌います。植え替えする時にはあまり根っこをいじらないようにして、植え付けます。

手っ取り早く育てたい人は、苗の購入が簡単でおすすめです。苗は比較的安価に手に入れることができます。しっかりと暖かくなった６月頃に植え付けをします。土は草花用の培養土で十分元気に育ちます。
肥料が入っていない場合は、最初に植え付けする際に、緩効性肥料も混ぜ込んでから植え付けます。庭に植える場合、水はけの良い環境を好むので、堆肥と腐葉土をあらかじめ混ぜて、土づくりをしておきます。
７〜８号（２１〜２４センチ）の鉢に１株を植え付けます。６０センチほどの長方形のプランターに数株植える場合は、２株植えて株間を２０センチ程確保します。庭に植える場合は、広がって成長する事を見据えて、広めの３０センチ程の株間を開けて植えるのがポイントです。

オジギソウはあまり肥料は必要ありません。植え付けの際にすき込んだ肥料のみで十分育ちます。逆にあげすぎると、葉ばかり茂って花がつきにくくなるので、気をつけます。水は乾いたらたっぷりが基本です。夏はとても乾きやすくなるので、水切れしないよう注意します。

オジギソウは、病害虫被害もあまりなく、大変育てやすい植物です。強いて言えば、乾燥するとハダニが出る事があります。
ベランダなど夜露が当たらない環境下では、ハダニもつきやすいので、時々葉裏にもしっかりと霧吹きをかけてあげると予防に効果的です。乾燥しすぎても発生しやすいので、極度の乾燥をしないようにも注意します。

特に剪定をしなくても問題はないのですが、自然に草姿がまとまるような植物ではありません。どちらかと言うと、成長と共に、だらしなく枝がどんどん伸びてしまうといった印象です。
あまり枝が伸びすぎるのが嫌な人は、成長初期に一度軽く剪定してあげると良いでしょう。枝先に花をつけるので、こまめに剪定してしまうと花がつきにくくなります。基本的には放任でも良い植物なので、もし枝の暴れる様子が気になる人は、支えの支柱や紐で少し補助してあげると良いでしょう。

オジギソウは、その葉や根を薬用として利用している国もある、薬用植物の１つです。ですが、実は草にはアルカロイド系の有毒成分が含まれています。ただし、触ってかぶれたりする事は全くなく、恐れすぎなくても大丈夫です。小さなお子さんやペットを飼育している場合は、誤って口に入れないようにだけ注意します。

オジギソウは肥料が多すぎると、草ばかり茂って花が咲かないことが多くあります。もしかしたら定期的に液肥などをあげ続けていたりしませんか？一旦肥料はやめて様子を見てみましょう。

オジギソウと同じ豆科の植物の多くは、夜葉を閉じる就眠運動をしています。ネムノキや大豆、ニセアカシアなど、よく観察すると夜に葉っぱを閉じている事に気がつく事でしょう。こうして1つの植物をきっかけに、色々な植物の生態を知るのも、発見があって楽しいですね。

学名のMimosa pudica（ミモサ　プーディカ）と言い、プーディカは、ラテン語ではにかみを意味しています。触ると葉を折りたたんでしまうその性質から、英語名ではセンシティブプランツ（敏感な）、shameplantシェームプランツ（恥ずかしさ、羞恥心）ハンブルプランツ（謙虚な）といった呼び名もあります。花言葉も、「敏感」「感受性」「謙虚」など、その性質をまさに表現した言葉です。大変育てやすい植物なので、実際に育てて、触って反応を楽しんでみてはいかがでしょうか？