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シソ と言えば、和ハーブの１つとしても認知の高い香味野菜。スーパーで売られている大葉は、シソの中でも青ジソのみを言います。一度育てると、翌年にはこぼれ種があちこちから顔を出すほど、とても強健で育てやすい野菜の１つです。春に種まきをして育てる方法と、春に出回る苗を購入して育てる方法があります。青ジソは薬味や刺身のつま、天ぷらなどに多く利用され、赤ジソは色付け用として利用されています。青、赤共に葉の縮れた品種は、ちりめん紫蘇と呼ばれ多く流通しています。春から育て始め、７月頃から葉をその都度収穫します。秋になると花穂が上がってくるので、実が黒く色づく前の花穂を収穫すると、香り高い実ジソを楽しむ事ができます。

基本的に日当たりの良い環境を好みますが、真夏の強すぎる西日に照らされると、葉が焼けたり硬くなってしまいます。午前中はしっかりお日様を浴びて、夏の午後以降少し木漏れ日になるような環境がベストです。水切れを起こすと、同様葉が硬くなって風味が落ちるので、真夏のプランター栽培は特に注意が必要です。種からでも簡単に育てられますが、初心者の方は苗から育てるとより簡単です。温帯から熱帯地域に自生する野菜なので、しっかり暖かくなってから育て始めると失敗がないでしょう。

種から育てる場合、温度の安定してくる４月下旬以降、６月までに種をまきます。シソは「好光性種子」と言い、発芽にある程度の光を必要とする野菜です。そのため種まきした後に、土はさらりと薄くかぶる程度にしましょう。９センチの黒のポリポットや育苗箱にパラパラ種を蒔き、うっすら土を被せ、手でしっかり上から抑えます。ハス口のジョーロで優しく水をやり、種が流されてしまわないよう注意します。発芽後、間引きを繰り返して、本葉が３〜４枚になったときに、菜園やプランターへ植え付けます。植え付ける時には、成長を見込んで株間を３０センチ程開けて植え付けましょう。苗を購入する場合、葉が黄色かったり、虫食いのあるもの、茎がヒョロヒョロ曲がっているものは避けて、太くてしっかりまっすぐ伸びた、葉もきれいで青々した苗を選ぶ事がとても大事です。

シソは水切れすると美味しい葉を収穫できません。真夏乾燥して水切れを起こさないよう、ワラやウッドチップなどのマルチングがおすすめです。また肥料もある程度は必要です。肥料分の少ない場所で育てると大きく育たずに葉が黄色っぽくなったり、硬くなったり、大きく育たなかったりします。プランターで育てるときには野菜用の土を使い、庭に植えるときには、堆肥や腐葉土をすき込んで土づくりをしてから植えます。その後月に１回程度を目安に肥料を施します。（肥料によって効く期間が違うのでそれに従います）ただし、肥料のやりすぎは病害虫発生の原因になるので、あげすぎないよう注意します。

基本的には病害虫の付きにくい野菜の１つです。風通しが悪かったり、水はけの悪い環境、しょっちゅう水切れさせたりすると病害虫にやられやすいので、基本的な水やり、植える場所決めがとても大切です。細菌の侵入によって突然枯れたようになる青枯病にかかったら、別の株にも伝染するので株ごと引き抜いて処分します。他にも、カビの一種が原因で葉に茶褐色の斑点が出るサビ病や褐斑病が確認されたら、そのような葉は発見し次第取り除きます。

シソをたくさん収穫したい場合は、枝数を増やすとそれだけ多くのシソを収穫できます。本葉が７〜８枚ほどに成長してきたら、茎の上部をハサミで切ります。これを摘芯（てきしん）と言います。そうすることでその下の脇から新たに芽が出て、枝数が増えます。それらの脇芽が成長してきたら同様に摘芯を繰り返す事でさらに枝数が増えて、たくさんの葉を収穫する事ができます。

青ジソは成長と共に収穫しながら大きく育てていきます。赤ジソは煮出してジュースや色付けとしての利用のため、大きく成長させてから株全体を根元から一気に収穫します。青ジソも使いきれない時には、煮出してジュースとして楽しむ事もできます。クエン酸を加える事で、青シソでもほんのり赤い煮出し汁を作る事ができます。赤、青両方とも出始めの芽は薬味として利用が可能です。また未熟な実をいただくシソの実は黒く色づいてしまうと固くて食べれなくなるので、花が終わりかけの未成熟のものを利用します。実ジソは葉同様、火を入れると黒ずむので、調理後にパラパラ振りかけて利用するのがおすすめです。

簡単とは言いますが、ある程度の肥料分、そして水やりが大切です。水切れしたり肥料分が足りないと葉が小さく、大きく育たず、葉も固く美味しく育ちません。植え付けるときに野菜用の土を使う、植え付ける場所に堆肥や腐葉土を混ぜるなどの最初の準備はとても大切です。次回はそれを意識して、ぜひもう一度チャレンジしてみて下さい！

シソは収穫後鮮度が落ちやすく、また使用量も少しなので、購入しても使いきれなかったりなんて経験がある方も多いのではないでしょうか？自分で育てると、使う分だけ採れたての葉を収穫できるので、家庭菜園にとても向いた野菜の１つです。

１苗でも上手く育てると大きな株に成長するので、十分色々な利用方法を楽しむ事ができます。また他の野菜に比べて育てやすく、病害虫の被害も少ないので、園芸初心者さんにとてもおすすめの香味野菜。夏の食卓に爽やかな香りを届けてくれるシソ、今年の夏に向けて育ててみてはいかがでしょうか？